表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
着ぐるみ乙女  作者: 翠嵐
4/10

4話 道中会話とレンタル品とあざらし乙女

 道中会話が長くなりましたが、やっと乙女登場。

 自分とカルにテルサの巡礼3人組は、教館では人目を気にして、ざっくばらんに話せなかった。

「2人は教館長に、自分の事を報告するようにと言われいるの」

「解りますか」カルが答える。

「あの人は、解りやすいから」

「解りやすいですね」

 テルサも同意する。

「シン殿、日本と言われる、地からいらっしゃいましたが、どのようなお国何です」

 カルが尋ねてきた。

「悪いね、文化レベルについては、口止めされているから、神様に」

「左様ですか」

 カルは、神様が出てきたせいなのか、引きつった笑顔で答える。

「なら、武術については、口止めされていますか」

 テルサが割って入る。

「武芸については何も、大丈夫だよ」

「なら、教えて下さい。腰に差している2本の棒は剣ですか」

「刀だね」

「かたな」

 自分は、洋服に近い見習い僧侶の服装の為。教館長に頼み、侶服と同じ赤い色のサラシぐらいの長さの布を用意してもらい、その布を腰に巻き、そこに2振りの刀を差している。会津の白虎隊をが見本。

 差し形は、かんぬき差しで、刀が水平になるように差している。好戦的な差し方。

だって、日本だと捕まるから、外で刀差して散歩したかった。憧れの閂差し。

「切るに特化した剣、包丁を長くして、頑丈にしたと考えればいいかな」

「日本の武術を教え下さい」

「日本のは、多分こちらでも、異質だと思う」

「異質」

「流儀によってかなり変わるし、細分化している」

「細分化」

「自分が学んだ3流は特に」

「3流も」

「後継者がいなくて、絶えた流儀も多く、自分が学んだ流儀も師匠が亡くなって、自分独りだけ。自分が死んだら終わり」

「終わり!」

「まあ、剣は無理だけど、無手むての合気柔術は、カルと一緒にどう」

「じゅ・・ お願いします」

「私ですか」

カルが慌てて入ってくる。

「多分、合気はこちらに無いと思うから、何事も経験」

「はぁ」

「3人で頑張ろう」

「後で考えます」

 カル素っ気ない返事。

「そ」

「話が変わりますが、神様の硬貨は初めて見ました」

「私も」

 テルサが同意。

「神様の硬貨はこれで、世界に3枚となりました。公共の所なら、入れますし。世界中の人に命令出来ます。例え国王様であってもです」

「そこまで、凄いんだ」

「はい。世界神様がくださる物ですから」

「命令に従うかどうかは、本人次第ですが」

テルサが答える。

「教館では、お金が使える所が、無かったから、使える硬貨は今日初めて見た」

「そうですね。山の中ですから、店が無いですもん」

カルが笑いながら答える。

「1マル硬貨から始まり5・50・100・500・1000・5000・10000・50000・100000マル硬貨となり。これ以上は、大商人や国家間でやり取りされる、大硬貨となります。ここらへんになると見た事も無いですが」

「良いところの、お嬢様が見た事無い。国家用だからか」

「そうですね。普通の店なら、10000マル硬貨以上だと、お釣りも無いと思います」

「へー、物価が安いのかな」

「さー、比較が解らないので。あ、海が見えてきました。」

「もう少しで、街道にでます」

テルサが笑顔で話す。

「街道に入る前に妖精の泉で、水分補給しましょう。まだ、水筒が無いですから」

カルが提案する。

「水筒や火打ち石は、港町タフーで受け取るんだよね」

「道具屋で、引き換え券と交換します」

カルが説明してくれる。

 妖精の泉に付くと、少し驚く。石で作られたベンチや机が有り、公園に近い印象を感じた。

 備え付けの水杓で水を飲み、ベンチに腰掛ける。

「あらためて、宜しくお願いします。」

自分が頭を下げると、2人は、慌てて返事を返した。

「こ、こちらこそ宜しくお願いします。世界神様からの御指名は、光栄です」

カルが慌てて返答する。

「私も光栄です。半妖精族の為に、共に頑張りましょう」

 テルサが、熱意がこもった返答する。

「テルサは、ただ戦いだけでしょう」

「はい。そうです」

 テルサが答えた。

「自分もだよ」

 自分が話す。

「え」

「色々な差別や問題に、脅威があるのに、無いものとして、天下太平を謳歌している国。連中の愚かさにうんざりしていた。半妖精族なんて、説明してもらったが、解らないし、普通は、関係ない異世界の為に命掛けないし」

「そうですね。半妖精族は私も見た事が無いです。始めに会う、ウェブ族はあざらし乙女とも呼ばれる。伝説の一族ですから」

 カルが答える。

「カルは風魔法と神命魔法が使えたよね、風魔法で結界をはって」

「はい。風よ、我らを全てのがいから、護りたまえ。風結界」

 結界を張り終わるのを確認してから。

「2人には、渡す物がある」

不思議な巾着袋から、腕時計をだす。

「神様には、許可を貰っている。日本の時を知る道具で、腕時計を2人に貸す」

 巾着袋から、赤と白の腕時計を出す。

「何です。これ」

「時間を知る道具。使い方は、夜説明するから、好きな色を選んで、とにかくしまって」

「はい」

2人は、とりあえず巾着袋に入れる。

「赤はカルに、青はテルサに」

 ブレスレットを置く。

「神様からのレンタル品」

「神様!」

2人は固まる。

「10個の魔石1つづに血を付けてから、左手首にはめて」

 ナイフで傷をつけ、血を付けてから、左手首にはめる。

「何ですか。説明が頭中響く!」

 カルが叫ぶ。

「響いてる。これ凄い武器と防具じゃないですか。神器クラス・・」

 テルサがうっとりした表情を浮かべる。自分と同類だ。

「力に溺れるな。貸し出しだから、終わったら腕時計と共に返却。」

「え~」

 テルサは心底欲しいらしい。

「試したいです」

 テルサ必死。

「私も試したいです」

 カルも小声で、懇願。

「30分だけ。時計で計るから声かける。派手にしない」

 2人は森に駆けていった。


 自分は砂浜の方に歩き、岩影の所に座り、海を眺めていると、波の中から、大型のあざらしが1頭現れる。続くように計8頭のあざらしが砂浜に上陸すると、周囲を警戒する仕草をする。


 背中を見せた1頭のあざらしの背中の皮が2つに割れ、中から後ろ姿でも、若いとわかる、全裸の女が出てきた。


 あれがあざらし乙女!

 モデルは妖精のローンとセルキーです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ