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135 暇なので色々と作ってみた

 アガバンサスを解放した(アリシアさん達が)私達は、朝方そこを出発。本格的に魔族領に入っていった。

 そういえばアガバンサスを取り戻したら、兵士が来るという話だったが、どうやってそれを知るのだろう? 別に私達は連絡に戻ったり合図を送ったりするようには言われていないのだが……まあ、定期的に斥候を送っているという話だったので多分大丈夫だろう。



 さて昨日の夜、徹夜で考えていたことがある。それは私の立ち位置についてだ。このパーティーは勇者パーティーとして英雄譚にもなる可能性を秘めたパーティーなのだ。なのに、8人と人数が多く1人1人の活躍が薄れてしまう。その上4人がフルプレート装備とカブっている。ヤマモトは青を基調とした神話級の装備に身を固め、アリシアさんは金色鎧、カーマインさんは真紅の鎧、そして私が白の鎧……

 どこの戦隊物だ? という配色である。ヤマモトはイケメンではない。ブサメンと言うほどではないが……フツメン? まあとにかく4人いっぺんに戦闘を行えば全員が目立つが故に4人組として一括りにされそうである。

 尚個人的にはカーマインさんが一番格好いいかな。アリシアさんは必殺技枠みたい。私が一番地味な感じがする。この鎧を買ったときはメチャ格好いいと思ったんだがなあ……


 そこで考えた、いかにして皆が活躍し、かつ1人1人の活躍が目立つように出来るか。

 そうだ! 活躍しなければ良い。逆転の発想である。つまり基本的に戦闘はヤマモトに任せて要所要所でアリシアさん達のバックアップ、私はここぞと言うとき以外は戦闘をしなければ良い。

 そうすればヤマモトは一番目立つし、アリシアさん達適切なバックアップ兼背中を預ける仲間と言う立ち位置で広まるだろう(誰が広めるのかは知らないが)。私は今回はお助けキャラ的な立ち位置を目指そう。ここぞと言うときに登場して主人公を助けるキャラである。おそらく中二病患者は憧れる立ち位置だろう。

 なお、この考えはティーアは後方支援として目立つし、フェン子、ダン子、ソレイユちゃんは装備が被っていないのでそこそこ目立つであろうため除外している。



「――と言うわけで基本戦闘はヤマモトに任せようと思うんだ。」


 私の考えを述べる。


「確かに勇者様が先頭に立つのが常ですが……」

「私達は戦闘を行わないと言うことですか?」

「いや、戦闘はすれば良いが一番の獲物(・・)はヤマモトに任せるといった感じかな」


 獲物……この場合魔王軍16将軍のことであるが、その他に中ボスクラスの魔物は出てくるのだろうか。


「私は別にかまいません」

「私も」

「むぅ……ワシは魔王をボコボコにしたいのじゃが」

「魔王戦は全員参加でいいんじゃないか?」


 ティーアやソレイユちゃんはすぐに賛成してくれたが、ダン子は不満げだ。魔王戦については全員参加と言うことで納得した。

 アリシアさん達も勇者様の背中を預ける仲間というところがハマったのか賛成してくれる。

ただ、ボス戦は周囲を実力者で固めてそうだし……さすがに魔王が単体で挑んでくるなんてゲーム的なことは無いと思うが。あとは魔王のレベル次第か。一応魔王と言うぐらいだし、ヤマモト一人では手に負えないだろう。確か前の魔王がLv2~300ぐらいだったか。アリシアさん達が加われば問題ないと思う。


 結果として意見は採用された。

 なので、この後はある程度仲間にお任せである。


 私が暇になるが……致し方ない。魔法の解析とかこの機会にやっておこう。



 ◇◇◇



 魔族領だからと言って足を踏み入れた瞬間、魔物が大挙して押し寄せると言うようなことはない。たまに魔物が襲ってくるぐらいだ。ただ、さすがに魔族領と言うだけあって襲ってくる魔物のグレードは2ランクぐらいアップしているが。


 そういえば馬は臆病な生き物だと聞いたことがあるのだが、さすが勇者パーティーに与えられた馬は肝が据わっているのか、堂々と馬車を引きながら魔族領を闊歩している。

 力強いと言っていたし、そういった品種なのかもしれない。


「チェストォォォォ!」


 ヤマモトが今も馬車を襲おうとしていたオーガを一刀のもとに斬り伏せていた。オーガ、懐かしいな。フォルオレンにいた際に見たことがある。その他ダンジョンにもいた。3m程度の筋肉ムキムキの鬼だ。ゴブリンなどと同じように多少の知能があり、腰蓑を着けて棍棒などの武器を使う。


 ゴブリンなど人間領にいた魔物は魔族領では圧倒的弱者であり逆に住みにくいため、目立たないよう生活しているらしい。それが人間領に流れてきているため、人間領側と魔族領側では数の逆転が起こっている。



 さすがに襲撃の度に立ち止まるわけにはいかないので馬車は走らせたままだ。と言っても馬車の速度は人間の小走り程度なので、馬車から飛び降りて、魔物を倒して、走って追いかけて飛び乗ると言う事を繰り返す。

 よほどの時間をとられる強敵が出てこない限りこれで問題ない。

 今のところヤマモト一人で対応できるレベルだし。


 それで暇だと不機嫌になったダン子が通行魔物に向けて魔法をブッパして、ヘイトをとってしまい群れで襲いかかられたことがある。


 そうしているうちに私も何かやってみたくなったので、向かってきた魔物に弓を射てみる。


 ……全然当たらない。それ以前に全然飛距離が足りない。


 ガイドも何も無いシンプルな弓なので相当な技術がいるが、私にはそんなもの無かった。これ以前もやった事があったな。前には飛んだが的には当たらなかった。

 あの時から何も進化していないらしい。


 ちくしょー! と思いコンパウンドボウを作成。競技用のアーチェリーみたいにスタビライザーにサイトまで付けてやったぜ! 矢も固い魔物の素材製! いざ実射!

 

 バビュンッ!


 ……飛距離はバッチリだったのだが、当たらない。


 何度か試したが威力、飛距離とも問題なしだがなぜか当たらなかった。サイトがずれているのだろうか?


「ソレイユちゃん、ちょっと射ってみて」

「あ、はい……これは弓ですか? 面白い形ですね」


 そう言いながら、現在こちらに絶賛全力疾走中のブルオーク(オークの上位種で1周り大きく力も強い。勿論あっちの方も)


 ドカッ! と言う音と共にブルオークの右腕が吹っ飛んだ! 威力が強すぎて矢が食い込んだあとそのまま腕ごと後ろに飛んでいった。矢の精度不足だろうか、はたまた骨に引っかかったのかは知らないが、貫通はしなかった。


「ブヒィィィィィ!!」


 片腕がいきなり飛んでいったブルオークは悲鳴を上げながら足を止めた。


 何あれ! スゲぇ!


「凄いですね。ちょっとコツがいりますが、狙いやすいですし威力も凄いです。さすがですノワール様!」


 そう言いながら2射目で頭の半分を吹っ飛ばした。


「あ、うん……気に入ったのならあげるよ。私は弓は使えないから」

「ありがとうございます。大切にします。」


 こうして弓兵ソレイユちゃんの誕生である。

 弓矢を100本単位で作って渡しておいた。構造が単純かつ同じ物を量産するだけなので以前の3Dプリンタ魔法でオート制作した。



 そうして又暇になった。


 次は、作ってから一度も実戦で使ったことのない拳銃を色々と工夫してみようと言う事で、何が必要か……拳銃に光学サイトなんかはどうやって取り付けるのだろうか。拳銃の上半分はブローバックするのでそこにスコープなんかを付けたらすぐに壊れそうだし、覗いていたら目にガツンとぶつかりそうだ。パンダみたいなアザが出来そうだ。

 確か銃身の下にライトとかを取り付けているのは見たことがあるな。


 とりあえずロングマガジンは作っておくか。

 と言うわけで作った。装弾数33発と元の倍近いロングマガジンを作ってみた。ただこれ、グリップの下から長く伸びるためアンバランスに見えて個人的には好きではないんだよなあ。

 そのため、さらにバランスを整えるために、元の世界で言うコンバージョンキットを作ってみる。これはいわゆる拳銃にする被せ物だ。

 これでお手軽カービン化が出来る。サイズはM○7(PDW)並に小さいが、ストックとフォアグリップが着いているので狙いやすくなった。ただ拳銃としての携帯性は全く無くなってしまったが。

 あくまで被せ物であり、中身は拳銃(グ○ックもどき)なので威力も当然変わっていない。

 とはいえ、ロングマガジンと合わせてバランスを整えかっこよく仕上げることが出来た。こういうのはロマンですよ!


 さあ実射だ!

 この話で色々と簡単に作っているのは以前に131話で変形加工する魔法自体を造ることが出来たためです。

 ここでまさかのソレイユちゃん弓兵に転向。

 カービン化コンバージョンキットは実際にあります。国内だとグ○ック18のエアガン用などが売っているみたいです。


追記:

 「55 ふっかーつ!」に主人公の現在の状態やスキル関係などを書いています。その後「124」にてスキルと称号が1つづつ追加していますがそれ以外は変化無し(だったはず……)。

 弓のスキルが無いので前世も含めて弓を扱ったことがほとんど無い主人公は扱いが下手です。

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