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暇人な付与術師《エンチャンター》  作者: 嘘つき妖精
[理不尽を体現した女]
14/36

理不尽、解説をする

「何言ってんだ?

頭大丈夫か?」


ビキリ


「今カッコつけたとこだろっ!

これだから脳筋は嫌いなんだっ。

残念連呼して頭をグリグリしたり、ガキ扱うみたいにするしさぁ....。

....とりあえずs...d..ぇ。」

「なんか言ったか?」

「とりあえず死んどけ脳筋がぁ!!!」

突如体が緑色に光ったと思えば、


ドゴォォオォォォォォオン


「ぶぺらぁっ」


ヒュウゥゥ〜


グサッ


「くぺ」


「さてオマエら、なんかイイたい事あるか?」

と聞かれた面々は顔を引きつらせたまま、


「世界序列の事。

それは本当か?」

とリーが質問した

「あぁそうだ。

というか知ってるんだなオマエ。

意外と知らない奴も多いのにな。

....あそこに突き刺さっている奴みたいに。」

指差した先には、

魔法がかかったみたいに一直線に突き刺さったままピクリともしないダイレンの姿があった

普通重力に引かれて腰が折れるのだが、その様子がない

まるで一本の槍のようにまっすぐに突き刺さっている


顔がひきつるのを感じながら、

「魔法職は誰だって習うものだ。

忘れる奴の方が多いが。

...世界樹の根元にあり、世界中全ての強者の順位が刻まれた石碑か。」

「そこまで知っているとは、なかなかに博識なのか?

....そうには見えないが。」

「何か言ったか?

まぁそれより、一位の勇者、二位の賢者に次ぐ実力者。

とてもそうには思えないが....。」

「現実は物語より奇なりってな。

そんなことより帰ろうぜ?

もうお腹ぺこぺこで死にそうなんだよ。」


確かに顔色が悪そうだ

身体強化はそのまんま身体能力を高める魔法だが、

対価としてカロリーを消費する

言ってしまえばかなり激しい運動をした、みたいなものだ


「まだまだ質問はある。」

「そうです。

エンチャンターなのにあの威力とかもう意味分からない事だらけなんですよこっちは。」

「メアリーちゃんってすごい人だったんですね!?」

「カナは相変わらずズレてるな。

はぁ。

.......。

質問に答えてやるからさっさとしろよ?」

「まずは私から。

世界序列とはどんなものですか?」

「この世界の中心にそびえる世界樹。

その根元にある魔力を帯びた石碑だ。

龍帝が守護し、この世界の強者を順位付けている謎物体だな。

一説によると、

龍神が強いやつと戦いたいが探しに行くのが面倒と言って作ったらしい。」

「そのようなものが...。」

「次は私だな。

冒険者のランクは十枚花(デケム)までのはずだ。

特一級?それにクローバーとはどういう事だ?」

一枚花(ウヌス)は見習い、

二枚花(ドゥオ)から四枚花(クアトロ)は初級、

五枚花(クィーク)から七枚花(セプト)は中級、

八枚花(オクト)から十枚花(デケム)は上級。

そのさらに上に、超級、弩級、そして特十級から特一級になっている。

まぁ一般に公開されているのは十枚花(デケム)までだがな。

そして、特一級にはもれなく二つ名がギルドから付けられる。

わたしの場合は【クローバー】だ。」

「そんなことがあったのか。

だが、そんなことを喋ってもいいのか?」

「問題はない。

公開されていないのは、強さを分かり易くするためだ。

一般人が超人を見たって凄さが分からないだろう?

そういうわけだ。」

「大体分かった。」

「もう帰っていいか?」

「その前に誰かダイレンを起こしてあげましょうよ。

放っておくわけにも行きませんし。」

「捨て置け。」

「怒るわけも分かりますが、一応ウチのメンバーなので。」

「それなら僕がやろう。

適当に雷を落とせば起きるだろうしな。

起きなければ炎で炙ってやるだけだ。」

「いいぞメガネ。

その貧弱な魔法で起こしてやれ。」

「お前いつも僕の神経を逆撫でしてくるな。

煤にするぞ?」

「馬鹿が熱くなってやんのぉ。

プククク。」

「なぁクラウス。

今ならなんでもぶっ殺せる気がする。

殺っていいか?」

「ダメだリー。

一応街に戻るまでがクエストなんだから。

リズハルトさんも少しは自重してください。」

相変わらず単調に言うクラウスに対して、

「わたしの辞書に“自重”という文字は無いっ!!!」

「自重してくださいね?」

笑って言っているのだが、何故か凄みがあった

「へえへえ悪うござんしたぁ、気をつけますぅ。」

エミリーがふてくされている間に、

「痛っつ。

うぉ、なんか頭が埋まってる!?」

と言いつつ


ズボッ


っと頭を抜いたダイレンは、


「なんで埋まってたのか知りたいが、

とりあえず飯にしねぇか?」

と言った

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