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崩れてゆく世界の中で  作者: 鷹江 梨華
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第十七話 「応答」

勇者は、立ち止まった。

呼び止められたわけではない。

依頼でもない。

ただ、声が聞こえただけだった。


――――


「今日は、忙しそうですね」

相手はそう言った。

困っている様子はない。

切迫した事情も感じられない。

ただの雑談。

それだけのはずだった。


――――


勇者は、すぐに頷いた。

「はい」

短い返答。

考える前に、口が動いた。


――――


「勇者様って、

 休まれることはあるんですか?」

予想していなかった問いだった。


――――


「……ありません」

そう答えてから、

勇者は僅かに眉をひそめた。


――――


今の言葉は、

本当に自分のものだっただろうか。

そう考えた瞬間、

思考が止まる。


――――


「……いえ」

続けて、そう言った。

理由は、

分からない。


――――


相手は一瞬驚いたが、

すぐに笑った。

「変なことを聞いてすみません」


――――


勇者は首を振った。

その動作は、

自然だった。


――――


歩き出してから、

勇者は自分の足元を見る。

目的地は、

決まっていない。

それでも、

足は前に出ている。


――――


今、自分は

何を選んだのだろう。

そう思ったはずだった。


――――


だが、その考えは、

形になる前に消えた。


――――


当日の進行を継続する。

世界は稼働中。

特記事項は

ない。

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