軟弱騎士の胃痛物語
今日は趣向を変えてクラウス視点で書きました。
私たち【天使の鏃】は失意のどん底にいた
「なんでよりにもよってワイバーンの群れが出てくるんだよ。」
そう愚痴を呟いたのはパーティーの前衛兼タンカーを務めるダイレンだ
大きな大剣から放たれる振り下ろしは容赦なく相手を二つに分ける
「同意見だ。
もうあんなことは二度とごめんだ。」
少し威圧的な口調で喋るメガネの男は魔道士のリー
プライドが高いやつだが、
彼から放たれる雷系統と炎系統の上位、雷撃魔法と爆裂魔法は必見だ
「でもみなさんが無事で良かったです。」
聖職者風のローブを着た我がパーティーの紅一点、カナ
彼女は上位治癒魔法と神聖系統の加護、そして下位だが無属性系統の魔弾を使える
性能だけで言えば彼女はランク上位に匹敵するのだが、
このパーティーは幼馴染みで組んでいて四人とも幼い頃からの友人だ
そのせいで彼女を縛っているのではと思いつつ、嬉しく思う自分がいる
何が騎士だ....っといけない、今回は無事に生き残った祝勝会だ
一人だけ湿っぽくなってはいけないな
「しかしワイバーン一体の討伐のはずがまさか群れができていたなんて、今回は運がなかったです。
それに、武器も防具もボロボロ、これでは上半期のノルマがきついですね。」
「やはり人を雇うしかないか。
あまり誰かに頼むというのはしたくないのだが。」
「仕方ねえよ。
武器もない防具もない、おまけにポーションも頭打ち。
どうやってクエストをこなすんだよ。」
「そうだが....。」
「そう言えば凄腕の魔道士がフリーでパーティーを組んでいるらしいですよ。
なんでも暇だかららしいです。」
「....一度その人に会って話でもしますか?」
「俺は賛成だ。
このままやっても間に合うかわかんねぇ。
なら確実にノルマをこなすためにも雇うべきだ。
それにこなせなかったらランクの降格、それ以外に選択肢はないと思うが?」
「....そちらの方が合理的だ。
不服だが、そうせざるを得ないだろう。
私は賛成だ。」
「そうですね。
これ以上頑張ったらトロ返しのつかないミスも増えて着ます。
そうなれば私の治癒ではどうにもできませんし、
何よりもうみなさんには怪我をしてほしくはないです。
私も賛成です。」
「満場一致で賛成。
ではリーダーの私が話しをつけに行くので今日明日は休みですね。」
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クラウスはまだ知らない
この後自分がどれだけ苦労するのかを
頑張れクラウス!負けるなクラウス!




