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序章

 夕方買い物に出かけた。買う予定のものが多くて重くて時間がかかり自転車のハンドル左右にたっぷりと食材を入れたレジ袋を下げて慌てて帰宅中。

交通事故にあった。

信号は青だったはず、事故って死んだばかりでうまく思い出せない。

「まあ大変でしたね。信号青だったのに」

金髪のかわいい男の子、この人は神様なんだそうな。

「奥さん異世界転生って知ってます? この世界で今ちょっと流行っているんだけど」

「はい。息子から漫画とか小説とか借りて読んだことあります」

私の家族は旦那も私も息子達もみんなオタクだ。

みんなでアニメも見るし、ゲームも楽しむ。FPSゲームで家族で追いかけあい、殺し合うのがブームだ。

「奥さんこれから異世界転生するから」

「は?」

「これでキャラメイクをお願い。年齢性別種族設定自由、スキルは無双してチートもできるよ」

無表情の神様はそう言ってよく見かけるコントローラーを渡してきた。テレビも現れて画面にはいかにも勇者っぽい男の子が写っている。

「よくあるのは勇者のハーレム設定かな? 仲間が女だらけでラッキースケベのよりどりみどり」

「あー私はあまりああいうのは好きじゃないんですよね。夏は水着冬は温泉みたいなやつ。需要があるのもああいうのを好きな人がいるのもわかりますけどね、うちの次男が大好き・・・・・って、ちょっと待って」

「何か?」

「異世界転生ですか? 本当にそういうのあるんですか!」

「あるよ?」

そんな今更何聞いてるんだ? みたいな顔されても・・・・。ファンタジーだとばかり。

「現実に存在するよ。 ただそれができるのは我々が死んだ人にだけど。命のバランス調整で時々行われるんだよね」

「いま心読みました?」

「あ、ごめん。たまにどっちかわかんなくて。はいキャラメイクして」

と言われても悩む・・・・・。どんな世界なんだろう? 

普段はRPGの場合は女性、FPSのときは男性にしてるんだけど、性別も変えられるなら男性になるのも興味がある。

「生まれ変わるってことみたいですけど、今の記憶残ります?」

「残ります。消してゼロからのスタートもできるよ」

残るなら男性になっても女言葉で喋りそうだからオネエキャラになってしまう。あかん。

だからってどんな世界かまったくわからないのに記憶も知識もゼロだと不利な気がする。ゲームは好きだが上手いわけではないし、正直赤ちゃんからスタートするのもしばらく動けないから暇そうだ。

「なかなか冷静だな」

「心読むのやめてください」

「すいません」

今の私のジョブ・・・・専業主婦。ファンタジーの冒険活劇には役に立たないかもしれない。

と言っても結婚する前もただのOLだったから同じか。

「せめて若くなっておこうかな・・・18・・・いや20歳くらいか、長生きしたいからエルフかな?若さもそのままに永遠に・・・」

「永遠の若さ、ふむ、なるほど」

「私も女ということですわ・・・・・」

「素直でよろしい」

行くならやっぱり昔から好きな剣と魔法の世界がいいな・・・・でも30年近くずっと子育てと主婦業で自分の時間が少なかったからのんびりしたいってのもあるな。マンション暮らしでできなかった畑とかやるのもいいなあ。

旦那も来れたらなあ、きっと喜んだだろうな・・・・・。息子達も。


「よし、できました」

私は黒髪でショートカットのエルフを作った。背は高く、目は青みの強い紫。胸は普通。とんがり耳の基本的なエルフ体型だ。

「巨乳じゃなくていいの?」

「重くて肩こりそうだから、剣も振れなさそうですし」

「自分で揉んでも楽しくないしな。はい、では決定で」

画面下の決定ボタンを押すと瞬間体が光りだして、画面の中のエルフになっていた。

憧れの高身長、モデル体型。長年溜め込んだ皮下脂肪も白髪も消え去った。ありがたい!

「異世界も奥さん好みの世界を選んだよ」

ずっと心を読んでたようだけど、反映してくれたようで嬉しかった。

「ありがとうございます」

「名前も自由に決めてね。 では、良い旅を」

急に光に包まれた。眩しすぎて目を開けられない。本当に異世界転生するんだろうか? 夢なのかもしれない。夢だったらすぐに家族に話したい。「おかあさんヤバイ」って笑われたい。


光が落ちて、人の声が聞こえる、目を開けると私は大勢の人に囲まれていた。





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