表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/20

007 世界史受験テクニック

「シュメール……」

「シュメール アッカド アムル、ヒッタイト ミタンニ カッシート、アラム フェニキア ヘブライ、アッシリア 四王国 アケメネス!」


そこまで一気に言い切って、涼は満足した表情となった。

もちろん、涼を見るアベルは訝しげである。


「なんだそれは?」

「アベルがシュメールと言ったから、条件反射で答えただけです」

「いや、シュメールは、領軍の補給責任者で、この書類の作成者なだけだ」

アベルはそう言うと、今読んでいた書類をつまんで、ちょっと傾け、涼に見せた。



ここは、いつものアベルの執務室。


アベルは、いつも通り書類を決裁している。

涼も、いつも通り借りてきた錬金術の本を読んでいる。

ソファーにぬべ~っと寝転がりながら。



「で、さっきの呪文みたいなのは何だ?」

「ああ、あれは、僕の故郷の歴史です。歴史の流れを、リズムにして覚えたのですよ」



シュメール文明は、地球における最も古い文明の一つと言われている。

そこから始まり、最後のアケメネス朝ペルシアまでを、三つずつ組にして、リズムに乗せて覚える……大学受験のための、世界史暗記テクニックの一つだ。


ちなみにアケメネス朝ペルシアの後は、ギリシャ、ローマという中学校の歴史の授業にも出てくる、もう一般的な知識の範囲であるため、暗記する必要などはない。


そこから先の世界史は、完全に物語であり、面白い小説を読むようなものだから、暗記などせずとも記憶に残る。


素晴らしい!



「リョウは時々、変な知識を持っているよな」

「変とはなんですか変とは。生きるために必要な知識です。たった一点が合否を分ける、シビアな世界がこの世には存在するのです。ぬくぬくと育ってきたアベルにわからないでしょうけどね!」

「いや、それほどぬくぬくと育ってきたとは思わんのだが……」

「日々の食事にも事欠き、あらゆるものを口にして飢えをしのいだ人々に比べれば、アベルはなんて恵まれているのでしょうか!」

「お、おう……」



その時、二人の元に、ケーキとコーヒーが届いた。


もちろん、涼は美味しそうに食べ、飲む。



食べ終えると、再び口を開いた。


「世界には、日々の食事にも事欠く人々がいるのです」

「そうだな。だが、今、リョウの口からその言葉が出ても、全く説得力はないな」



何かを主張するときは、相手からどう見えているのかも考慮したほうがいいらしい……。


受験の季節がやってきますね。

今年は特に、色々と大変だと思いますが、受験生の皆さん、力を出し切れるように祈っております……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ