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着ぐるみ乙女  作者: 翠嵐
5/10

5話 命名 着ぐるみ乙女

 真君の性格が少し解ります。

 着ぐるみ乙女の意味も少し解ります。

 1頭のあざらしの背中が2つに割れて、中から後ろ姿でも、若いとわかる、全裸の乙女が現れる。



 残り7頭の背中からも、若い全裸の乙女達が、まるで着ぐるみを脱ぐかのように脱ぎ飛び出した、全裸で8人全員は、本当に楽しそうに踊りだすさまを見いってしまう。

 髪は浅黄あさぎ(薄い青)色で、全員が美少女だ。肌が透き通るぐらいに白い。

 楽しそうに、全裸で飛び跳ねる、胸もお尻も小ぶりな乙女達に見とれてしまいました。不覚。

 指の間に水掻きがある。


 あっ。ローンとセルキーだ。確かスコットランドの妖精だ、ローンが優しい性格で、セルキーが目には目をだったよな。

 セルキーを題材にした、映画も好きだったのに、10年ぐらい前の映画だったが、本を読んだのは、高校生の頃か、忘れていた、カルの説明でも思い出せなかった。百聞は一見に如かず。


 楽しそうに、浜辺で踊る乙女達を見ながら、あざらしの皮を見る。

 着ぐるみみたいな皮を隠すと海に戻れなくなり、男と結婚するんだったな。日本の羽衣伝説のように。

 あの着ぐるみを隠せば、カルとテルサに殺されます。


 自分は、勝手に着ぐるみ乙女と命名した。


 気付かれる前に、ベンチまで移動しよっと。

 落雷? 凄い音と光りがした。  

 爆音も! 火柱がでた。

 テルサか!


 乙女達は、落雷と爆音に驚き、瞬く間にあざらしの中に入り、海へと逃げていった。


 後10分あるが、2人を回収しましょう。

 あっ、大木が倒れた。


 落雷と爆音をカルでした。

 大木はテルサ。

 2人共、しょんぼりとベンチに座る。

「申し訳ありません。風属性しか使えない、私が他の7元素魔法が使えるようになったのと、魔力が3分の1で魔法が使えのに、すいません。力に酔いました」

 カルが反省の弁を唱える。

「私も、剣の切れ味と、魔力が少ない体質で魔法が使えず、憧れの魔法剣の切れ味に酔いました。森を破壊してしまいました」

「君達2人は、神様が自重してくれると選んだ人選のはず、人間族に他の種族に知られず、隠密にと巡礼で回るんだから、目立ってどうする」

「「すいません」」

「反省と謝罪は、強要すれば、悪い作用になる。自分で叱咤なさい」

「「え」」

「行くよ。今日のうちに、町で祝福と治療をするんでしょ。忙ぐよ。自分達で解決なさい。どうするかは、自分次第」

「はい」

 カルとテルサは、決意した感じがした。



 前とは、歩く速度が速く、体力が無い、カルはつらそうだ。

「2人が派手に、遊んる時に、半妖精族を見た。あざらしから裸の美少女が飛び出して、計8人、浜辺で裸のまま踊りだした。全員の髪の色は浅黄色だった。落雷と爆音で、海に逃げていったけど」

「あざらし乙女? 噂に聴く半妖精族の特徴ですけど」

 カルが息を荒げながら、答える。

「何故、覗きをしたと告白したのですか」

 テルサが疑問を問う。

「覗きは完全に偶然。2人は乙女の敵は容赦なさそうだから、一応知られせようと」

「揉め事回避ですか」

「そう、あざらし乙女とは、これから会うのだし」

「たしかに、知っていたほうが揉め事回避し易いですね」


「港町タフーが見えました」

 林が終わり、一本道の先に町並みが見える。カルが息を切らしながら、教えてくれた。



 港町タフーに入ると、住人達が、挨拶をしてくる。

 教館の見習い巡礼だからね。 

 自分は、鞘の後部が当たらないように、差し方を変える。落とし差し。柄を胸のあたりまで、もってきて、鞘の後部を下方にやり、後部が当たらないようにする。人混みの時のマナーです。気遣いの差し方分け、憧れていました。



 道具屋にて、引き換え券で、旅セットを受け取る。

 中身は、不思議な水筒3個。飯ごう1個。鍋1個。お玉1個。火打ち石 1個。寝袋3個。テント 1個。明かり魔道具 不思議な明かり 3個。合羽 3個。食器セット 3個。不思議な結界石1セットだった。



 タフーの教館前には、行列ができていた。

「私達を待っているんです。特に僧侶の治療をです。見習い巡礼は食料品か気持ちだけ払えば、格安で治療魔法に、薬草を渡しますから。田舎は、薬草師は居ても、治療魔法が使える方がいないので、物凄く並ぶそうです」 

 カルが苦笑しながら答える。


 見習いの硬貨を見せ、教館長の挨拶と祝福を受けるとお務めです。


 テルサや教館長達が、祝福と治療の列に分ける。

 自分の前に並ぶ列も長いが、カルの列も長い。普通は神官が廻るが、巫女は、人数が少ないので、人気がある。

「この者の、子供が無事に生まれ。母子共に健康であるように、安産と子供の神・ラミ様に成り代わり、祝福を授けらる。祝福を」

カルが祝福の祝詞のりとを唱える、鈴を鳴らして祝福を与える。


 自分は、とにかく本人の話しを聴く。今の医療制度では、できない事。時間が掛かるが、とにかく話し聴く。待たされる人々は、不平不満がでるが、とにかく、話し聴く。話しの中から、症状と原因を探る。とにかく、本人の話しを聴く。

 カルが終わっても自分の列は、中々減らなかった。


 魔法でも薬草でも、効き目が少ない、人達に針治療とマッサージを施す。驚いた事に。針はともかく、マッサージ治療が無い。治療魔法が発達しているせいなのか。

 針と灸は日本から持ってきた。身辺整理と遺言状作成と装備品の準備の為。家に帰してもらった。5分しか時間が経っていなかった。3日間うちに準備をして、再び召喚。腕時計はその時に、懐中電灯やパソコンは却下された。


 タフーの教館長は、自分のやり方に不満らしいが、この治療しか、自分はわからない為。現代と古流を合わせたマッサージ治療を行う。話を聴きながら、体の状態にあわせて。

 治療が終わったのは、夜の9時半だった。

 浜辺で全裸ダンスは、妖精 セルキーの伝承のままです。

 皮が隠されると、男と結婚しますが、皮を見つけると海に帰ります。

 日本の羽衣伝説と類似していると指摘されています。

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