出会い。
私の通学路の近くで大きな川と橋がある。私の学校はその橋を渡った先に建っている。
別に私はあの学校に行きたくて行ってるわけではない。ただ、家から近いから。そんな理由だったのに。
そんな中で見つけてしまった。
川の近くにある芝生で、じっと川を見つめてる彼を。
最初はただただ“顔が整ってるなー” “綺麗な顔だなー” って、顔しか見てなかったな。
でも、彼の横顔はものすごく美しかった。
「そんな見んといて。」
突如話しかけられてびっくりした私。気がつけば後ろでじっと見てたらしい。
これには、私が一番びっくりしてる。
「え、ごめんなさい、」
「恥ずかしいやろ、」
ほんわかした関西弁を話す彼は、私の中で少なからず心に居座った。
「ここの川、綺麗ですよね。」
「うん、そうやな。」
「毎日ここにいますよね、なんでですか?」
「初対面の人にそんな質問責めするん?」
確かにそうだ。
私は静かに彼の横に腰かけた。
季節は冬に近い秋。そろそろマフラーもやって来て、あっという間に桜が咲き始める。
「名前、聞いていいですか。」
「そっちから名乗りいや。」
「佐々木、あかりです。」
横顔は美しくて、喋る一言一言が私の胸に染みていく。
「谷本はるひ。」
「谷本、はるひさん。」
「なんで繰り返したん。」
後から聞けば、私の4個上の20歳。大学生で、血液型はA型。誕生日は、9月11日らしい。
「私も誕生日、9月なんです!」
「何日なん?」
「12日です!!」
「1日違いなんや?」
「はい!」
これが、私の毎日の日課になっていった。