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145 宝探し

 さて、魔王城内に突入した私達一行。一応スキルにより城内を再度探査し、問題ないことを確認した。

 城内に入った一行はそれぞれがバラバラに行動する。魔王城は広く、また脅威も無いため固まって動くよりも別々に行動した方が良いだろうとの判断だ。私とダン子は地下を、アリシアさんとカーマインさんは地上階を捜索することになったのだが、地下に降りる階段も複数あったのでダン子とは別行動中である。


 主のいなくなった城の地下と言うことで薄暗いのかと思いきや、普通に明るかった。数メートルおきに燭台のような物がありその上に乗っている何か(・・)が光っている。よく見てみると青白い鉱石のようだ。

 鑑定してみると発光石という光る石だそうだ。一定の衝撃を与えると数年単位で光り続ける物らしい。


「便利だな……貰っていこう」


 そうして壁にあった一つをパクってポケットに入れた。全部盗ると真っ暗になっちゃうからね。あ、でも私が持っているのだから私が発光するのか。


 そうして地下にある廊下を歩いて行く。そうしたら扉を見つけた。

 チャキッと銃を構える。そうして扉にゆっくりと近づき蹴破った。銃を構えながら中に入っていく。

 まあ、事前調査で生き残りなどいないことは分かっていたのだけれど、やってみたかったんだよ。クリアリングごっこ。


 内部は倉庫だったのだろうか比較的広い部屋で隅っこの方に木箱がいくつかあるだけだった。その木箱にゆっくりと近づき、やはり蹴って蓋を開ける。


「……」


 数秒待って問題が無いと思い、木箱の中をのぞき込んだ。そこにあったのは……何だろうコレ?

 布のような物が入っていたので、とりあえず銃をホルスターに戻してから手に取ってみる。広げてみると大きい布のような物だった。

 その他の木箱も確認する。その結果どうやらここは生活用品……寝具や調理器具などがおいてある部屋だと分かった。

 木箱を全て開けてみたが全てそういった類いの物でお金にはなりそうに無かった。


「ここはハズレっと」


 私は木箱を元に戻すと部屋を出てさらに廊下を進んでいった。

 すると再度扉が。同じようにクリアリング(ごっこ)をしながら中を調べて……食料庫だと確認。よく分からない生モノが多数あったので最初は何か分からなかったが〈鑑定〉して分かった。しかし見た目からして人間の食べるものとは違うな。保存されていたのはいずれも長期保存用の食料と思われるが、ほとんど見たことが無いものであった。……コレは人間が食べても大丈夫なのだろうか?


「ここもハズレっと」


 そうして進んでいくが、なかなか見つからないものである。


 しばらくしていると前から足音が聞こえてきた。同時に何かを引きずるような音も聞こえてくる。

 何だ!? 事前の調査で生き残りなどはいなかったはずだが……見落としだろうか。

 私はホルスターから銃を引き抜き構える。そしてゆっくりと進んでいき目の前の十字路にさしかかろうというところで、


「うひょひょひょ、大漁じゃ、大猟じゃ」


 ……目の前を二ヨニヨと笑みを浮かべ多数の宝石の埋め込まれたティアラやネックレス、指輪をし、さらに背に大きな袋を背負ったダン子が通り過ぎていった。


 …………


「しまった、あっちが当たりか!」


 私は後悔した。どうやらダン子の降りた階段の方が宝物庫に近かったようだ。

 今いるのは十字路。ダン子は右から左に抜けていった。となるとそちらはダン子の取り分になるだろう。ダン子が殊勝に山分けなんてするわけ無い。

 私は直進する通路の先に宝物庫がある事を願いながら進んでいった。

 ところでダン子はダンジョンコアのくせに貴金属や宝石類をどうする気なのだろうか。


 私は失意の中、通路を進んでいく。どうかこの先に金目の物がありますようにと。


 

 今歩いている通路は何かおかしいと気付いたのはしばらく歩いてからだった。

 今まで一定間隔であったドアまたは部屋が一切無いのだ。ただひたすらに通路が続く。

 何もない石造りの通路を疑問に思いながら進むこと数百メートルようやく扉を見つけた。それは通路の先、突き当たりに一つだけ。


 大きく両開きの扉だ。いかにも厳重そうでこれは期待が出来そうだと思った。


「お宝ちゃーん。待っててね、私が有効活用してあげますからね」


 とか声にしつつも銃をしっかりと構えて近づいていく。そして蹴破るには少々大きな扉に手をかけ、


「うん? 鍵がかかっているのかな?」


 押しても引いても開かなかった。念のため横に引く、上に押し上げるなども試してみるがダメだった。

 一応見た目的には押すか引くかすれば開きそうな扉の形なのだが、……鍵穴も見当たらない。

 そういえば取っ手も無いな、この扉。(じゃあさっきどうやって引いたんだと言う突っ込みは無しだ)


 銃をホルスターにしまい、両手で触りながら探っていく。

 穴のような物はいくつかあったがいずれも模様の一部だった。指を突っ込んでみてもただのノッペリとした穴だ。


 うーんと試行錯誤すること少し、どうも普通に開けるんじゃないっぽい。じゃあどう開けるのか。元の世界だと自動ドアとかだがシャッターなんかも取っ手が無かったりする始祖の類いか。じゃあセンサー類があるのかと扉の前でぴょんぴょんとジャンプしてみる。……開かない。


「どうやったら開くんだ、これ?」


 これだけ大きく上品な扉だ。絶対中に何かあるって――と思うものの開け方が分からない。

 後考えていない方法は


「魔法か!」


 きっとそうだ。この世界特有の魔法的な開閉機構なのだろう。あれだ『解錠』的な魔法があるのだろう。


「……アレだろ、オープンセサミ的な魔法があるんだろ? ……でも私は知ら――」


 瞬間、ガタンッ! と扉から大きな音がした。

 そうして中央から割れて両側へと開いていく扉。ご丁寧に無駄にゆっくりと、さらにゴゴゴといかにもな雰囲気のある音を響かせて動いている。

 そうしてガコォオン! と一際大きな音と共に扉が開ききった。


「……なぜ開いたんだ?」


 訳が分からないよ。


「まあいいか。さて、お宝はと」


 まあ難しく考えることも無い。結果良ければ全て良かろうだ。

 私は開いた扉の向こう側にあるであろう部屋に一歩を踏み出した。

少し短いかな?

キリのいいところで切ろうとすると1話の長さがバラバラになりますよね。

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