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悪役令嬢はヤンデレ義弟に溺愛される

作者: 月宮優利

ずっと書きたかった義弟、悪役令嬢もの。

もしかしたら連載するかも?

 どうやら、私は悪役令嬢に転生してしまったらしい……

 というのも私が五歳の時、私は原因不明の熱で一週間寝込んだそうだ。

 その間、私はとても長い夢を見ていた。


 日本という国に生まれ、美鈴という名前の普通の高校生だった。

 毎日ゲーム、漫画、アニメ三昧で、もちろん勉強もやっていたよ。まあ、テスト全部赤点ギリギリラインだったけど……

 そんな中、私が一時期はまっていた乙女ゲームがあった。

 名前は『聖女の魔法~太陽の下で咲く百合は、人々の心に癒しをもたらす~』という少し長いタイトルのゲームだ。


 

 中世ヨーロッパっぽい舞台に魔法と剣の世界、平民の主人公が聖女であることが発覚し、貴族に仲間入りし魔法学園に入学する、という王道なストーリー。

 戦闘シーンや一人一人のキャラクターの過去が凝っていて、すぐにはまった。

 ヒロインは多少お花畑な子だったのであまり好きではなかったが、ストーリーや戦闘部分を楽しむ分には問題ないし、さまざまなキャラクターを知っていくうちにどんどん底なしの沼にはまっていったのだ。


 ここで冒頭に戻るが、私はそのゲームの悪役令嬢に転生したらしい。

 悪役令嬢、つまりはヒロインの恋を妨害するライバルキャラだ。

 ストーリーの最後にはどんなエンディングであれ悲惨な結末を終える。自業自得と言えばそれまでだが……

 とりあえず、私はそんなキャラに転生したのだ。






 スーハ―

 ひとまず落ち着こう。

 












「つまり私って、最推しの義姉になれるってこと……」



 やったあああああああ!!

 え、やばい、めっちゃ嬉しい。

 神様、本当にありがとうございまず。私、私、もう、やばい……


 え? そこじゃないって?

 まあたしかに、死亡フラグとかいろいろあるけどさ、要するにヒロイン虐めなければいいわけじゃん。

 万事解決やん。


 というわけで、私今日から最推しである義弟を甘やかしたいと思います、と言いたいところだけど義弟が来るのはもう少し先の話なのだ。

 つまり、来るまで待っておかなければいけない。こればかりは時間がたつのを待つしかない。

 うん。


 とりあえず今日は寝よ。




 ◇◇◇



 はい、あれから二年たったよ~。

 今日は義弟との顔合わせの日だね。やった!


「レルエナ、今日からお前の弟になるリグルだ」

「は、はじめまして」



 なにこれ、かわゆす。

 やっば、やばい、このままじゃ語彙力死滅する……

 マジで可愛すぎる。


「は、初めまして、私はレルエナよ。お姉ちゃんって呼んでね。今日からよろしくね」

「はい!! よろしくおねがいします、おねえ、ちゃ、お姉さま」


 殺・す・き・か


 な、なにこれーーーーー!!

 恥ずかしがってるリグル可愛すぎるーーー!!


 お姉ちゃんって呼んでくれなかったのは残念だけど、可愛いから許す。

 許すどころか甘やかす。

 どうしよう、私こんなにも幸せでいいのかな?

 もう明日死んでもいい……


 いや、やっぱりまだまだ死ねないわ。

 リグルの生スチル、たっくさん記憶しないと満足できない!!

 そのためにも、精いっぱい甘やかしてやるーーーーっ!!



◇◇◇





 コンコン


「リグルー、入っていいかしら?」

「は、はい。お姉さま」


 リグルが来た当日、私は早速リグルの部屋にお邪魔することんした。

 もちろん、お菓子を片手に。

 乙女ゲームの中ではリグルは甘いチョコレート系のお菓子が好きだった。

 なのでもちろん、たーーっぷり持ってきている。


「お邪魔するわね」


 ガチャ


「お姉さま!! あ、あの、どのようなご用件で?」


 くぅ、他人行儀なのは寂しいけど可愛い。

 可愛すぎる。何この天使。

 もう絶対神様の最高傑作だわ。

 もし本当に天使だったらどうしよう。

 天界からお迎えが来そうで、不安だわ……


「一緒にお菓子食べましょう」

「お、お菓子ですか?」

「えぇ、チョコレート菓子もってきたの」

「ほ、本当ですか!!」


 目をキラキラさせてる。可愛い


「はい、一個どーぞ」

「ありがとうございます…………はむ、おいひい」


 なにこれ、かわゆす。

 どうしようこのままじゃ可愛いと可愛いとやばいくらいしか言えなくなる。


 それから私たちはお菓子を食べながら他愛もない話をし、部屋を出た。


 そういえばお父様から理由を聞いていなかったわね。

 今の私は誰かに嫁入りするわけじゃないし、婿さえとれば跡継ぎも心配しなくていいのに。

 ほかに事情があるのかな、聞いてみよう。


 コンコン


「お父様、いいですか?」

「あぁ」


 ガチャ


 というわけで来ましたお父様の執務室。


「どうした?」

「あの、リグルがうちにきたのは何か理由があるのですか?」


「あぁ、そういえば話していなかったな。あの子は魔力が大きいんだよ。それで暴走させてしまったらしくてね、魔法を使って熱を出したそうだ。

 彼の実家は貧乏な男爵家で魔法の心得がある医者も呼べないし家庭教師も雇えない。だからせめて無事でいられるよう誰かに引き取ってほしかったらしく、私がその話に乗ったわけだ」

「なんでですか?」

「レルエナには好きな人と結婚してほしい。だから後継ぎが必要だ。そうなればやはり、魔力が多いもののほうがいいだろう」

「はぁ、でも私が好きな人に婿入りしてもらう、でもありだったのでは?」

「レルエナの好きな人は王子だろう。さすがに王子に婿入りは……たとえできたとしても王家とのパワーバランスが…」

「え?」

「は?」


 あれ、何で王子が好きってことになってんの。

 あ、そういえば私ってゲームの中では王子の婚約者だったわ。完全に忘れてた。


「お父様、私は別に王子が好きではありません」

「そ、そうだったのか。以前のお茶会から王子を気にかけるようだったからてっきり……」

 

 (それは攻略対象だからです、お父様。)


「まあ、でも好きな人と結婚できるのは願ってもいないことですし………理由が分かりましたので、では」

「あぁ」


 ガチャ


 勝手に王子が好きってことにされてたのは不本意だけど、とりあえず理由は分かった。

 私を嫁入りさせた場合、後継ぎがいないからってことね。

 それにしても乙女ゲームではその辺の細かい事情は書かれてなかったから知らなかった。

 いや、魔力が多くてうちに入ったっていうのはもちろん書かれていたけど、あとは悪役令嬢こと私の虐めっぷりがひどすぎて暴走云々は知らなかったわ。というよりもきっと、描かれていなかったのね。


 まあ、とりあえず寝ますか。

 もう夜だしね。そういえば、リグルはもう寝てるのかな?

 もしかして、うまくいけばリグルの寝顔が……

 ぐふふ、それは最高だわ。とりあえず行ってみましょう。



 よし、リグルの部屋まで来たわ。

 とりあえずそーっと……


「うぅ……っふ………はぁはぁ………おか、さ」


 これは、リグル…うなされてるの?


 扉をそーっと開けた先から見える真っ暗な部屋、よっしゃ寝てるって思ったところまではいいけどまさかうなされているとは。


 ……きっと、初めての場所で不安だったのよね。

 なのに私、初日からなれなれしすぎたかしら。

 もっと気遣えばよかったわ。

 リグルは私より一つ年下の六歳。まだまだ親が必要な年齢だ。そしてちょっと前まで家族がいたのに突然引き取られて、不安じゃないはずがないのに……

 

 駄目ね、私。

 推しに会えると思って舞い上がっちゃって。

 でもここにいるリグルは生きている。感情だってあるし考えるための頭だってある。

 不安を感じるのも当然だわ。


「おかあ、さ……」

「ごめんね、私はあなたのお母さんはないわ。でも、安心して。怖くないわ」


 私はリグルの頭を優しくなでる。


「大丈夫よ、大丈夫」

「うぅ…………………すぅ、すぅ」


 よかった~、落ち着いたみたい。

 ふふ、予想通り、リグルの寝顔はとんでもなく可愛いわ。

 でも汗かいてるみたいだから、タオル持ってこなきゃね。


 私はリグルを起こさないようにそっと立ち上がる。


 ぎゅ


 ……???


「だめぇ、いっちゃ、だめ………すぅ」


 なにこれ、マジで殺・す・気・か。

 かっわいいい、かっわいいいいいいい!!

 天使、これ天使!!

 やばい、マジでやばい……



 ってそうじゃなーーい。

 だめだ、可愛すぎて目的を忘れるところだった。

 でも、ちょっとくらいはいいよね。



 私はベッドの空いている隙間に体を滑り込ませる。

 結局朝、リグルのかわいらしい叫び声で起きたのは言うまでもない。

 その日以来、仲が急激によくなり、毎晩一緒に寝るよう誘われるようになった。

 

 うちの義弟が、かわいすぎる……






◇◇◇






 それから数年、私は今、断罪されている。


 これはいわゆる、強制力というやつなのだろうか……?

 でも私、本当に何もやっていないわよ。

 とはいえこの状況はもう変えられない。


 きらびやかな卒業パーティー。

 私の目の前にはこの国の第一王子であるアルフォード・フェリアクス様がヒロインちゃんを守るように立ちはだかりながらやってもいないことをギャーギャーと騒いでいる。

 ちなみにアルフォード様は一番攻略が楽な攻略対象の俺様系我儘バカ王子である。(だが悪い人ではないので謝罪するときはちゃんと謝罪する)

 金髪碧眼のいかにも王子って感じの見た目だが少し残念な人だ。


 でも、腐っても第一王子なんだよね~。

 

 ほかの人は文句を言うこともできないし、今この場を止められるのは第二王子だけ。

 でもその第二王子もヒロインにべったり。

 そのヒロインはと言えば、ピンクゴールドの髪を揺らし、翡翠色の瞳をうるうるさせながらこっちをこれでもかってくらい睨んでいる。


 うん、私君に何かしたっけ?

 それどころか初対面よ。


「貴様!! 聞いているのか⁉」

「あー、ハイハイ」

「お前は我が最愛なるディアンナに陰湿ないじめをしたらしいな!! 挙句の果てには暗殺未遂、よってお前を追放する」

「私やってないですわ、それどころか彼女とは初対面ですわ」

「ふざけるな!」


 うわ~、王子ってこんなキャラだっけ。

 サイテー。


「証拠はあるんですか?」

「ディアンナがお前がやったと言っている。それが一番の証拠だ」


 馬鹿か、こいつは馬鹿か。

 ていうかこの国大丈夫? こんな王子たちが国を収めるなんて、滅ぶんじゃない?

 ちゃんと証拠も出さずに侯爵令嬢を断罪とか、バカなの?アホなの?

 脳みそちゃんと詰まってるのか、コンヤロー。


「殿下、それでは証拠になりません。ちゃんとした証拠を提示してください」

「なに、お前はディアンナが嘘をついていると言うのかっ!!」

「わかりません、ですがその可能性があるというだけですわ。実際、私は何もやっていません」

「ふざけるな!! ディアンナを侮辱する気か!!」


 もうやだ、何この王子。面倒くさい……


「アルフォード殿下、なにしているんですか?」

「り、リグルーーー!!」


 私が諦めかけていると、後ろからリグルが現れる。


 お願い、助けて。


 そんな視線を彼に送ると彼は優しく微笑んでくれた。


「リグルではないか。どうしたんだ」

「姉に何やってるんですか?」

「そうだっ!! いま私はお前の姉を断罪しているのだ。彼女はディアンナをいじめたからな。リグルには悪いがあいつはきっと猫をかぶっている。化けの皮が剝がれる様を見といてくれ」


 ひどい、何その言い方。

 こいつひどすぎやろ。ていうかそれ絶対人の弟に言うことじゃない。


「ふぅ~ん、そういえばディアンナ嬢はよく言っていましたね。私の姉上がディアンナ嬢をいじめていると」


 え、それリグルにも言ってたの?

 確かにリグルは攻略対象だし、もしかして逆ハ―狙い?

 ということは彼女も転生者なのかな?


「では殿下、こちらをご覧ください」

「ん? なんだこの紙は?」

「姉上の行動とディアンナ嬢がいじめられたと言っていた時間軸を合わせたものです。いわゆる証拠、というやつですね」

「何でこんなものを」


 うん、本当に何で。

 我が弟よ、何つーもん持ってるんや。


「いえ、ただ殿下が断罪するとかいう噂を聞いたもので、念のため作成しといたのです」

「そ、そうか。用意周到だな」

「えぇ、こういうのはちゃんとした証拠を持ち合わせるのが重要ですので」

「いい、心がけだな……それにしてもこれ、君の姉上に関して書かれ過ぎていないか? 15時27分、厨房のお菓子をつまみ食いしたとか、どうやって知ったんだ?」


 え、何でそのこと知ってんの??

 え、え、え????


「あぁ、それは俺が姉上を監視……じゃなくてたまたま厨房の料理人から聞いたのです」


 今監視って言ったよね。

 え、絶対言ったよね??


「そ、そうか。それでここに書かれていることは本当なのか?」

「はい。もちろん。俺は嘘をつきませんしちゃんと証言などもとっています」

「あ、ああ。私も君のことは信頼しているよ。それより……」


 あらかた話が終わったかと思うと王子がこちらに向かって歩いてくる。

 

 え、私なにかしちゃったかな……

 ちょっと怖いよ。


「すまなかった。証拠も調べずに君を断罪して!! このことはまた後日謝罪させてくれ!!」

「そ、そんな……頭を上げてください、殿下」

「本当にすまなかった。会場の皆の衆、本日はパーティーをこのようにしてしまったことを申し訳なく思う!! また後日、招待状を送ろう」


「な、なんでなのよっ!! 私はヒロインなのに、貴方は悪役令嬢なのに!!」


 これで万事解決、してなかった……

 ごめんよヒロイン、完全に忘れていたわ。


「ひろいん?あくやくれいじょう? 君は何を言っているのだ? それよりもなぜ嘘をついた」

「おかしいのよ!! 貴方は悪役令嬢なのになんでちゃんと務めを果たさないのよっ!!」


 えぇ~、理不尽~。


「ディアンナ様、悪役令嬢だとかヒロインだとかよくわかりませんわ? でも一つだけ、言わせてください。ここは、ゲームではないのですよ。誰もが感情を持ち命を持っている。シナリオなんて存在しないのです」

「そ、そんな……」


「それよりも私と友達になりましょう? 私、あっちのことを話す人が欲しかったの!!」

「レルエナ様……」


 これは紛れもない本心だ。

 この世界だと日本で通用するようなことが通用しなくてちょっと退屈していたの。

 だからこうやって転生者に出会えたのは素直にうれしい。

 きっと彼女はここがゲームではないと気づく機会がなかったのよ。

 私はリグルがいたおかげで気付いた。

 本当に、リグルには感謝してもしきれないわ。


 あの紙についてはちょっと話したいことがあるけど……


 それはさておき、私は友達になりたいという意思を込めて手を差し出す。

 実は私、見た目のせいもあってか友達がいなかったのだ。


「レルエナ様…お姉さまと呼んでもいいですか」

「???」


 まって、今なんて……


「ありがとうございます、お姉さま!! 私、一生ついていきます!!」


 えええええええ⁉

 








 その後、二人が友人になるのはまた別の話……




◇◇◇




 色々あったが結局あの後パーティーはお開きになり、私は今リグルと一緒に馬車に乗っている。


「ねぇリグル。あの紙、なにかしら? ていうか何で私がつまみ食いしたことを……」

「姉上、俺は姉上のことなら何でも知っています。

 姉上がピーマンを嫌いなことも、それでも食べきれた時少しうれしそうな顔をすることも。何度か学園の厨房でつまみ食いしていることも、もちろん、家でもやっていることも。

 そういえば姉上は猫が好きでしたよね? 以前学園に迷いこんだ猫をもふもふしていましたよね。しかも制服を毛だらけにしたことを焦ってその場で何度もはたいて。

 あとたまに屋敷を出ていますよね。孤児院の子供と泥だらけになるまで遊んだり、知らない歌もたくさん歌っていました。孤児院に行くなら抜け出さずに言えばいいものを…

 ほかにも学園でスキップしながら歩いていたら花瓶にあたって割れて逃げ出したこともありましたよね。

 それと……」


「ちょっとまって、もしかして私、監視みたいなのがついてるの? 忍者的な?」

「にんじゃ…なんですか? あと監視はついていませんよ。姉上の可愛いところをほかのだれかに見せるわけないですか」


 軽くストーカーじゃない!!

 ていうか私が可愛いってドユコト?

 

 そんなことを思っているとリグルが立ち上がり、向かいに座っている私に覆いかぶさるように身を乗り出す。

 壁ドンされている気分だ……じゃなくて今馬車の中、危ない!!


「俺、姉上のことを愛しています。この国では血がつながっていなければ家族同士でも結婚できます。どうか、この気持ちにこたえてくれませんか」

「え?え?」

「もし好きな人がいるなら殺します。答えられないなら既成事実作って逃げられないように監禁……閉じ込めます」


 ちょっと待ってそれあんまり意味変わってない。


「いいですよね?」


 ああ、これ、ヤバいやつだ。 

 どうしよう私、逃げられないかも……


 私がリグルのあまりの変わりように恐怖を抱いていると、馬車が動きを止めた。


「っと、屋敷につきましたよ姉上」


 リグルはそう言い、先に降りるとエスコートしてくれた。


 ……さっきまでの発言が気になるけど、とりあえず忘れよう。

 うん、そうしよう。




◇◇◇



 それから屋敷に帰り、お父様に事情を説明した後、私は部屋でゆっくり休むことにした。


「姉上、お茶を持ってきました」


 そう言って私の義弟のリグルが部屋に入ってくる。


「ありがとう、今日はいろいろあったから疲れていたの」


 私は素直にお茶を受け取った。

 それにしてもいい香り、とても甘い香りがする。


 私ははしたなくならないようお茶を飲む。


 うん、おいしい。

 それにしても、独特の甘さがあるお茶ね。

 

「姉上、どうですか?」

「ん? おいしいわよ」

「そういえば姉上……」


 あれ、どうしよう。

 なんか、眠い……


「まだ返事、聞いていませんでしたよね?」


 うぅ、熱い。

 動け……ない…



「ふふ、レルエナ、可愛いですね」


 

 私はリグルにキスをされ、そのまま意識を失った。





 翌日、目が覚めると腰が痛く、朝からリグルに「おはよう」と言われなんとなくされたことを察してしまった私は複雑な感情を抱くのだった。

 それから数週間後、既成事実によって私たちは結婚することになったのである。

 

 屋敷から出されることはほとんどなく、リグルにでろでろに甘やかされているうちに私は彼を好きになった。

 いや、依存するようになった、といったほうがいいだろうか。

 お互い相思相愛となったことで私は外に出る許可をもらい、ディアンナと会うようになった。それから友人となったのは言うまでもない。


 そして数年後、リグルは家を継ぎ……



「愛しているわ、リグル」

「俺もだよレルエナ」



 今日も甘い日々は続いている。








評価、ブクマ、誤字報告おねしゃす。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 凄く良い作品でした! 幼い時の話しや今の内容の詳しい話しを是非書いていただきたいです✨ [一言] 是非色々なお話をよければ書いていただきたいです。 絶対読みます(*´꒳`*)
[良い点] 依存最高ですね✨ 転生悪役令嬢×義弟は、最高すぎます☆*。 [気になる点] 「つまり私って、最推しの儀姉になれるってこと……」 の儀姉の部分が誤字ってる所です(><) それと、もう少し…
[良い点] 義弟×悪役令嬢よかったです [気になる点] ディアンナのお姉さま呼びは一瞬リグル狙ってるのか思ったw
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