表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暇人な付与術師《エンチャンター》  作者: 嘘つき妖精
[幸福を夢見微睡む眠り姫]
33/36

理不尽、鬼が出る

少し時間が出来たので書きました。

ドスッ


いきなり室内に響く音に警戒しようと思ったが、止めた。

刀というここら辺では珍しい武器が扉に“突き刺さって”いたからだ。


ドスッ


ドスッドスドス


ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス


「怖ぇえよ何考えてんだお前俺の護衛だろ何で扉を滅多刺しにしてんの!?!?」

この笑えない重低音を打ち破ったのは我らがヘタレ王。

だがな、お前は所詮ヘタレなのだよ。


ドスッ


今までで一番大きな音を響かせてその勢いで粉々に砕け散った扉の先には……

幽鬼のような表情をしたシオンが……。

「じゃあ後は頼んだ我らがヘタレ王。」

さっさと退散する事に限るよこう言う時は。

窓に手を掛け……「ナンデ、ニゲヨウトシテイルノ?」

おっふ……神は死んだ。




「で、何でリズは何時も寝ているような時間にこんなヘタレの部屋に居るわけ?」

「何でわたしが寝てるって知ってるんだ?

ここから王城まで結構距離がある筈だし、それに結界もメイドも反応していなかったし……。」

「そんなことは置いておいて、な ん で こ こ に 居 た の ?リ ズ ?」

一度区切って一文字ずつ言い聞かせるように話しているが、目が死んでいるのは気のせいだろうか。

「いやいやそんなことで済ませられる問題じゃないぞ!

わたしの屋敷の防衛に関する重要な問題だからな!?」

この話は不味い流れだ、今すぐ軌道修正しなければ。


ドスッ


「今、ボクが聞いてるの。

分かる?」

「……はい。」

怖ぇえよ。

止めよう?そういうの。

マジでそういうのイクナイ。

……床が貫通してるよ。

王の執務室だよ?最重要人物が何時もいる部屋だよ?

最高級の防護障壁やら何やらとたっくさん張り巡らされている部屋だよ?

怖ぇえよ。


「あのですね、そこのヘタレと言われ続けていじけてる奴にですね、少しだけ用がありましてね、それでですね、早くから寄った事態ですよ、ね。」

さっきから刀で床をコンコンしてる訳ですけどね、怖ぇえんですわ。

刃物は欠けやすいんだからそんな風に扱ってはいけませごめんなさいもう何も言いません……。

「で、その用事って何?」

「あぁ国外へ出るからその挨拶をしに ズドンッ ……何か気に触ったのデスカ?」

流石我らがヘタレ、シオン相手に禁句をさらっと口にするとは。

案の定手加減をミスって床に大穴開けてるよ怖い。

これには我らがヘタレも動揺を隠せない。

冷や汗だらだらで上目遣いに彼女を見ている……何か笑える。


突き刺さったまま抜こうとしない刀に手を掛けつつ、明るさが欠けた表情で……。

「何笑ってんの?」

鬼さんこちらを向いちゃった……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
他にもこんな小説を書いています。
記憶の騎士はニヒルに笑う
“忘れたくない記憶”を選んだ少年、黒崎優は母妹を逃がすために強盗に殺され、異世界に転移した。
神から貰った“どんな出来事でも絶対に記憶する”という唯一無二の力を得る。
世界中を旅して周る彼に様々な出会いと別れがある中で、記憶の勇者は何を見、聞き、記憶していくのだろうか……。

ココロ宿リシ魔神ノ人形
ある日シャルロット・ヴァイスマンは人形店に就職する。
そこから運命の歯車は廻り出す。
怠惰な店長とうるさい店員、そして魂を宿した人形たちの悲しくも美しい物語だ。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ