理不尽、その名はエミリー・リズハルト
いつもより少し長いです。
タイトルミスってました。
申し訳ない...。
「よしよし起きたな、っしゃあ帰るぞ〜。
ていうかどんだけ起きないんだよ一時間も寝っぱなしとかさぁ。
はいそこ!惚けないで手を動かす!」
気絶から回復した三人は上の空ながらも帰路への準備をする
そうしている間に、正気を取り戻しているのだが、
正気を取り戻していくごとに本当に正気か疑問になってしまう
それもそのはずだ
何故なら、目の前にいる華奢な女性が竜を“蹴っ飛ばした”のだから
「あの、質問いいですか?」
「なんだね騎士くん。」
「あの時何をしたんですか?」
「いい質問だ騎士くん。
わたしは寛大だから答えてやろう。
身体強化の魔法を使って蹴り飛ばした。
一撃で死んだところを見るに、案外若かったのだろう。」
「本当にそれだけですか?」
「ああそうだ、が何か疑問でも?」
と含みを持った笑顔で返されたのに事線に触れたのだろうか
「あるに決まってんだろ!
なんだあの蹴り!
並みの武闘家なんか目じゃねえ。
なのにお前の名前なんて聞いたこともねえ。
お前一体なんなんだよ!」
「わたしか?
ひ・み・つ、きゃ〜。」
明らかに煽っているのだろう
もともと気が短いダイレンは、
「てめえふざけてるとぶっ飛ばすぞ!」
と顔を赤くして怒鳴る
だが、
「やるか?
竜みたいに蹴り飛ばすぞ?」
と言われた瞬間にその光景が脳裏に浮かんだのか、顔が青くなる
「赤いと思ったら青くなった。
オマエの顔面白いな、どうやってるんだ?」
また、明らかな挑発行為
だが、学習したのか反応しない
バカではないのだ
「エミリーさんそろそろ黙りましょうね〜。
まだ疑問は残ってるんで長引かせないで下さい。」
「仕方のないやつだな。
いいだろう、次はなんだ?」
「あなたは魔道士つまりソーサラーですよね?」
「半分正解、半分間違いだ。
わたしは魔法職、ここは正解だ。
でもソーサラーじゃない。」
意味深な笑みを浮かべてもったいぶる姿は、並みの人間ではすでに殴っているだろう
「ではなんなのですか?」
「わたしは付与術師、
エンチャンターさ。」
「うまく聞こえませんでした。
もう一度お願いできますか?」
「エンチャンターさ。」
「もう一度。」
「エンチャンター。」
「もう一「何回言わせんじゃボケぇ!」度。」
「お前も蹴り飛ばされてぇのか!?
そうなのか!?
そうなんだな!?」
「エンチャンター、ですか....。」
「よろしい。」
そこには怒っている姿はなく、いつもの余裕顔だ
怒っているフリで脅しているだけであった
「ただのエンチャンターにあんな蹴りが放てるとは思えませんが。」
「そこは..アレだ。
創意工夫ってヤツだな、あははは。」
「真面目に答えて下さい。」
「身体強化だ。
真面目に答えたぞ。」
「身体強化というのはせいぜい凡人が熊を投げれる程度です。
竜を転がせるほどのものではありません。」
「何もわかってないんだな、オマエら。」
そこにはまたもや意味深な顔、ぶん殴りてぇ
「どういうことですか?」
「魔法基礎理論って知ってるか?」
「えぇ、確か『魔法とは芸術である』という有名な言葉が載っているヤツですね。」
「そうだ。
魔法を行使する場合、詠唱と魔法陣に分かれる。
詠唱の場合、正確なリズムと魔力の込め方、正しい発音が、
魔法陣の場合、どれだけ綺麗に魔法陣を描けるかだ。
ここでの綺麗というのは、
どれだけコンパクトにできるか、正しく円滑に循環しているかだな。
これが魔法基礎理論と呼ばれるものだ。」
「それと今回のはどう影響があるのですか?」
「詠唱というのは“誰でも使いやすい”をモットーに魔法陣を弄ってできたもの。
だから、使いやすいが威力は出ない。
そして、魔法陣は扱いが難しく、少しでもミスれば威力はガタ落ちする。
じゃあ聞こう、魔法陣を完璧に描ければどうなる?」
「ッ!!!」
「気付いたな。
そうだ、身体強化の“完全な”魔法陣を使ったからあれだけ威力が出たんだよ。」
「あなたは……一体…。」
「わたしはエミリー・リズハルト、世界序列三位にして魔導帝を冠する者!
あっちなみに冒険者としてのランクは特一級、二つ名は【アカツメクサ】をもらっているぞ。」




