126 道中2
ヤベー。気付いたら新年だよ。あけおめ!
勇者ヤマモトの冒険
勇者ヤマモトこと吾輩と旅を共にするのはいずれも一流の戦士達である。
戦士ノワール、黒髪が美しい吾輩と同年代ぐらいの美女である。ケモミミっ娘であり、戦闘時は全身鎧により露出度が減ってしまう点があるが、吾輩のストライクゾーンど真ん中の子である。
戦士ソレイユ、金髪の美幼女である。見た目は幼いながらもその愛くるしい顔は将来を待たずとも十分通用するであろう。ツルペタなのは少々好みの分かれるところではあるが、吾輩のストライクゾーンど真ん中の子である。
魔法使いティーア、サキュバス族で旅の仲間の中でも一番の年上と思われる。と言っても二十代半ばだろう。この旅に無くてはならないお色気枠であろう。露出が多い点も評価できる、吾輩のストライクゾーンど真ん中の子である。
魔法使いダン子、ツインテールが可愛らしい幼女である。非常に露出の多い格好をしており、吾輩のストライクゾーンど真ん中の子である。
格闘家フェン子、白を基調とするケモノっ娘である。ノワールよりもケモノ度が高い。吾輩のストライクゾーンど真ん中の子である。
これらの仲間と共に今、吾輩の旅が始まるのである!
……以前の仲間? 知らんでござる。
馬車の中ではティーア殿と楽しい会話を楽しめたでござる。さらに、何と本日宿泊予定の村に着いた際にはノワール殿から後で話したいことがあるなど意味深なことを言われたでござる。
吾輩、いつの間にかフラグを立てていたようでござるな。フフフ、自分の才能が恐ろしいでござる。
◇◇◇
馬車は、本日宿泊する街に着いた。旅立ってから1日、未だ王都からそこまで離れていない王国の勢力圏、さらに国の主要街道沿いに発展していったため大きな規模を誇る街である。そのため宿泊施設も大小合わせ、かなりの数が存在するそうなのだが、兵士などに聞き込みを行い旅人御用達の評判が良くちょっと良い宿に泊まることにした。
勇者様と言えば最高級の宿に泊まることも出来るが(国王発行の身分証明書も貰っている)、そこはそれ、私達が落ち着かないのである。
そうして、紹介して貰った宿の前にいた従業員に宿泊の旨と馬車を預かって貰い本日はこの場で休憩となった。
「そう言えば、馬車で何を話していたんだ?」
馬車を降りて今日の宿に向かっていく際に隣を歩いているティーアにそれとなく聞いてみた。考え事で忙しかったが確か馬車の中でティーアはヤマモトの隣に座り会話をしていたようだった。何か共通の話題でもあったのだろうか。一応同郷だしこれから一緒に旅をする仲間でもある。仲良くなるのは良いことだ。
私もこのあとヤマモトに前世について少し語る予定である。ヤマモトは男なので別部屋になってしまったため、夕食後にでも伺おうと思っている。一応本人も特に予定は無いらしく部屋で待っていると言っていた。その話をしたときに妙にキョドっていたが。
そういえば馬車の中でティーアと話していたときも少し挙動不審の気があったような気がするな。よく見ていなかったが。
「なぁに、気になるの?」
ティーアがコテンと首をかしげながら答えてくれるのだが、いかんせんティーアは美人系なので可愛らしい仕草をしても少し違って見える。
「気になるというか、これから旅を共にするのだから人柄は知っていた方が良いだろう。事前の噂では性格などに問題は無いそうだし……少し太っているようだがレベルは高いのだろう? ならば動けるデブ……いや、そもそも勇者は想像通り前衛系なのか?」
「うーん、今までの冒険なんかを聞いていたんだけれど、剣を使って前衛をやっていたそうよぉ。回復役とかは魔法使いとかは他のメンバーがいたんですって。後、出身が別の世界だとか言っていたわねぇ。別の世界って何かしらぁ。」
「そうか。想像通り、勇者って言うのは剣を使う前衛職という認識で良いのか。」
まあ一般的な勇者の想像で問題ないだろう。作品によっては弓使いの勇者とか出てくるから念のためだったんだが。あと別世界についてはティーア達には私の出自について言っていない。なんとなく機会を逃してその後聞かれることも無かったので。ティーアやソレイユちゃん達の過去の話も聞いたことないし。まあソレイユちゃんについては奴隷だったこともあり話題を避けていたと言うのもあるのだが。
と言っても特殊なことでも無ければ家族の話とか聞いても別に上手い返しとかも出来ないし。友達がオカンの話をしても、どうしていいのか分からない感じに似ている。
「あ、あと挙動不審で童貞っぽかったわねぇ」
「悪かったな」
「どうしたの?」
「いや、何でも無い」
いかんいかん、少しキャラブレした。
まあアレくらの年齢であの外見だし……いやでもデブは社交的なヤツが多いって言う話だし、ただの先入観というのもあるのだろうか(個人的見解です)。
いや、そもそもあの外見は何だ? 私はこの世界に来たら外見が全く変わっていた……どころか性別まで変わっていたのだが、勇者は日本にいた頃の外見のままなのだろうか。
そんなことを考えながら宿屋の中に入っていった。
「Hey、Guys おとまりですカ?」
迎えてくれたのは、ピンクのエプロンが可愛いアフロのオッサンだった。こっちの言葉は理解しているはずなのになぜかカタコトに聞こえる。
「ああ、一泊したい」
「まいド アリガト」
ちなみにこの宿は収容人数こそ大きいが旅人などをメイン客にしているため少人数を対象にした部屋が多数あるという構造で4人部屋が最大となっている。そのため女性陣5人は4人部屋に簡易ベッドを1つ運び込み5人で寝ることになった。フェン子とダン子は目を離すと何をするか分からないと言う不安もあるので。
あと、このオッサンはストーリーに何の関係も無い。
その後、割り当てられた部屋に行き夕食までゆっくりとする……予定であったが、なんだかテンション高めであったため、そのまま馬車でやっていた作業の続きと武器防具の整備に取りかかる。
と言っても、魔剣と魔盾についてはメンテナンスフリーとまでは言わないがそこまで手入れの必要は無く、魔力を流せばある程度の自己修復能力がある。全身鎧のほうは既製の手工品であるのでメンテナンスは必要なのだが以前のダンジョン戦以降は使用していない。なので、こちらも目視確認のみ。銃は数度試し撃ちした後はクリーニングしアイテムボックスに入れていたのでこちらも問題なし。
……整備する物は無かったな。
翌日も馬車で移動となるが特別必要な物などは無い。
さて、続きをするか。
そうして私は全自動工作魔法(仮)の制作に取りかかっていった。
ちなみに気付かなかったが皆思い思いに休息を取りに行ってしまっており、夕食の時間になるまで1人でうんうんと唸りながらコードを読み進めていた。先は長い……
今日は日曜日なので夕方頃にもう何度か更新します。
tas2r16さんにノワールさんのイメージイラスト?を書いて頂きました。ありがたいです。イラスト描けるって羨ましいですね。作者は絵は描けないのでキャラのイメージを文字で箇条書きにして何とか固めています。後はイメージに近いゲームキャラを見つけるとか(パクりとか言わないでね)
https://25921.mitemin.net/i347370/




