四面楚歌とはこのことか!?
宰相、ダンガード視点のお話。
ふっかふかのソファ。
毛並みのいいカーペット。
洒落たレンガ造りの暖炉。
キラキラと輝く小さなシャンデリア。
シンプルながらも重厚なローテーブル。
あ、壁にかかってる花の絵画も素敵ですね〜。
カーテンも何気にお高そう。
豪華ながらも華美になりすぎず、センスの良い応接室。
さっすが、ハウデン公爵様の別邸!!
いや〜自分も将来はこんな家に住みたいッスわ〜。
………さ〜て。
ついに目のやり場が無くなってしまった。
てか、最初から逃げ場なんて無かったですけど☆
テーブルを挟んで向かい合うように配置されたソファ。
そこには貫禄たっぷりのハウデン公爵。
白髪混じりの金髪をオールバックにし、覚めるような青い瞳は鋭い。口にはパイプをプカプカ…どこのゴッドファザーですか?
貫禄が半端ないんですが、
アレですか。
これは、死亡フラグでしょうか。
気のせいですよね☆
そんなゴッドファザーなハウデン公爵の隣には、銀の髪の優しげな青年。
名前はシオン様。
整った顔は、正にお伽話の王子様!
口は常に緩くカーブを描いていて、女性なら悩殺ものの笑顔がキラリ。
父親譲りの綺麗な青い瞳は、全然笑ってないんですが?
あれ?死亡フラグ君の席って、僕の後ろだっけ?
違くない?
ほら、屋敷の外に黒髪のいい感じのターゲットがいるから、そっち行きなよ!
その横、いわゆるお誕生日席にある一人掛けのソファには、ハウデン公爵婦人。腰まであるゆるくウェーブした銀の髪に、白い肌。儚げな雰囲気を醸しだし、瞳を閉じて優雅に紅茶を口に運ぶ姿はまさに麗人。
綺麗というより可愛らしい彼女は、とてもじゃないが男性の急所を全力で蹴るような人には見えない。
シオン様の美貌は彼女からきているのは間違いない。
本来なら、こんな場にいないはずの人物。
なのに何故いるかと言うと……僕が呼び出したから☆
あの魔王が、急に
「お前一人で行け、それから公爵と公爵婦人とシオンをひきつけろ」
とかふざけた事を言いやがった。
ひきつけるって何を?
あぁ、ハウデン公爵一家?
ハハハ、死ぬっつーの。
何の冗談?
公爵とシオン様ならまだいい。(いや、全然よくはないけど)婦人もって何だ。
公爵がベタ惚れで、他の男が婦人に触れただけで、相手を半殺したくらいなのに、呼び出すなんて自殺行為も甚だしい。
僕は自殺願望なんてありませんが?
…アレ、目がマジだ。
冗談じゃないのですね。
ひきつけるってアレか、死亡フラグをかぁぁぁ!!
なんとか落ち着いこうと、震える手で用意されたカップを取る。
情けないことに、震える手に呼応して、カチャカチャと音を立てる茶器。波打つ紅茶の表面から目を逸らせずにいると、クスリと小さな笑い声が聞こえた。
恐る恐る視線をあげると、婦人の深い藍色の瞳と目があった。
緩やかに微笑んだ彼女は、鈴が鳴るような声音で言った。
「落ち着いて?」
……女神が目の前に!!
こんな女神にならキ●蹴りされてもいいかも……
瞬間、背筋が冷えた。
み、見惚れてません!
けして、見惚れてなどいません!!
なので、睨まないで下さい!!ハウデン公爵様ぁぁ!
「……陛下も一緒だと聞いていたが?」
「と、途中で激しい便意に襲われまして…近くの町でお体を休めておられます。」
「……便意って」
はい、シオン様失笑ー。
当分これで弄られるがいいっ!
これが僕に出来る、精一杯の嫌がらせです。
「はい、帰りに拾って帰ります」
「そうか………で?」
く、空気がっ…気温が急に下がりましたがっ!?
「用とは何かね?私の妻まで呼び出したんだ…余程、重要な用なのだろうね?」
ひぃぃぃぃぃっ!!
う、後ろに、般若が見える…っ。
気のせいでしょうか?
死亡フラグ君、何でついて来るの!?
え、僕なの!?
狙いは僕なんでしょうかぁ!?
「ダッド?返事した方が身のためだよ?」
ですよねぇぇぇ!!
ニコリと笑顔が眩しいです、シオン様。
「えとっ姫君の事……っじゃなくて、ですね」
……察知しました。
触れたら殺されると。
姫君の事に触れたら、間違いなく殺されると!!
褒めてやろう!僕の直感!それは間違いない!
見て!
目の前の二人の目!
何アレ!?
超コワイ!!
「もう一度問う…用件は?」
(次答えなきゃ、殺すぞ?)
と聞こえたのは幻聴でしょうか?
もしかして、相手の心を読む超能力に目覚めたのでしょうか?
一生寝ててくれていいから!!
そんな迷惑な超能力いらないから!!
「は、はい!え〜と、ですね……」
貴方の娘サン。実は黒髪黒目じゃないですか?
…………………。
頭の中で考えた言葉に頬が引き攣った。
ムリムリムリムリィ!
あれ、ムリって言いすぎて意味分かんなくなってきた!
とにかく。
絶対言えないっ
無理だっ!
間違いなく抹殺される!!
「…どうしたんだ?デッド」
……愛称がdead(死)に聞こえるのは、気のせいですよねシオン様。
僕の名前はダンガード・ハリウッドです。
僕の愛称はダッドです!!
けしてデッドではありません!
Deadしちゃいけません!!
だが、ココで「やっぱ、何にも無いデス☆」なんて言えば、death(死)。
右見ても左見てもdeathばかり!?
四面楚歌とはこの事か!?
どうする?この事を見越してっ!?
考えろ僕!
明日の朝日を拝むために!!
どうする、どうする、どうする、どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうする………………………………………………………………………………っダメだ!
死亡フラグが目の前で反復横跳びしてやがる!!
どんどん重くなる威圧感。
あぁ!
もうダメだぁぁぁ!!
ソレもコレも、あの魔王(馬鹿)のせいだぁ!!
……魔王?
『困った時には、コレを使え……時間稼ぎにはなる』
………あぁっ!
忘れてた!!
そうだ、別れる間際に一枚の紙を渡されたんだ!!
もしや、うん、知ってます!
でも、クッシャクシャだろうがシッワシワだろうが、僕にとっては唯一の希望なんです!!
しかし、公爵達には別の言い訳をしなければっ!!
「道中、獣に襲われまして!?」
とっさに言った言葉がコレ。
…ありえねぇぇ!
自分で言っといて何だが、ありえないよ!
阿保としかいいようがない。
だって語尾上がっちゃってるもん。
疑問形になっちゃってるもん。
コッチが聞きたいよ。
だが、貫くしかない!
なぜなら、死亡フラグ君が笑顔で手招きしてるから!!
手招きしてる死亡フラグ君の後ろに、拷問器具が見えるから!!
そっちには絶対行かねぇぇっ!!
「…獣?」
「お気になさらず!!重要なのは内容です!!ドウゾ!!」
深く追求される前に逃げるべし!!
墓穴を掘る前に、強制終了。
ズイッと紙を公爵方に差し出す。
やや引き気味で紙を受け取ったのはシオン様。
よかった!
墓穴を掘るスコップは向こうに渡った!!
土の地面から石の上に避難できた!!
心の中で小さくガッツポーズをする。
後は紙の内容に合わせて会話を繋ぎ、適当な所で切り上げオサラバだ!!
紙に何が書かれてるかは知らないが…まぁ、公爵達の気をひける内容ならなんだっていい。
「「…魔王城の、女子トイレの改良と増設について?」」
………………。
のぉぉぉぉぉぉっ!!?
あ、あの大馬鹿野郎ぉぉぉぉっ!!!
コレってアレじゃねぇかぁ!!
『今日中に終わらせる』って約束した書類の一枚じゃねぇかぁぁぁっ!!!
終わってないじゃん!?
来る必要無かったじゃん!?
クシャクシャぐあいが、残った書類を慌てて隠した形跡丸だしだろぉがぁぁっ!!
しかも、よりによって何故この書類!?
どうせアレだろ!
『どうでもいいのは後で。』って横に避けといて、そのまま忘れたんだろっ!?
何が『困った時には…』だ!?
むしろ、余計に困ってますが!?
困った時こそ使っちゃいけないヤツだよ!!
便利アイテムが如く出してんじゃねぇよっ!!
アンタの四次元ポケット、虫食ってんじゃねぇの!?
すぐさま修理に出すか、アンタが修理されろっ!!
いつまでも固まってる訳にはいかない……
何とかして打開策をたてなければっ!!
どうするっ!?
どうするどうするどうするどうするどうするっ!!?
冷や汗が止まらねぇぇ!!
死亡フラグがマッハでスキップしてコッチにきてるぅぅ!!
墓穴を掘らせるために、ドリル抱えてるぅぅ!!
も、もぅダメだぁぁぁ!!
―――プツン。
何かが切れた音がした。
おそらくパニックになりすぎて、頭がショートしたのでしょう。
考える事を拒否した脳みそが伝えてくるのはただ一つ。
『貫け』
……カッコイイ事言ってるけど、早い話が『女子トイレ』の件を、話すだけですよ。
えぇ、何か文句でも!?!?
「はい、その件について、公爵様のご意見をいただきたく、今回お邪魔させて頂きました。」
「「……」」
「公爵婦人をも御呼び立てしたのは、女性用のお手洗いということで、意見を頂きたく。」
「…私で良ければ喜んで」
「有難うございます」
「……ダッド」
「何でございましょう、シオン様」
「……本当の事を言いな?」
「何のことでございましょう?」
「……目が泳いでるよ」
そりゃ泳ぎもします。
今、僕の視界はぶれにぶれて、公爵達が各五人ぐらいに見えてます。
「今年は暑いですから」
「……今は春だ」
「暖冬でした」
「………」
ハハハ。
すげぇや。
シオン様を絶句させちまったいどうしよう。
そりゃ、全部ぶちまけたい!
全部話して楽になりたい!!
…でも、事がことだけに、ただではすみません。
自分の体の中身がぶちまけられちゃう!
別の意味で楽になっちゃう!
死亡フラグがスタンバイしてるぅ!!
「以前から魔王城で働く侍女達から「女子トイレが少ない」「大きな鏡をつけて欲しい」「膀胱炎になる」など多数の意見がありまして、今回ようやく議題にまでこじつけたのですが一体どれくらい増やせばいいのか改良はどうすればいいのか等と問題は多数ありまして、最終的には侍女達の休憩時間を増やせばいいんじゃね?という案も出ました。しかしそうなりますと今度は人員不足になりそうという問題が出まして上手いことシフトを回せればいいのですが、そもそもその休憩時間中に便意を催すとは限りませんそういう事をふまえてもコレは妙案とは言えません。そこでハウデン公爵様の助言を頂きたいのです。どう思われますか?」
「「……」」
…いやまぁ、よくもこうペラペラと口が動くものだ。
人間(魔族ですが)死ぬ気になれば、何でもできるもんですね☆
ちなみに目はまだ泳いでます。
バタフライをしております。
そんな状態なのでじぶが何を喋ってるかなんて理解できてません。
とりあえず、女子トイレ増設&改良についてどう思いますか的な事を聞いたと思う。
今室内の空気は、大変微妙な感じです。
警戒してピリピリした空気はどこへやら、すごく困惑した雰囲気……
ハハハ、すげぇや。
ハウデン公爵を困惑させちまったい。
「あ〜…そうだな…」
ハハハ、すげぇや。
ハウデン公爵が返事に困ってらぁ。
そんな空気を一刀両断したのは、穏やかに微笑む公爵婦人。
「増やせばいいんじゃない?」
「え。」
そんなアッサリ。
「みだしなみは女性にとって大事だし、魔王城で働くんですもの。いろんな客人の目につくから、改良は必須。休憩を増やして、人が足りなくなって、新しい人を雇うとなると、防犯面で不安が出るでしょう?それなりに信頼のある家柄の人じゃないといけないもの。それをいちいち調べるだけ時間の無駄。金銭面で問題があるというなら、貴族出の侍女達のご家族から工面していただいたらいいじゃない。増やす量は、まずは二カ所ほど…それからは様子見で、足りないなら増やせばいいと思うわ。」
ね?とニコリと笑って締めくくる。
「「「……」」」
こ、この人すげぇっ
おっとりしてるように見えて、的確な助言…
一人で家を立て直しただけはある……
「…あの?」
呆気にとられて無言の僕達に、不安になったのか。
コテンと首を傾げるその姿は、とてもじゃないが、二児の母には見えない。
「…っは、はい!流石公爵婦人!的確な助言有難うございます。」
「お役にたてて良かったわ」
ニコリと笑う姿は、やはりめが……っ……め、目が痒いなぁ〜…
目が痒いだけなので、そんなに睨まないで下さい!
「お悩みは解決したかね?」
「はいっ!万事解決です!ありやとうございにゃしたぁ!」
あ、噛んだ。
まぁいいさ、一個の口内炎くらい大目に見てやろう。
何故こんな寛大な気持ちになっていれかというと、魔王(大馬鹿)から渡されたた小さな呪具が、ポケットの中で小さく震えたから!
これは「引き上げるぞ」という合図だ。
やった…生き延びたぁっ!!
誰か!某有名宇宙映画で主人公達が地球を救って、感動の帰還を果たした時に流れていたBGMをかけてください!
かけてくれないなら僕が歌っちゃいます!
♪ははは、はーっはんはーん♪はははん、はーんはーんはんはんはんははん♪はははっははははは〜ん♪
鼻歌かよっ!ってツッコミが聞こえる気がするが、知ったこっちゃない。
音痴と罵られようが、知ったこっちゃない。
僕は自由だぁぁ!!
さようなら、死亡フラグ!!
もう二度と合わないよ!!
「どは、コレで失礼します!本日はお時間を頂きありがとうございましたぁ!!」
そうと決まればさっさとずらかろう!
こんなおっそろしい所、いつまでも居ちゃいけない!
妹よ!
兄ちゃんは生き延びたぞぉ!!
「これはつまらぬ物ですが、お納めください!」
「あら、どぅも〜」
差し出したのは、魔王秘蔵の高級酒。
ささやかな仕返しその2だ。
「では失礼しました!」
「またいらしてねぇ」
はい!二度と来ません!!
一瞬笑顔につられて頷きそうになったが、心臓が冷えるような視線が正気に戻らせてくれた。
こんな恐ろしい所、もう来ないです!
ぺこりと頭を下げて、そそくさと屋敷をあとにする。
寿命は百年くらい縮んだ気がするし、死亡フラグとも顔見知りになってしまったが、これで魔王が落ち着く事を考えれば、苦労した甲斐があった。
何気に問題も一つ片付いたし?
一石二鳥とはこのことだ。
大事な事だからもう一度。
苦労した甲斐があった!
スキップしたい気持ちを抑えて屋敷を出ると、少し先に止めてある馬車が目についた。
アレに乗れば、今日のお仕事は終わりだ!
は?
今日の分の公務?
無理無理。
コレ以上仕事したら死ぬから。
小さくスキップをしながら馬車へと向かう。
――――プツン。
…ん?
何が切れた音だ?
僕は今テンパってないですよ?
気分は上々、至って冷静。
不思議に思いながら周囲を見渡していると、背後からスゴイ魔力を感じた。
驚いて振り返ると、そこには世にも恐ろしい光景が広がっていた。
「………は?」
え、何で?
何で、公爵様の屋敷が結界で封じられてるの?
来た時こんなの無かったよね?
いや、結界はあったけど、アレは外からの脅威を防ぐ守護結界。
今展開されたのは、悪しきモノを封じる封印結界。
いや、たしかに住人は悪しき者だったよ。
泣く子は更に泣き、鬼すらも泣きだす化け物だよ。
でも公爵だよ?
封じていいわけないよね?
いやな汗が、一筋タラリ。
気のせいでしょうか。
息がしづらい。
恐る恐る足元を見てみれば、切れた細い糸が力無く地面に這っている。
そして目の前の結界から感じる魔力は……
魔王のモノ。
ダッシュで馬車まで行き、乱暴に扉を開ける。
「あ、あ、あ、あ、あぁっ!!」
(あんたは何をしてるんですか!)
と言いたいのだが、言葉にならない。
「ご苦労だったな。早く乗れよ」
「の、の、の、の、のぉぉっ!?」
(乗れじゃないでしょうよ!?)
と言いたいのです。
この男は何を考えてるんでしょうか!?
封印!?
反乱!?あ、違う王はコイツだ……
王はコイツかぁぁぁ!!
一人言葉もなく悶える僕に対し、魔王(馬鹿)は冷静沈着。
行きしなの勢いはどうした!?
何故そんな満足げな顔なんだ!?
馬鹿なの!?
馬鹿なのか!?
馬鹿なんだ!!
「ほら、早く乗れ。急がないと、奴らが出てくるぞ」
「っ!?」
じ、冗談じゃない!?
封印を起動させたのは、恐らく僕だ。
あの切れた糸は魔王が仕掛けたモノで、切れたら術が発動するようになっていたのだ。
知らなかったとはいえ、やっちまったもんはしかたがない。
だが、彼らはソレを許さないだろうと思った。
アレ!?
死亡フラグの高笑いが聞こえる気がする!?
気のせいだよねぇっ!?
さっき、さよならしたもんねぇ!?
慌てて馬車に乗り込んだ僕。
扉が閉まったと同時に動きだす馬車。
満足げな魔王様と、その腕で眠る、天使のように可愛い幼じ…………ょ……?
ブワッと全身の毛穴が開いた。
ガタガタと震え出す体。
「へ、へ、へ、陛下?…そ、そ、そ、そのお嬢様は?」
「ん?可愛いだろう?我が伴侶だ」
や、や、や、や…やりやがったぁぁぁぁ!!
コイツやっちまいやがったぁぁぁっ!!?
この馬鹿ッ!!
この馬鹿ッ!!
このっ…バーーーーーーカッ!!
何考えてんだ!?
何も考えてないのか!!
ハッ、や、嫌な曲が聞こえる!?
コレは、井戸から女性が這い出してくる、某有名日本ホラー映画の曲じゃないか!?
え、来ちゃうの!?
きっと来ちゃうの!?
え!?うしろ!!?
ギギギと後ろを見ると、御者台に死亡フラグが笑顔で手を振る。
「ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
出発前の出来事……
「ほ、ほんとに終わってる…」
「頑張ったぞ!」
「(普段もこれくらい頑張ってくれればいいのに…)」ボソッ
「あぁん?」
「何でもありませんよぉ。ちょっと確認するんで下がっててください」
「おま…どんだけ信用ないんだよ……」
「これからの貴方次第じゃないですか?」
「きっつ!!」
「あ〜うるさい。ほら、ソファにでも座ってて下さいよ」
「なんだよなんだよ…」ぶつぶつ
――クシャ
「んぁ?」
(なんか尻の下に?―――っ!!こ、こんなとこに書類がっ!?ヤバい…苦労が水の泡に…っ!)
「どうかしましたかぁ?」
「!!べ、別に?」(グシャ)←ポケットの中に突っ込む音。
「?ま、いいか」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ちなみに、魔王様はダンガードに渡した書類の内容を知りません(笑)
一体この話はいつまで続くのでしょうか?
次回!
魔王様視点です!
ダンガードが死亡フラグと仲良くなってる頃、彼は何をしていたかのか……今、謎が明らかに!!
「もう謎解けてるぅぅ!!何ミステリー風にしようとしてんですか!?」
デッドがうるさいですね。
「ダッドだから!!Deadじゃないから!!」