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失って初めて気付く恋心の小説  作者: 辻野深由
7/31

幕間

だから、これはしょうがないことなのだ。


 あのとき以上に発展することもなかった関係が、友達の枠組みを超えることなどあり得ないのだから、当然の結果なのだ。友達であって、恋人でもない――いや、そもそも友達といえるかどうかも怪しい関係だったのだから、文句も不満も、口にする権利なんてない。


 やめろ、なんて引き留めるなどなおさらのこと。


 いつだってそうだ。


 吐き出そうとするのを、時間は待ってくれない。


 それが分かっているのに、肝心なときに間に合わない。


 だから痛い目を見る。


 そんな境遇は小学校の頃から何一つとして変わっていない。


 そして、変えることもできなかった。



『アタシ、付き合うことにした』



 ホテルからの帰り道。


 虚無の日曜日を無益に布団の中で使い潰し、そうして日が変わる直前。


 エリナから簡素なメッセージを受け取った。


「……くそっ」


 真っ暗な部屋へと戻ってくるや否や、無情に送りつけられたメッセージに、雨宮は舌を打って、スマホをベッドに放り出す。


 その日ばかりは、返事の一つもできやしなかった。

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