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第一話『譲れない道』 その3

※ちょっとグロいかも知れません、苦手な方は、お気をつけ下さい!

 年の頃は、黒いサングラスのせいでよく分からないが、二十代前半くらいだろうか…。

 聡波は動揺する事も無く、入り口の扉に手をかけたまま、静かに男を睨み付けた。

 部屋の中は薄暗く、円柱形の水槽の中を照らす青白い光だけが、辺りを仄かに照らしている。


「………」


 男の様子を無言で伺うも、ただこちらをじっと見つめているだけで、その場から動こうとする気配は全く無い。

 聡波は、男を睨み付けたまま、ゆっくりと室内に足を踏み入れた。

 後ろ手に、乾いた軽い音を立てて扉が閉まる。


「…君ーー、ココの子?」


 先に話しかけてきたのは、こちらをじっと見つめていた男の方だった。

 聡波の体に力が篭るも、自然口の端が冷たく引き上がる。


「いや?…アンタはどうなんだ?」

「オレ?…オレもーー…、ココの子じゃないよ」


 軽い口調で話しながら、ニッと笑った男の目は、黒いサングラスの向こう。

 あの黒いフィルターの向こう側では、どんな目をしてこちらを見ている事やら…。

 聡波には想像する事しか出来ない。


「じゃあ君、能力者?」

「………」


 変わらない軽い口調で単刀直入に問いかけてきた声に、聡波は黙った。

 こんな怪しい奴に、答える気は更々無い…。


「………」


 何も言わずにいると、男の眉が困ったように八の字になった。


「…え、なに?もしかしてダンマリぃ?」

「さぁね…、そう言うアンタは?」

「オレ?オレは能力者だよ」


 男の問いに答えぬまま、逆に問い返すと、男は、おどけた調子を崩さぬまま、きっぱりと答えてきた。

 その瞬間、男の右手に大きな黒い死神の鎌のような影が現れたかと思うと、瞬く間にそれは振り回され、少女の入った円柱形の水槽を真っ二つに切り裂いた。

 水飛沫を上げながら、音を立てて培養液が溢れ出す。

 切り離された上部が、ゆっくりと硬い床へと落下し、硝子の割れる音が、激しく周囲に響き渡った。

 何が起こったのか分からず、聡波は一瞬それを唖然と眺めてしまった。

 だがすぐに、ハッと我に返ると、男が少女に触れようと手を伸ばすのを見て、咄嗟に走り出していた。

 一気に懐に入り込み、慌てた男の顔を視界に納めた所で、構わず一気に蹴り飛ばす。

 蹴り飛ばされた男は、吹っ飛ぶように弧を描いて、硬い床へと落下するかに見えた。

 しかし、床に激突する瞬間、男はその場から忽然と掻き消えた。


「!?」


 何処に行ったのかと辺りを見回すが、見つからない。

 焦り始めたとき、両肩を背後からがっちりと掴まれて心臓が飛び上がった。


「オレーー、長々と世間話するのって、苦手なんだよねーー」


 背後から耳元に話しかけられる。

 背筋にゾッと寒気がして、離れようと体が反応するが、男に両肩を掴まれて叶わない。


「まぁ良いんだけど、…君、足早いねーーぇ…。オレすんげぇ驚いた」


 そう言うと、男は何が可笑しいのか、聡波の耳元でクツクツと笑った。


「今回は君に免じて、この子は置いて行くよ。どの道、破棄するなり何なり、好きなようにして良いって言われてたからな」


 そう言いながら、男は聡波の肩から手を離した。 

 しかし、聡波が何かしら反応を見せる前に、聡波は胸の辺りから大量の血を吐き出して、あっと言う間に血でびちゃびちゃに汚れた床に、血飛沫を飛ばしながら体を横たえていた。


「じゃあね」


 ニヤニヤと笑いながら、男はその場から、また忽然と姿を消した。

 後には、無残にも胸の辺りで横に真っ二つにされた聡波の亡骸が残され、そこから湯水のように溢れ出す血で、床は何処までも赤く、赤く染まって行った。


『聡波!!聡波!!何があった!?聡波!!』


 彼のズボンのポケットの中から、必死に彼の名を呼ぶ父親の声が、繰り返し繰り返し聞こえてくるも、答える者はもう、この世には…。

空回りしまくりながら書きました…。


読み苦しい文章である事を深くお詫びします…。


すみません!

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