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11 ギルドマスターに会おう

 金髪巨乳のおねーさん(サレールさんというらしい)に連れられて、階段を上っていく。ギルドマスターは上階にいるらしい。

 しかしサレールさん、スカートで階段登るとか、誘っているんですか? しかし、くそっ! 見えそうなのに見えない。

 そんなことを考えているうちに階段を登り終え廊下を歩いていく。やがて奥にある一つの扉の前でとまり、扉をノックする。


「はい、開いているよ。」

「失礼します。」


 そう言って、扉を開けて中に入っていくので、私も続けて中へ入る。


「ギルドマスターお連れしました。」


 そこにいたのは二十代後半ぐらいだろうか。金髪のイケメンだった。死ねばいいのに。あと、耳が長い。たぶんエルフか何かだろう。そういえば街に来る途中聞いた話だとここのギルドマスターはスキルを3つ持っているといっていたな。ちょっと見てみるか、



名前:ファラベラ

種族:エルフ

年齢:128歳

性別;男性

職業:フォルオレン冒険者ギルドのギルドマスター/魔法使い

レベル:41

スキル:風魔法Lv5

    土魔法Lv3

    アイテムボックスLv2



 おお、128歳でこの外見とかエルフスゲーな。あとレベルが41もある。


「おや、女性の方だったのかい? それにしても美しい。今日この日に感謝を――ぶぇ!」


 キモッ!流れるように近づいてきたかと思ったら、いきなり手を取って、手の甲にキスをしようとしたので思わず顔に膝を入れてしまった。


「ギルドマスターそういったことはやめてくださいと何度も言っているはずですが」


 常習犯か!


「サレール君、嫉妬(しっと)かい?」

「はいはい」

「帰ってもいいか?」

「ははは、失敬、あなたがあまりにも美しかったものでね。」


 鼻を赤くしながら言っても決まらないと思うが、


「さて、とりあえずかけてくれ。話を聞きたいのでね。」


 とりあえず、帰るのはやめて、すすめられたソファーに腰掛ける。おお、フワフワだ。座り心地いいな。

 ギルドマスターも対面に座る。ちなみにサレールさんは横に立ったままだ。ギルドマスターは一応真面目な顔をしながら話し始めた。


「僕は、この街でギルドマスターをしているファラベラという。見ての通りエルフだ。さてと、まずは注意だ。鑑定を使用するのはあまりお勧めしない。」

「……なぜわかった。」


 本当になんでわかったんだ。びっくりしちゃったよ。ポーカーフェイスを維持するのが大変だ。


「僕はそういうのには敏感でね。まあ、お勧めしないといったのは人間に対してだね。誰だって自分の情報を勝手に見られるのは嫌だろう? 特に貴族なんかは色々あるからね。下手をすればその場で捕まっても文句は言えない。」

「なるほど注意しよう。」


 本当に注意しよう。とりあえず人間相手に〈鑑定眼〉はなるべく使用しないようにしよう。


「そうしてもらえると助かる。では本題だ。」

「本題?」

「いや、東の森にオーガが出たと聞いてね。そのための確認がしたかったんだ。これは、他の冒険者の安全にもかかわることだから正直に答えてほしい。」


 聞けば、東の森はFランク冒険者が採集依頼などに行くための森で、よほど奥に行かない限り魔物などは出ないらしい。そしてその出てくる魔物もゴブリンやコボルトといったE~Dランク冒険者が相手にするような魔物だそうだ。


「もし本当に東の森にオーガが出たのであれば、調査をしなければならないからね。」

「本当だ。といっても浅い個所ではなく、少し奥に行ったところだが。」

「そこへは採集依頼で?」

「そうだ」

「ふむ、そうか。サレール君、東の森の調査依頼を出しておいてもらえるかな。」

「わかりました。」

「えっと、ノワールさんだったね。君はFランクだと聞いていたのだが、1人でオーガ2匹を倒したのかい?」

「ああ、そうだ」

「となると、レベルが結構高いのかい?」

「あーと、レベルは3――いや6だな。」


 どうやら、オーガを倒した時にレベルが上がっていたらしい。ステータスを見たら6になっていた。あと、Fランクなのにレベルが高いってどういうことだ? 軍人かなにかから冒険者に転職したとか思われていたんだろうか? あと、ギルドマスターに対してめっちゃ偉そうに話してしまったが今更キャラは変えられない。このまま通そう。


「……ちなみにどうやって倒したか聞いてもいいかい?」

「別に大したことじゃない。動きが遅かったからな、普通に死角に回り込み剣で倒した。」


 本当のことは言わなくていいだろう。スキルの位置づけもまだよく分かっていないしな。


「女性が簡単に剣で斬れるような相手じゃないんですがね」

「ん? 何か言ったか」


 ぼそっと言われたので聞き取れなかった。


「いえいえ、怪我などしたんじゃないのかい?」

「回復魔法が使えるからな。問題ない。」

「回復魔法!?」

「ああ」

「なるほど」


 ギルドマスターは、難しい顔をしている。たぶん何か考えているんだろうが、……本当かどうか疑っているんだろうか。


「こういったことを聞くのはマナー違反なのだが、何かスキルを持っているのかい?」

「……ああ、持っている」


 なるほど、他人にスキルを聞くのはマナー違反なのか。覚えておこう。


「そうか、……どういったものか聞いても?」

「……それは答えないといけないのか?」

「いや、絶対というわけではない。冒険者の事情をあれこれ検索するのもマナー違反だからね。まあ、さすがにレベル6でオーガを倒したとなると、何らかのスキルが無いと不自然だからね。少し気になっただけだよ。」

「ふむ、なら黙秘(もくひ)ということにしておいてもらえると助かる。」

「そうか、なら話は終わりだな。……ああ、そうそう、あと受付に行って冒険者ランクをEに上げてくるといい。サレール君手続きを頼む。」

「はい」

「……いいのか? まだ依頼を5個達成していないが?」

「構わないよ。オーガ2匹を倒す腕を持っているんだ。Dランクでもいいくらいだよ。」

「そうか」

「さてと話はこれで終わりだ。わざわざ呼び出してすまなかったね。」


 そう言って、話を切り上げたので、私も立ち上がり、サレールさんに続いて部屋を出ようとする。


「あ、そうそう、大切なことを忘れていたよ。」

「まだ何か?」

「今夜、一緒に食事でもどうかね? いい店を知っているんだ。」


 無視して部屋を出た。


 その後、ギルドのカウンターにてランクを上げるための手続きを行った。


「では、こちらを」

「ああ」


 おおー、ちゃんとEランクと記載してある。あとレベルも6になってるしな。


「Eランクからは魔物の討伐依頼なども行えるようになります。ただ、Eランクに適した魔物などは東の森の奥の方にいます。北の森は、Dランク以上でないと対処できない魔物などがいますのでお勧めできません。」

「ああ、最初の依頼のときに言っていたな。」

「あとこちらは、先ほどのオーガの買取金です。」


 そう言って、金貨4枚を渡された。おお、こっちもスゲー。1日の稼ぎとしては破格ではなかろうか。採集依頼はしょぼかったけど、魔物の討伐は美味しいな。Eランクになったんだし今後は魔物を狩って行こうかな。

 地図を見せてもらうと、本当に森の奥の方だった。これは日帰りは難しいんじゃないか?パーティーを組んで数日にわたって依頼をこなすか、朝早くから出発して昼に依頼をこなして夜遅く帰ってくるか、といったところか。後者はあまり狩れそうにないな。

 あと、サレールさん丁寧な対応あざーす。これで自分が女になってなかったら「今夜食事にでもどうです」とか誘えるのにな……あれ? これギルドマスターと同じじゃないか? やべ、気持ち悪くなってきた。


 ……まあ冗談はそのくらいにして、いろいろと依頼を受ける前にちょっと戦いに慣れておいた方がいいな。オーガと戦った際に体は非常によく動いたし頑丈だったが、精神面が多分ついていけていないんだろう。相手の攻撃をかわす際、結構大げさな動作を取ってしまったしな。

 そうと決まれば、明日は東の森の奥の方に行って弱い魔物と戦っておこう。戦うということに慣れておいた方がいいだろう。


 そうして、結構いい気分でギルドを立ち去ろうとしたのだが、どこかから待ったがかかった。


「おぅ、ねぇちゃん、ちょっと待ちな。」


テンプレ街道まっしぐらです。

改めて、人を引き付ける話や初めて見る展開などを書ける他の作者さんは凄いなと感じます。

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