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 本日の収入1240ゼム。

一日で頑張れば1000~500ゼム新米冒険者で稼げることがわかった。お金を受け取っったあと、そのまま教会には帰らずにアビゲイルは買い物に行くことにした。

 欲しいものがいくつか出てきたからだ。服は当面問題ないとしても働くにあたって必要なものが出てきたのだ。しかしこの世界の金銭についてはよくわからないので、値段だけでも確認にいこうと思ったのである。

欲しいものは


小型のナイフ

バッグ

水筒

薬軟膏

ノートか手帳

鉛筆


などである。

 剣はまだ木剣でいい、鎧や手袋もまだ必要ではない。戦えるのはまだスライムだけだし、今鎧を装備しても自由に動けそうにない。装備してはみたいがまだまだ先の話だ。

ギルドでナイフやノートが買える場所を聞いたら、広場を挟んでギルドの反対側に雑貨屋があるからまとめてそこで買うといいと言われた。ちなみに雑貨屋はここ1件のみだそうだ。ここにないものは町か、たまに来る商人から買うしか無いらしい。

 雑貨屋は店先にバケツや大小色々な形のかごやざる、ほうきなどが所狭しと並べ、吊るされている。店内に入ると中はますます雑多に様々な品が置かれていた。

「えいらっしゃい、おやエルフとは珍しい。ああ、あんたが噂の人かね?」

奥から無精髭の店主が出てきた。

「こんにちは、私が多分その噂のエルフです」

「そうかあんたがアビゲイルさんか」

「名前も広まってるんですね・・・・」

「町中のやつらはもうみんな知ってるんじゃないかな? 昨日は酒場がその話で盛り上がってたからな」

「ええ・・・・・」

そんなに広まっているのか、噂というのは恐ろしい。

「で、何を買いにきたんだね?」

「えーと、小型ナイフとショルダーバッグと・・・」

アビゲイルは今欲しいものを伝えると、店主は紙に書き出していった。

「結構な買い物だな、予算は?」

「1240ゼムしかないんですけど」

「あれまあ、なかなかの貧乏だな」

店主は鼻で笑ったが、嫌味な感じではなかった。

「ナイフは何種類かあるが、一番安いので2000ゼムだ。これが初心者向けだ。あんたの手を見るとココらへんからかな? エルフの手はごつくならんのか知らんが」

知らないうちに手を見られていた、アビゲイルの手はまだ傷もなく、指も細くて荒れていない。たいした労働をしていないように見えたのだろう。

 ナイフは10センチくらいの刃で革製の鞘に収まっていた。鞘から出して握ってみると柄がちょっと短い感じで手があまった。

「んー、お前さんならこっちだな、こっちのほうが柄が長いぞ」

言われて握るとこっちのほうがしっくりくる。

「ふむ、こっちはおいくらですか?」

「これは2200ゼムだ。足りねえな」

「はは・・・・」

 ちなみにバッグは安いもので8000ゼム、水筒は3000ゼム、軟膏は800ゼム(ケース付き)・・・・・・。足りない、足りなすぎる。

 エルマと買い物にいったとき野菜類はじゃがいも1kgで100ゼム、葉野菜も50ゼムで買えた。田舎の物流事情なのか雑貨類はなかなか高いようだ。

「バッグは革細工のとこでも買えるが、オーダーメイドでもっと高額だ」

「無理です」

「だよな、新米冒険者には贅沢品だ。もっと稼がにゃ。あとは・・・・ノートと鉛筆か。今日買えるのはこんぐらいだな」

そう言って店主は棚からノートと鉛筆を出してくれた。ノートは1冊300ゼム、鉛筆は100ゼムだった。これもなかなかの値段だ。

「冒険者でノートと鉛筆なんて、勉強熱心だな」

「そうですか? まあ色々覚えきれないんで書いておこうかと思って」

「感心だな、それに書いておけばまた記憶が無くなっても大丈夫だな。だっはっはっは」

 店主は大笑いしている、つられてアビゲイルも笑ってしまった。と同時にふと思った。

「そうだ、日記も書きたいなあ・・・・」

「日記ならもうちょっといいノートに書いたほうがいいんじゃねえか? こんなのとかよ」

棚の奥から出してきたのは革張りの手帳だった、文庫くらいの大きさと厚さで、革紐がついていて開かないように留めることが出来る。

「これは1000ゼムだ、だがだいぶ古いからおまけしてやるぞ、900でどうだ?」

「本当ですか? じゃあこの手帳と鉛筆1本ください」

「はいよ、消しゴムも買っていけよ100ゼムだ。ほい、合計で1100ゼム」

店主は紙袋に手帳と鉛筆、そしてアビゲイルの承諾なしに消しゴムをひとつ紙袋に放り込んだ。手帳に鉛筆、消しゴム、小学生みたいな買い物だなと思う。

「おまけしてくれてありがとう」

「売れないものを棚に積んでおくのもアレだからな、まだいくつか同じのがあるから稼いだら買ってくれ」

「はい」

「そうだナイフは俺のとこでも扱ってるが、鍛冶屋にも売ってるぞ。冒険者ギルドに誰かの中古があるかもしれんしな。中古を鍛冶屋に研いでもらったほうが安いかもしらん。ディックに聞いてみろ」

「ほんとですか、いいこときいた。ありがとうございます」

「気にすんな、また買い物にきてくれよ」

「うん、また来ます。それじゃ」

「毎度あり」


 帰ったら早速、この世界にきてから起きたことを書いておこう。些細なことも忘れたくはないから。

その前に夕飯何にしよう?


お金は1ゼム1円くらいの単純設定です。物の物価をなんとなく書きました

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