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崩れてゆく世界の中で  作者: 鷹江 梨華
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第七話 「通常進行」

勇者は森に入った。


道は既知。

地形に変化はない。

天候も安定している。


魔物は出現する。

位置は想定範囲内。



---


勇者は剣を抜き、斬る。


一体目。

二体目。


動きに無駄はない。

以前と同じ手順。



---


倒した魔物は素材を残す。

数に差異はない。

種類にも変化はない。


勇者はそれを回収する。



---


しばらく進む。


魔物は出現しない。


想定範囲内。

出現間隔に誤差は存在する。


――本来であれば、

この距離で、もう一体現れるはずだった。



---


勇者は歩を進める。


しばらく進む。


それでも、出現しない。



---


勇者は足を止めた。


警戒ではない。

理由は特にない。


周囲を見渡す。


異常は確認されない。



---


魔物は出現する。


少し離れた位置。


勇者は剣を抜き、斬る。


処理は完了する。



---


進行を再開する。


進行速度は微増。


理由は記録されていない。



---


一定時間が経過した。


勇者は森を出る。


成果は想定範囲内。

不足も過剰もない。



---


その日の野営を行う。


体力に問題はない。

装備の損耗も軽微。



---


勇者は空を見上げた。


特別な意味はない。


ただ、

今日は少し静かだと感じた。



---


当日の進行を終了する。


世界は稼働中。


特記事項は

ない。



---

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