0 拝啓、高校生の俺へ
拝啓、高校生の俺へ
お元気ですか。学校は楽しいですか。なんて聞いても、今の俺は全部知ってるんだよな。
というか今の俺がこの手紙を書いてる時点でお元気だったことは証明出来るし。……学校が楽しかったかどうかはノーコメントで。
挨拶はこのくらいにして、高校二年生だった俺はあいつに一目惚れする。とりあえずめちゃくちゃな道のりだった。そもそもあいつ、男子に興味無さそうだったし。
でも、いつだって天使様が助けてくれた。
言葉につまった時とか、えっと……その、キ、キ……いや、なんでもない。この先は自分でたどり着いてくれ。きっと、何があっても天使様が助けてくれるさ。
天使様が誰なのかって?
それは過去の俺が相手でも教えられないな。あいつ風に言ったら、乙女の秘密……だっけか。乙女っていう年齢じゃないような気もするけど、そういうことにしておく。
……まぁ、そのだな。天使様とは仲良くしておけ。あいつは怒らせると結構怖いからな。
それじゃあ、人生の先輩としてひとつアドバイスだ。
「ありがとう」
感謝したい奴がいたら、早めに言ってやれ。いなくなってからじゃ遅いからな。
追伸
お小遣いは使わずに貯めとけよ、って今の俺が言っても意味ないか。お前がコツコツ貯めてたお年玉、使っちゃいました。済まん。
って俺だから謝る必要は無いのか。