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奏~間奏曲集~  作者: 葵月詞菜


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(1)諷杝の家庭教師

本編『奏』第5話「祖父とバイオリン」以後のお話です。

(※本編と直接関係はありません)

【登場人物】

海中わたなか 諷杝ふうり…彩楸学園高校2年生。

高瀬たかせ 也梛やなぎ…彩楸学園高校1年生。諷杝のルームメイト。

「ねえー、ここってどう解くんだったっけ?」

「あ? ――これ、さっきやっただろ」

 諷杝は丸テーブルの上に突っ伏した。

 明日からテスト週間が始まる。泣く泣く勉強している次第である。

 そんな諷杝を教えているのは、学年では一つ下になるルームメイトの也梛だ。彼は日頃から予習復習をきちんとこなしているので、諷杝の家庭教師役を引き受けても自分のテストはバッチシだ。

「あー、也梛の頭が欲しいなあ。特に国語―」

「何バカなこと言ってんだ。てかさすがに俺も二年の内容はそれほど分からんからな。一年のはだいたい一通りやってるから……」

 也梛が肩をすくめる。

「そっか。君は一年の内容かぶってるんだった」

「そーそー。この学園のシステム上仕方ねーしな――って、それはどーでもいいんだ。ほら、さっさとやれ。消灯時間過ぎるぞ」

 ここの寮はテスト期間だろうが消灯時間は十一時と決まっている。

 絶対自宅生と比べて不公平だ。――と言って真面目に集中して取り組めるかはまた別問題だが。

「どうしよー、絶対全部間に合わないー」

「しゃーねーな。ズルズル先延ばしにしてきたバツだよ。山勘でもすれば」

「也梛はドコ出ると思う!?」

「知らねーよ。てかそれでハズれたら俺のせいにすんだろ?」

「当たり前じゃん」

 諷杝がうんうんと頷くと、也梛ははあとため息を吐いた。それでも律儀な彼は諷杝のノートをパラパラと捲る。しかしすぐに、

「……せめてノート見れば先生のクセも分かるかと思ったけど……何だ、コレは」

 也梛が眉をひそめてノートを諷杝の前に突き出した。

 諷杝が授業中にとったノートの中身は、途中までだったり落書きしてあったり、音符が踊っていたりした。

「いやー、眠かったから眠気覚まし的に遊んでみたんだけど……上手くない?」

「お前はアホかっ!! 授業聞く気なしか!?」

「んー、アホなのは十分承知してるつもり……」

「認めるな! バカ! とりあえずやれるトコまでやるぞ!」

 ったく何で俺が、とか何やらブツブツ言いながら、也梛が教科書を手にする。

 消灯まで後一時間ちょっとだ。

「間に合わない分は明日の朝だ!」

 スパルタ家庭教師のルームメイトだった。



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