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不器用な怪異たちシリーズ  作者: 瀬戸 陽子


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11/11

【本編】Ep.7 時代遅れになる呪いの古語

言葉は時代で変わるもの。

でも、呪いまで変えようとすると――

「現代人にも刺さる呪い」を目指した人形の、ちょっと切ない奮闘記です。

夜更け。

呪いの人形は、今日も小さなメモ帳を開いていた。


「……いと、あな恐ろし……いと、あなをかし……

鬼のごとくに強く……世に捨てられにけり……」


呪言である古語を

1つずつ丁寧に現代語に翻訳しながら、

小さな手で一生懸命書き写していく。


呪いの人形(小声):

「……完璧……これで現代人にも刺さる……」


その夜は満月。

呪いの発動条件は整っていた。


人形は深く息を吸い、

目を閉じて、

低く、厳かに準備した呪言を唱える。


「……え、マジ無理詰んだ……

ビジュいいじゃん………

チートすぎてバグ……オワコン!!」


………


空気は何も起こさず、窓も扉も静かに眠っている。

呪いの人形は目を見開いた。


「……効かない……?」


隣の部屋では、住人が普通に爆睡していた。


座敷童子:

「それ、もう“煽り”だよ」


呪いの人形(焦りながら):

「!?

違う……これは現代語対応呪言……!」


ふわりと光が揺れ、神様が現れる。


神様(苦悩気味に):

「それは……呪いというより……

感想文ではないか……?」


呪いの人形:

「そんな……

“メンブレする呪い”のはず……」


幽霊:

指♡(評価のつもりらしい)


呪いの人形(慌てて):

「評価しないで……!」


崩れ落ちながら、人形は呟いた。


「……呪いって……

流行に合わせるものじゃ……なかった……」


座敷童子(スマホを見ながら):

「言葉の重みって大事だよね」


呪いの人形(目を大きく開けて):

「……じゃあ……

次は……“風呂キャン”……?」


神様(即答):

「やめておけ」


幽霊:

……指♡…(わかりみが深い…)

次話:【本編】Ep.8 呪いとは

2026/3/23 20:00に更新します

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