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Estrea  作者: 鳶田こう
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 夜が開ける時特有の、澄んだ空気が広がっていた。

もう半刻もすれば、待っていたと言わんばかりに朝日は顔を出し、世界に一日の始まりを告げるだろう。


 少し大袈裟に手振りをつけて、朝の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

澄み切った空気は綺麗すぎて、少し痛い。


「…よし、行こう」


 誰に向けるでも無く呟いて、一歩を踏み出した。


「世界を壊しに」


 そう呟いた瞳へ、もうすぐ訪れる夜の終わりに急かされるように、空を駆けていった一筋の流れ星が、反射してきらりと光った。





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