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奏~間奏曲集~  作者: 葵月詞菜


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22/24

(22)千佳とスランプの夏

※『奏』本編では矢㮈たちが1年生の夏にあたります。

【登場人物】

臣原おみはら 千佳ちか…彩楸学園高校1年生。陸上部短距離走者。

・笠木 矢㮈(かさぎ やな)…千佳のクラスメイト。千佳が高校で一番最初に仲良くなった友人。

高瀬たかせ 也梛やなぎ…同上。

松浦まつら 大河たいが…同上。

衣川ころもがわ 瑞流みずはる…同上。

【その他】

榎原えのはら 颯大そうた…千佳の昔馴染み。短距離・中距離走者。

榎原えのはら 速翔はやと…颯大の二つ年上の兄。千佳と颯大の憧れの走者。

斉藤さいとう 小春こはる…千佳の中学時代の先輩。榎原兄弟とは幼馴染。

 ふと、空を見上げた。

 どこか上の方から、弦が奏でる音が聞こえてきた。


一.

 ピ――――――


 聞き慣れた単調な音が鳴り響いた。

 これから十五分の休憩だ。

 臣原(おみはら)千佳(ちか)は自分のタオルを首に引っ掛けると、スポーツドリンクの入ったボトルを手に校舎の陰に腰を下ろした。

 休憩時間は、たまに同級生や先輩と絡んだりもするが、だいたい一人でゆっくりする。特に今のような伸び悩みの時期は、自然と皆から遠ざかる。アドバイスは受ける方だが、どちらかというととやかく言われるのは嫌いだった。相手に邪険な態度を取りたくないので、自分の方から距離を置くようにしている。

 最近、調子が出ない。夏の大会が終わって気が抜けたのだろうか。千佳は一年生ながら短距離種目で県内十位に入っていた。小学校高学年から陸上を始め、中学でもそれなりの成績を残した結果、ここ彩楸(さいしゅう)学園に入学が決まると同時に陸上部に目を付けられていた。もちろんやめるつもりもなかったので、当たり前のように陸上部に入部した。幸い先輩にも同級生にも恵まれ、結構居心地良くさせてもらっている。

 だがその大会以降の練習が芳しくない。大会直後なら疲れのせいだとも言えたが、もう一週間が経つ。こんなことは今までになかった。

 千佳は顔を上げ、空を仰いだ。お昼過ぎの太陽はまだ高いが、真夏の盛りは過ぎたように感じる。

 耳を澄まし、あの音を探す。

 弦が奏でる音が聞こえてきた。目を閉じて、注意深く聴く。

 一音一音が丁寧で、心に染み入ってくる。曲はどこかで聞いたことがあるようなないような、多分クラシックだろう。そしてこの楽器はバイオリンだ。

 この音色を初めて聞いたのは、四月の末頃だった。その時も確か部活の休憩中だった。それから度々この音色を耳にするようになったのだが、初めて聞いた時の音とはだいぶ変わったような気がする。

 四月はどこか固い感じだったのが、五月になって角が取れ、夏休み前には滑らかさが増した。そして今聴く音には、自信が表れていた。

 弾いている本人を直接見たことはないが、彼もしくは彼女がずっと丁寧に練習を続けてきたことは知っている。聴いてきた千佳が証人だ。

 その音と共に、千佳自身も頑張ってきたつもりだった。

(あー、いつもならまたここで頑張ろうって思えるんだけどなー)

 知らず知らずため息が漏れる。身体が重い。動きたくない。


 ピ――――――


 練習再開の笛が鳴った。

 千佳は意地で何とか立ち上がると、ジャージについた砂を払った。

気付くと、弦の音色は聞こえなくなっていた。

(置いてきぼりにされるのは嫌だな……)

 ふと、思う。

 このままでは、進化し続けるあの音色に置いて行かれるような気がした。そもそも楽器と陸上を一緒に考えるのもおかしな話だったが、千佳の場合はそうではなかった。

 少なくとも、あの音色が成長するのと同じように、自分も成長していたいと思っていた。

(頑張れあたし! 負けず嫌いはどこへやったのよ!)

 千佳はペチペチと自分の頬をたたいて気合を入れると、集合場所へ駆け出した。



二.

(ああ……もうダメかもしれない……)

 柄にもなくそんなことを考えてしまう程、気合で何とかなるものではなかった。

 心機一転あれから二日。ついに今日の練習で、お暇を言い渡されてしまった。――つまり、顧問と部長直々に休養命令を出されてしまったのである。

 しかし普段ならライバルに差を付けられないよう、自主練でもやろうかと考える千佳だが、今回は全くそんな気が起こらない。むしろ走らなくていいことに安心感さえ覚える。

 とはいえ、夏休みも残り一週間と少しになった今、宿題も早くにおえた千佳は大してすることがなかった。部活に費やすはずだった予定が、急に休みに変わったのである。

 部活以外の予定がほとんど入っていないスケジュール帳を、ぼーっと眺める。何となく九月のページをめくると、ある文字が目に飛び込んできた。

 千佳は携帯を開き、高校に入って一番仲良くなったクラスメイトの番号を呼び出した。

『はい、もしもし』

 数回のコール音の後、少し眠たげな声が電話に出た。

「あ、笠木(かさぎ)? あたし、千佳だけど」

『千佳ちゃん! 久しぶり。ってあれ、今日部活じゃないの?』

 電話の向こうで首を傾げる気配がする。彼女は名を笠木(かさぎ)矢㮈(やな)といい、千佳の名簿の一つ後ろなのがきっかけで仲良くなった。

「ちょっと休部中」

 千佳が苦笑して答えると、矢㮈は黙った。そのわけを訊こうかどうか迷っているのだろう。彼女が口を開く前に、千佳は本題に入った。

「それでさ、うちのクラスの文化祭の準備っていつからだったっけ?」

 先程スケジュールに見つけたのは、『文化祭』の文字だった。部活関係とイベントとテストだけは欠かさずチェックしている。

『えっと、うちのクラスは明日の午後からだよ。とりあえず何するか決めるみたい』

「ん、分かった。じゃあ明日学校行く。笠木も行くよね?」

『うん。どーせ暇人だからねー』

高瀬(たかせ)君も来るかな?」

『……あいつのことなんか知るわけないじゃない。面倒臭いって来ないかもね』

 矢㮈の声が急にぶすっとする。千佳は思わずクスリと笑った。彼女は同じくクラスメイトで学年一の秀才と言われている高瀬也梛(やなぎ)のことになると態度が変わる。二人はしょっちゅう言い争っているものの、傍から見ればそんなに仲が悪いようにも見えない。

 千佳の中では、純粋に高瀬への興味があるので、夏休み前の終業式以来まともに姿を拝んでいない彼に是非会いたい。――もちろんこれはこちらの一方的な想いであって、向こうは迷惑に感じているに違いないが。

 簡単に別れのあいさつをし、電話を切る。矢㮈は何か訊きたそうだったが、結局何も言わなかった。その気遣いは何とも彼女らしい。

(折角の休暇だし、文化祭の方楽しもうっと)

 千佳の気分が少し吹っ切れる。部活も行われている学校に行くのは気が引けたが、明日は矢㮈もいる。たまには部活を忘れて他のことに取り組むのもいいかもしれない。



「笠木―! 久しぶりー!」

「久しぶり。って言ってもあたしは夏休み中、部活してる千佳ちゃんを見てたけどね」

 千佳の再会の抱擁に、矢㮈が苦笑しながら応えた。

「制服も久しぶりに着たんだよね。ずっとジャージだったし」

 久しぶりに制服を着ると、なぜか新の服を下ろした感じがする。

 教室の中には、クラスの半分くらいの人数が集まっていた。女子の方が若干多い。

「みんな真面目に来てるのねぇ」

 てっきり、三分の一来たらいい方だと思っていた。

「笠木さん、久しぶりー。あれー、臣原さんもいる」

 明るい茶髪の男子がひょっこり現れた。

松浦(まつら)君、久しぶり」

 矢㮈が笑って挨拶を返す。千佳は軽く眉を傾けて、彼の言葉の意味を訊き返した。

「何よ、あたしがここにいたらいけないの?」

「いや、臣原さんは部活だと思ってたから」

 松浦大河(たいが)は至極真っ当な理由を答えた。

「……残念でした、休部中よ」

 千佳が当たり障りなく言ったところへ、

「笠木さんたちおはよー。臣原さん、県内十位だって? すごいね」

 松浦とよく一緒にいる男子の衣川(ころもがわ)瑞流(みずはる)がやって来た。小柄な体型で、どこか小動物っぽいイメージがある。

「それはどうも。でもよく知ってたわね」

「今さっき昇降口のとこの掲示板で見た」

 そういえば、学園長と顧問が嬉々として何かを貼るとか相談していたような気がする。

(でも何で今このタイミングかな……)

 クラスメイトの彼らは千佳の状況を知らないとはいえ、スランプに陥っているこの時に、こんなに部活の話題を振られるとは思わなかった。

「……何だよ。人いるじゃねぇか」

 ため息とともに、眼鏡をかけた背の高い男子が入ってきた。後ろの入り口近くにいた千佳たちを見て、くるりと回れ右をする。

「俺、帰る――」

「ちょっと待って! 高瀬君!」

 本日のお楽しみが来た。

 千佳が慌てて彼の右腕にしがみつく。折角来たのにそうやすやすと逃がしてたまるか。

 高瀬が眉間に皺を寄せて千佳を見下ろした。

「何でだよ。別に文化祭で何しようがどうでもいい」

「えー、ホントに!? メイド喫茶とかになって、高瀬君も女装だとか言われてもいいの!?」

「はあ……? そんな馬鹿な設定、断固拒否だ」

「それ面白そう。ていうか逆に執事喫茶とか」

 松浦が口を挟む。高瀬が半眼で黙殺した。

「高瀬君の執事は見たい!」

 千佳は思わず手を挙げた。

「えー、俺は高瀬のメイドも見てみたいなぁ。ねぇ、笠木さんもそう思わない?」

 衣川が矢㮈の方に振る。矢㮈は「なぜこちらに振る?」みたいな顔をして、うーんと考え始めた。高瀬は矢㮈に半眼を向け、無言の圧力をかけている。

「……いやあ、高瀬の場合、どっちも気持ち悪いかと」

 矢㮈が横をむいてボソリとつぶやいた。松浦と衣川が同時に吹き出す。

「あはははは! そりゃそうだ!」

「さすが笠木さん! はっきり言うなー」

「……おい、お前ら」

 高瀬が眉間に青筋を刻んだ。これももう見慣れた風景である。

 矢㮈たちは相変わらず笑いながら、委員長を中心にした集まりの方へ足を向ける。

「ほら、高瀬君も行こ」

 千佳は彼の腕をしっかり捕まえたまま、彼女たちの後を追った。


 千佳たちが通う彩楸学園の学園祭は、例年のパターンからいくと、二年以上が体育館や講堂を使った劇を選択でき、その他は模擬店やテーマ展示、ミニ発表(教室劇を含む)になるようだ。そしてそれとは別に、文化部それぞれの展示や発表などがある。

「うちのクラスは文化部も結構多いんだよなー」

 クラスで取り組む内容について候補が上がって行く中、松浦が小声で呟いた。

「確かに」

 千佳も頷く。一応クラス全員の部活は把握しているつもりだが、クラスの約三分の一強が文化部であったと思う。残りの三分の一は千佳のような運動部、その他はバイトを含むいわゆる帰宅部である。

「そっかー。文化部の子はそれぞれの部活でも忙しいよね」

 矢㮈がはっと気付いたような顔をする。

「まあ運動部も新人戦だ何だって忙しいところもあるけどね」

 陸上部もそうだと考えて、千佳はふるふると頭を振った。ダメだ、今は陸上部のことを考えるな。

「でも俺らは大丈夫だね。暇人だから」

 衣川が子羊のようなふわふわした笑みを浮かべ、隣に並ぶ男子二人を見遣る。

「お前と一緒にするな」

「そうだよ。お前はサボり魔だけど、オレはわりと真面目に参加してるよ」

 高瀬と松浦が即答した。

 衣川はサッカー部、松浦はバスケ部に所属している。実は茶髪でチャラチャラしているように見える松浦の方が、意外と部活や補習に真面目に参加するらしい。

 高瀬の方は、千佳が記憶する限り学園のどの部活動にも加入していなかったと思う。と言ってもこの学園は意味の分からない同好会的なものも多いので、細かいところは分からない。ただ、バイトをしているのは知っている。

 開け放たれた窓の外から、野球部の掛け声と金属バットがボールを飛ばす高い音がする。今日は近くの公立高校と練習試合をしていた。歓声の中に、ツクツクボウシが鳴いている。窓の外には青空が広がっていて、漫画みたいに白いもこもこ雲が浮かんでいた。

 そして、


 ピ――――――


 という長い笛の音。

(そろそろタイム測定だな)

 きっと聞き慣れた環境にいなければ気にもしないだろう。実際、このクラスメイトたちは何も気にすることなく、文化祭の話し合いを続けている。

(ああ、ダメだな。また考えてる)

 千佳は心の中で苦笑し、無理やり黒板に目をもどした。

「模擬店路線が濃厚かなー」

 矢㮈が黒板を見ながらつぶやく。

 周りはいつの間にか盛り上がっていて、

「何か仮装とかしたーい!」

「浴衣とか! メイドとか!」

「それなら執事もでしょ!」

「えー、仮装なら水無月祭でもしただろー」

 いろんな意見が口々に飛び交っていた。

「水無月祭かあ、懐かしい。笠木さんのマッチ売りの少女かわいかったよなー」

 王子様の仮装をさせられた松浦が、どこか遠い目をする。

 水無月祭とは梅雨の時期に、じめじめした空気を吹き飛ばそうということでクラスごとに行う仮装行列である。体育館まで練り歩く、今思えばただそれだけのイベントだ。千佳たちのクラスのテーマは外国の童話で、千佳は赤ずきん、高瀬は狼、衣川は小ヤギの仮装だった。

「もうあれは御免だ。暑いし恥ずいし……。てか模擬店もダルそう」

 高瀬がいつも以上に仏頂面になる。

「あんたは何に決まっても面倒臭いんでしょ」

 矢㮈が呆れたようにため息を吐くと、

「そうだな」

 彼は開き直ったように鼻で笑う。

「あ、でももし模擬店で甘いモノ担当になったら、練習でいっぱい食べられるんじゃない?」

「あ、確かに」

 高瀬は矢㮈の意見に頷いて、すぐにはっとしたように横を向いて咳払いした。矢㮈はニヤリと笑っている。

 まだ入学したての頃、担任と委員長がクラスの親睦を深めるためホットケーキパーティを企画した。その時組んだ班員がこの五人であり、高瀬の甘いモノ好きが発覚したのだ。

「そうだ、高瀬君甘党だったね」

 千佳も思い出してクスリと笑った。パーティ後はわりとよく教室で菓子パンなどを食べているところを目撃するようになった。普段から静かでクール、しかも他人を寄せ付けない空気を醸し出している彼には大そうなギャップだった。

「高瀬君クレープ好き?」

「え? まあ、嫌いじゃない」

「よし、じゃあそれで。はーい、クレープ屋に一票!!」

 千佳が手を上げ、声を張り上げた。隣の矢㮈がぎょっとするがお構いなしだ。こういうものは言ったもの勝ちである。それにクレープはありきたりだが馴染みがあって、且つあれを一度作ってみたいと言う憧れがある者は多いはずだ。

 千佳の予想はそうハズレではなかったようで、そこそこの賛同を得た。

 それからもいくつか意見が主張され、最後はお決まりの多数決となった。


「――百歩譲ってクレープになったのは良い。けど何で……!」

 クラスのテーマの方向性全てが決まった時、高瀬は一人頭を抱えて、これ以上ないくらい不機嫌な顔をしていた。いや、不機嫌と言うかこの世に絶望した、というような……。

「にこやかな執事を演じる練習しなくちゃね」

 矢㮈がお気の毒という顔で、あははと乾いた笑いを漏らす。しかし笑っている彼女もまた頑張らなければならない。

「大丈夫! 特訓付き合うから!」

 千佳はこれ以上ないくらい幸せな気持ちで微笑んだ。何と面白い運びになったのだろう。

「これは見物だなー」

「うんうん」

 松浦と衣川が自分たちのことはさておきニヤニヤしている。

 そう、千佳たちのクラスは執事(女子も男装)をメインにしたクレープカフェに決まったのであった。



三.

 休部して数日。さすがにそろそろ戻らないとまずいような気がする。そう直感的に分かっているのに、気持ちはついていかない。

 とはいえ体を動かしていないとむずむずして、毎日家の周囲を軽くランニングして自分を誤魔化していた。

(やっばいなー。新人戦も記録会もあるんだけどなー)

 明日はまたクラスの文化祭の打ち合わせが入っているが、終わったら陸上部に顔を出してみようかと考えた。

 寝る前のストレッチを終えた時、携帯に陸上部の友人からメッセージが入っているのに気付いた。

 千佳の様子を心配する言葉と共に、

「――あ。明日はうちで合同練習なのか」

 たまにいくつかの学校が合同で練習することがあるのだが、それが明日だということをすっかり忘れていた。どこの学校と一緒なのかは練習に参加していない千佳には分からなかった。

(他の学校の選手とか見たらやる気戻るかなあ?)

 他力本願なことを思いながら、千佳はベッドに潜り込んだ。



「千佳ちゃん、今日この後は?」

「ああ、陸上部見に行こっかなって思ってる。――さすがにねえ」

 千佳がため息を零しながら苦笑すると、矢㮈は少しほっとした顔をした。スランプで休部中だという話は軽く伝えていたので、彼女も心配してくれていたのだろう。

「そういえば今日、陸上部の練習に参加してる人多くない?」

 教室の窓から見ただけだけど、と矢㮈が言うのに頷く。

「そうそう、今日は合同練習してるんだよね」

「へえ、そんなのあるんだ」

 帰宅する矢㮈と一緒に昇降口へ向かう。

 そこで背の高い男子生徒の姿を見つけた。

「あ!」

「げ」

 千佳の弾んだ声と矢㮈の濁った声が重なる。男子生徒は振り返るなり眉間に皺を寄せた。――言わずもがな、高瀬也梛である。

「高瀬君は今からバイト?」

「……そうだよ」

「じゃあ途中まで一緒に行こう!」

「は?」

 彼が何かを言う前に、千佳は素早く運動靴に履き替えた。そして高瀬の横をがっちりキープする。

「……」

 無表情かつ無言で千佳を見下ろす高瀬。

「ほら、笠木も早く早く!」

「ええ~……お先にどうぞ?」

 矢㮈は気乗りしないふうにのろのろと下駄箱から靴を取り出してため息を吐いた。

 高瀬と矢㮈と並んで歩く。昇降口から校門までは一本道だが、グラウンドがすぐ横なのだ。校門まで遠回りするように陸上部の方へ向かっても問題はあるまい。

 本日のグラウンドは一部ハンドボール部が使用しているが、ほとんどが陸上部に開放されている。百メートル走の向こうで、外周を走っている一団が見えた。端では走り幅跳びも行われている。

「やっぱり多いねー」

「他校も来てるのか?」

 矢㮈が立ち止まり、高瀬も気になったのか首を傾げた。千佳は先程と同じく合同練習のことを教えた。

「千佳ちゃんと同じように、みんなフォームが綺麗」

 矢㮈が手で庇をつくり、走者を目で追いかける。

 高瀬は無言だったが、それでも同じように走者を見ていた。

(笠木たちが見てくれるなら、あたしもあっち側にいたかったかも)

 少しだけ、自分も眺める側にいることを惜しく思った。

 外周を走っている一団がだんだん近付いて来た。千佳たちの前を通り過ぎる。と、後ろにいた一人がこちらに向かって戻ってきた。

 その男子生徒は、呼吸を乱した様子もなく、千佳の前で止まった。彼が着ているジャージに刺繍された校名は、陸上では強豪校の一つだった。

「?」

 矢㮈がポカンとし、高瀬が怪訝そうにする中、彼は千佳を見て鼻で笑った。

「姿を見ないと思ったら、こんなとこでなーに油売ってんだ」

 ――そうか、今日はこいつの学校も参加していたのか、と心中でため息を吐いた。できればこのスランプ中に会いたくなかった。

「……ちょっと休部中なのよ」

「聞いた。お前、夏の大会後から調子悪いんだって?」

「あんたには関係ないでしょ。放っといてくれる?」

 さっさと練習に戻りなさい、と追い払うように手を振ると、彼は大げさに肩を竦めた。

「しっかしえらく弛んでるじゃねえか。お前が期待の新星とか過大評価じゃねえの?」

 いちいち嫌味ったらしい言い方にイラっとしつつ、それでも千佳はどうやってやり過ごそうかと考えていた。

(いつもなら言い返してるとこだけど……)

 ちらと、この場に居合わせてしまった矢㮈たちを見る。彼女たちに不快な思いをさせたくはない――そう思っていたのだが。

「もう走る気が起きねえならこのままやめちまえ。兄貴にもそう言っといてやるよ」

「――あの! 千佳ちゃんは頑張りすぎたからちょっと休憩してるだけです!」

 思わぬ方向からの反撃に、彼と、そして千佳もまた驚いた。

「それに、千佳ちゃんはちゃんと結果を残してます! 走る気がないとか勝手に決めないでください」

「笠木……」

「なっ……関係ないやつは黙って――」

 さすがに矢㮈に矛先を向けられてはたまらないと思った時、高瀬が口を開いた。

「――お前らがどういう関係かは知らんが、クラスメイトとして臣原の陸上に対する姿勢が真っ直ぐなのは見てれば分かる。さっきからのお前の物言いこそただの八つ当たりに聞こえたけどな」

「ただのクラスメイトがうるせえ」

「そのただのクラスメイトにまで八つ当たりをするな」

 高瀬の半眼に、彼は不貞腐れたようにそっぽを向いた。全く小さな子どもの反応である。千佳は呆れたようにため息を吐いた。

「――とりあえず、あたしのことをとやかく言ってる暇があったら自分の記録伸ばしなさいよ。ほら、あれあんたを呼んでるんじゃない?」

 運動場の端で、先程通り過ぎて行った一団が足を休めているのが見えた。その内の数人がこっちに手を振って何かを叫んでいる。

 彼は舌打ちすると、「じゃーな!」と言い捨てて走って行ってしまった。

「二人ともごめんね。それと、かばってくれてありがと」

 千佳が心から申し訳なく謝ると、矢㮈が訝し気な顔で訊いて来た。

「ええっと……千佳ちゃん、今の人は?」

「……ちょっと昔の知り合い。覚えなくて良いわよ」

 本当につまらないものを見せてしまったと反省する。

「……臣原にしては珍しかったな」

「え?」

 高瀬の反応に千佳はきょとんとした。

「向こうの態度もそれなりだったが、お前なら笑ってスルーできるやつだっただろ。それなのにさっきは結構表情に出てた」

「あー……」

 本来ならここは高瀬が千佳の機微に気付いてくれたことを素直に喜ぶべきなのだろう。だが、今はそれができなかった。

 千佳が何と答えようか迷っているのを察したのか、高瀬はそれ以上追及することなく踵を返した。

「――じゃあ俺はもう行くぞ。お前もまた嫌味を言われたくなかったらさっさと練習に行け」

「あ、うん」

 歩き出そうとした高瀬はちらと矢㮈の方を見る。

「お前もぼんやりしたまま帰るなよ。危ない」

「! 余計なお世話ですー! あたしは小学生じゃないー!」

 たった今までぼんやりしていた矢㮈がはっと我に返って言い返す。

(なんだか小学生みたいだな、この二人)

 そんなことを思いながら、遠ざかる高瀬の背中を睨み続ける矢㮈の肩をポンポンと叩いて宥めた。


「あっ、千佳!」

 ジャージに着替えてグラウンドに顔を出すと、同学年の友人が気付いて声をかけてくれる。

「お疲れ。ごめん、迷惑かけたね」

「大丈夫だよ。まあ、千佳がいないから、みんなここぞとばかりにやる気になってたけど」

「わあ、ライバルを焚きつけちゃったかー」

 これはますます早く調子を戻して巻き返さなければ。

 千佳は顧問と部長に挨拶に行き、とりあえず今日は軽く参加することになった。久しぶりの部活の空気に懐かしさを覚えつつ、体が覚えているままにウオーミングアップに入る。

 ふと百メートルの方を見遣ると、並ぶ列にさっきの昔馴染みの姿を見つけた。彼は短距離と中距離の走者だった。

 何となくそのまま、彼がスタートラインに着くのを目で追う。

 合図とともに走り出す。良いスタートだった。

(昔からスタートはほとんどミスらないのよね)

 少し悔しい気持ちをスルーして、彼のフォームを見つめた。千佳の中で、その走りは別の誰かと重なっていた。

「ねえ臣原さん、さっき百走ってた男子さ」

 近くで給水していた同じ短距離走の二年生部員に声をかけられた。どうやら彼女も同じ百メートル走を見ていたらしい。

「あの子のフォーム、ちょっと臣原さんに似てない?」

「……そうですか? 自分ではよく分からないというか……」

 千佳はわざととぼけるように小首を傾げて見せた。

「臣原さんも速いけどさっきの子も速かったし、あのフォームに関係あるのかなあ?」

「あはは。ただの偶然だと思いますけどね」

 練習に戻っていく先輩を見送り、千佳は小さく息を吐いた。

 彼女に指摘されたことは、実は正しかったのだ。

 どちらかがどちらかのフォームをマネしたというわけではなく、手本にした人のフォームが同じなのだ。

(あの人は今も走ってるんだろうなあ)

 昔馴染みにあったせいか、久しぶりに陸上を始めたきっかけの人を思い出した。



***

 翌日、千佳はランニングの足を延ばしてとある私立高校に向かっていた。郊外にある彩楸学園とは対照的に、その高校は街中に位置している。

 フェンス越しにグラウンドを見遣ると、トラックを走る陸上部員の姿があった。ただ、人数が彩楸学園とは桁違いである。ざっと見ても、昨日の合同練習の人数と同じくらいいる。

(さすが陸上の強豪校)

 どの種目でも県内上位に入る学校だった。

 千佳はフェンスに近付いて短距離走者を目で探した。

「――千佳ちゃん?」

「!」

 聞き覚えのある声に振り返ると、そこにはここの学校のジャージを着た女子生徒が立っていた。首元で切り揃えられた髪がさらりと揺れる。手には記録用のノートを持っていた。

「小春先輩」

 彼女・斉藤(さいとう)小春(こはる)は二つ年上の先輩で、中学の時は同じ陸上部だった。当時は長距離走者だったが、高校では陸上部のマネージャーをやっていた。三年のほとんどは夏の大会で終わりのはずだが、彼女はまだ部活動に顔を出しているらしい。

 小春は千佳をじっと見て、ふわりと微笑んだ。

「良かった。思ったより元気そう」

「……え?」

「スランプだって噂で聞いて」

「噂」

 千佳の頭の上に昨日の迷惑野郎が思い浮かぶ。

 果たして小春は困ったように白状した。

「昨日は(そう)君が余計なこと言わなかった?」

「言われました。めっちゃイラつきました」

「ああ……やっぱりね。颯君はもう少し言い方を何とかしないとだよねえ」

 小春が「ごめんね」と謝ってくれるが、彼女に非は一切ない。

「――と、千佳ちゃんは(はや)君に会いに来たのかな? 呼んで来るよ?」

「あ、いえ。来てるなら、ここからでも見れるので大丈夫です」

 千佳がここに来た目的も、彼女にはお見通しだったらしい。悔しくないと言えば少し嘘になる。

(先輩たち相変わらず仲良いんだろうなあ)

 少し昔の切ない記憶を思い出してしまい、千佳は無理矢理気持ちを切り替えた。

「ここからじゃ遠くない?」

「走ってる姿見るだけなので。不審者に思われない程度にこっそり見てます」

「ええ……速君も心配してたから会いたいと思うけど」

「大丈夫です! もうすぐに復活する予定なので、速翔先輩にもそうお伝えください」

 にっこり笑ってみせる。小春はまだ納得いかない表情だったが、千佳が引かないのを見て渋々頷いた。

「じゃあ私は行くけど、気が変わったらいつでも携帯に連絡してね。速君に直接でも良いから」

「はい」

 とりあえず返事をしたが、そうはならないだろうなと思う。

 小春が戻って行くのを手を振って見送る。

 一つ息を吐いてグラウンドに目を戻すと、短距離のスタートに集まる一団が見えた。

(あ、あれかも)

 目的の人物に見当をつける。背の高さや姿勢からして恐らくそうだと思うが、フォームを見ればすぐにそれと分かるだろう。

 榎原(えのはら)速翔(はやと)。昨日千佳に絡んできた榎原颯大(そうた)の二つ年上の兄であり、千佳たちが憧れからフォームを真似たその人だった。

(先輩のことだからまだ練習にも参加してるだろうなって思ったけど、正解)

 昔から走ることが好きだった先輩を思い出して少し嬉しくなる。

 速翔がスタートに着いた。そして、スターターの合図とともに走り出す。

(ああ、やっぱり違うな)

 ずっと真似ていたつもりで、やっぱり彼のフォームは千佳とも颯大とも違う。何であんなに速く、軽やかに走れるのだろう。

 気付くともう彼はゴールを切っていた。あっという間だ。

 千佳は自分が走ったわけでもないのにドキドキして、大きく深呼吸をしていた。

(あんなふうにあたしも走りたい)

 再び目を戻した時、そこに立つ速翔がこちらを見ていることに気付いた。

(え)

 彼は軽く手を上げるとひらりと振り、背を向けてスタートの方へ戻って行った。

「……まさか先輩、気付いてた?」

 千佳は思わずその場にしゃがみこみ、嬉しいやら恥ずかしいやら複雑な気持ちでいっぱいになって暫く動くことができなかった。



四.

 ふと、空を見上げた。

 どこか上の方から、弦が奏でる音が聞こえてくる。

 目を閉じて、注意深く聴く。

 曲はどこかで聞いたことがあるようなないような、クラシック。音楽を奏でるのはバイオリンだ。

 以前はぎこちなかった音が驚くほど滑らかになっている。優雅で、軽やかで、時に切なく鋭い音が風に乗って聞こえてくる。

 走っている時、休憩の時、ふと気づくと耳を澄ましていた。どれだけ身体が疲れていても、聴くたびに心地よい気持ちになった。変わって行く音が、旋律が、奏者の成長を教えてくれる。それを聞いているのは楽しかったし、また一方で千佳も負けていられないと励まされてきた。

「調子は戻ったのか?」

 声をかけられてそちらを見ると、そこには黒い長方形のケースを背負った高瀬が立っていた。彼の方から千佳に声をかけてくるとは珍しい。

 もしかしてこんな校舎の陰に一人でいる自分を心配してくれたのだろうかと思ったが――

「まあいい。じゃーな」

 高瀬は特に何を言うでもなくあっさり背を向けた。

「ちょ、ちょい待ってよ!」

 千佳は慌てて高瀬を呼び止めた。彼は怪訝そうに振り返った。

「何だ。俺は今から行く所があるんだ」

「バイト?」

「まあそんなところだ。じゃ」

 高瀬が改めて踵を返す。

「そっか。頑張ってね」

 千佳はそれ以上引き留めるのを諦め、その背に声をかけた。と、背を向けたまま高瀬が言う。

「――気になるなら行けばいいのに」

「え?」

「屋上にいるよ」

 高瀬はそれだけ言うと、さっさと歩いて行ってしまった。千佳はその背が校舎の角に消えていくのをぼんやりと見送った。

 まだ上方では音楽が舞い踊っている。

 高瀬は千佳がこの音を聴いていることを知っていたのだろうか。この旋律を奏でる主を知っているのだろうか。

 背中を押された今なら、会いに行ける気がした。

「――よし」

 千佳は音を辿るように、屋上へ続く階段に向かった。

 屋上への扉は開いていた。吹き込んで切る強風を振り切って屋上に出る。そこは想像以上に広く、半分はガーデニングになっていた。

 いつもよりも鮮明にバイオリンの音が耳に届いた。

「!」

 千佳に背を向けて、風が吹く中で優雅にバイオリンを弾いていたのはよく見知った彼女だった。

「笠木……」

 その曲を弾き終えた矢㮈がくるりとこちらを振り向いて、分かりやすくぎょっとした顔をした。何だその顔は、と思わず吹き出してしまう。

「え、何で千佳ちゃんがここにいるの!?」

「ちょっとねー」

 千佳はふふと笑いながら彼女に近付いた。まじまじと彼女の手にあるバイオリンを見つめる。

「そっか、笠木だったのか」

「え?」

「バイオリン。――四月から弾いてたよね。上手くなった」

 千佳の言葉に、矢㮈の目が見開いた。頬が赤くなって、なぜか急に泣き出しそうな顔になる。

「ちょ、な、笠木? どうしたの」

 自分は何かまずいことを言ってしまったかとハラハラする。しかし彼女は首を横に振った。

「……ううん、違くて。千佳ちゃん、聞いてたんだ……」

「聴いてたわよ」

 彼女がなぜこうしてバイオリンを弾いているのか、そもそもバイオリンを弾くということすら千佳は知らなかった。

 だがあの四月に聴いた音をここまで引き上げた奏者の努力を、千佳はずっと聴いて来たから知っている。

「それで、オーケストラ部に入ったの?」

「ううん、入ってない。これは……自分の習い事っていうか。一緒に音楽をしたい人たちがいて」

 嬉しそうで、しかし時に困ったような複雑な表情をする矢㮈に苦笑しながら、千佳はまだ明るい空を仰いだ。

 彼女が弾く音だと知ったら、さらに身近で気になる音になってしまった。そして同時に、彼女の努力に負けたくないと思う自分がいた。

(バイオリンと陸上。種目は全然違うけど)

 千佳は空を見上げたまま、隣にいる友人に言った。

「いつもありがとうね」

「え?」

 矢㮈が不思議そうな顔をする。

「ふふ。笠木はあたしにとって良いライバルだったみたいだから」

「え!? 何それ!? あたしに千佳ちゃんのライバルになれる要素なんて無くない?」

 真面目な顔で抗議する彼女に千佳は笑った。

「そんなことないわよ」

 千佳にとって彼女のバイオリンの存在は大きかった。確かに、走る力になっていた。

 再び走り出した今もまた、彼女の音に癒され、励まされている。

「ねえ、もしかして高瀬関係のことじゃないよね? 別にあたしと高瀬は何でもないからね?」

 千佳のライバル発言に矢㮈はまだ混乱しているようだ。

 全く以て高瀬は関係ないのだが、千佳は少し面白くなってわざとそれに乗っかってみた。

「そういえば笠木、高瀬君とまた仲良くなってない? 高瀬君だってこの前、笠木のことかばったように見えたけど?」

 先日、千佳が颯大に絡まれた時のことである。言い返した矢㮈に矛先が向きそうだったのを、千佳が口を挟むよりも前に高瀬が口を開いたのだ。あれは何となく、彼女をかばったように見えた。

(まあ本人は否定しそうだけど)

「仲良くなんかなってない! それに、あいつがあたしをかばうとかあり得ないから!」

 矢㮈は頬を膨らませて突っぱねた。それがまたかわいらしいから笑ってしまう。

 そして、もう一つ、改めて彼女にお礼を言わなければならなかったことを思い出した。

「笠木」

「なあに」

 まだ多少膨れたままで彼女が答える。

「この前あいつに、あたしの代わりに言ってくれてありがとう」


『千佳ちゃんはちゃんと結果を残してます! 走る気がないとか勝手に決めないでください』


「あれ、嬉しかったよ」

 自分で言い返すよりも、矢㮈に言われたことで自分の中に響いて来た。

 矢㮈が目を見開いて、そして少しだけ眉を下げた。

「――結果を残した千佳ちゃんは本当にすごいから」

 その言葉には何か別の思いが含まれていたように聞こえたが、千佳にはそれが何か分からなかった。

 矢㮈は手元にあるバイオリンを見つめて、「あたしももっと頑張らないと」と呟いた。

「千佳ちゃんは次、新人戦?」

「そう。だいぶ休んだから早いとこ取り戻さないとね」

「頑張って。応援してる」

「うん、ありがと」

 もう走りたくないという気分は吹き飛んでいる。今は昔のように、あの理想の走りにどれだけ近付けるかを考えて練習に励んでいた。

 進化し続ける彼女のバイオリンにも負けたくない。

 どうせ走るのなら、結果も出したいに決まっている。


 ピ――――――


 グラウンドから聞きなれた単調な音が耳に届く。

 千佳は弾かれたように足を屋上の扉に向けた。

「じゃあ笠木、あたしは練習に戻るから!」

「うん。ファイト!」

 矢㮈が弓を持った手を軽く振って見送ってくれる。

 千佳はスピードを緩めることなく、階段を駆け下りた。


Fin.


ご無沙汰しております。最後まで読んでくださりありがとうございました。

ずっと書きたいなあと思っていた千佳ちゃんのお話、途中で止まっていたものを引っ張り出してようやく書けたと思ったら、短編にしてはわりと長くなってしまいました。あれもこれもと詰め込み過ぎたのは承知ですが、そうしたかったのでしょうがない。

本編の補足にもなっている物語になります。さらに新たな登場人物に「?」も増えるかもしれませんが、またどこかで出てくるやもしれません…。

少しでも楽しんでいただけますと幸いです。

(2025.05.12)

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