ブラックユーモアによろしく
可愛い子から告白された。
いつも陰から見ていたと言われた。
正直、顔に覚えはない。
基本、顔や名前だけで、その人のことを記憶することは無理だ。
強烈なキャラや言動がない限りは、ただの可愛い女の子となってしまう。
僕は、可愛い子からの告白に返事をした。
『よろしくお願いします』
しかし、そこから悪魔のような本性の片鱗を表してくるようになった。
「聞こえませんよ。ここが海で、今が溺れかかっているときで、私が砂浜側だとしたら死んでますよ」
『ああ』
「動物のお肉は走り回ったり、運動することで、引き締まって美味しくなるんですよ」
「元気な動物は味がいいと言うことですよ」
「その法則に当てはめてみると、元気のないあなたは、食べ尽くしても味がよくない、不味くて不味いただの肉です」
『はい、きちんとします』
「あっ、すみません。ずっと、こういうセリフが言いたかったんですよ」
「今、演劇を少しやっていて、ずっと言ってみたかったんです。大丈夫でしたか?」
『あっ、うん』
「こんな私ですけど、これからよろしくお願いします」
『よろしく』
付き合うことに、不安しかない。