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52 ???

 ……死んだのかな。


 先ほどティーアの声に反応して視線を戻した際に見たのはドラゴン口から放たれた光だった。そして意識が途切れたことから、ドラゴンの攻撃の代名詞のブレスでも命中したのだろう。

 事実、体を動かそうとしてもピクリとも動かない。というか、体の感覚がない。


 まずいなぁ、これは。


 死んだことについては、まあ、こんな世界だし自己責任だ。

 せっかく前世の記憶を引き継いで転生したのに、あんまり生きられなかったのは残念だが。前世よりは自由に生きていたと思う。


 ただ、ソレイユちゃんが心配だ。ドラゴンの一撃を食らって倒れてしまった。〈気配察知〉でかなり弱々しい気配だったので、死んではいなかったのだが、あのまま放っておけばいずれ死んでしまうかもしれない。

 何とかしないといけないのに私が死んでしまった。


 くそっ!


 ティーアはどうなっただろう。空を飛べるのだから1人ならうまく逃げられるだろう。いや、うまく逃げるしか道がないだろう。


 できればソレイユちゃんもつれて逃げてほしい所だが。


 こんな世界だ。心残りがあるのだからアンデッドにでもなって自我を保ったまま生き返れたりはしないか。


 ソレイユちゃんとティーアが心配だ。

 何か、何かないか?

 魔法があるんだ。神様とか実在しないのか? もしいるのならば、せめてソレイユちゃんとティーアを何とかしてくれ。頼む。なんでもしますから。




《――――接続ユニット2261番の生命活動停止を確認しました。》


 なんだ?


《再起動のため、破損個所のマテリアルをユニット2261番にインストールします。》


 誰の声だ? 神様か? もしかして祈りが届いたのか。


《インストール中――――》


 妙に電子的な声だが、もしいるのならば聞いてほしい。


《――――完了》


 何とかあの2人を逃がしてほしい。


《不可、接続ユニット以外への干渉は出来ません。》


 ……は? 答えてくれたの? ならば……じゃあドラゴンを何とかしてほしい。あと、もし可能ならば、生き返らせて


《可。ユニット2261番はすでに活動可能状態にまで復元されています。》


 え? 生き返っているってことでしょうか? 神様?


《神という存在が不明。本端末では回答不可》


 え、あ、じゃあいいです。あと、ドラゴンの方は……


《ユニット2261番が存在する次元空間にて優位に立てるためにレベルを上昇させます》


 ……レベルを上げるんですか? 私の?


経験値(EXP)をインストール開始》


 え? あの? ちょっと。話噛みあってます?


《肯定。接続ユニット2261番の発言はすべて解析、理解しています》


 あ、じゃあ、ソレイユちゃんを何とかしたいんですが……


《真意の理解が不能。詳細を提示してください。》


 あの……大怪我しているかもしれないので、回復させてやりたいというか……もしかしたら死んでいるかもしれないので、何とか生きていてほしいというか……


《了。最適なスキルをインストールします》


 え? スキル? もらえるってことでしょうか? あのじゃあ、スキル他にももらいたいんですけどぉ。(手のひら揉み揉み)


《了。ユニット2261番に対して過去のデータより有用と判断されるスキルを順次インストールします。》


 マジですか!? ありがとうございます。ありがとうございます。神様。マジイケメン。


《神という存在が不明であることを再度伝達します》


 あ、神様って言われるの嫌いなの? じゃあ、えーっとあなたは誰でしょうか?


《本端末に名称はありません》


 え? 名前無いの? じゃあなんて呼べば?


《…………》


 あれ? もしもし?


………………

…………

……


 あのー、もしもーし……さっきから結構立つんですが……無言だと怖いんですけど……


《強制シャットダウンが実行されました。ユニット2261番保護のためインストールを中断、回線を切断します。》


 え?




 同時に意識が浮かび上がってくる感覚がする。

 意識が次第にはっきりしていく。

 触覚、視覚、嗅覚、聴覚、味覚が戻ってくる。


 同時に浮遊感。そして落下。


 ゴツッ!


「いでぇ!」

お、親方、頭の中に声が!?


天狗じゃ、天狗の仕業じゃ!


プラズマですべて説明できます。

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