【本編】Ep.7 時代遅れになる呪いの古語
言葉は時代で変わるもの。
でも、呪いまで変えようとすると――
「現代人にも刺さる呪い」を目指した人形の、ちょっと切ない奮闘記です。
夜更け。
呪いの人形は、今日も小さなメモ帳を開いていた。
「……いと、あな恐ろし……いと、あなをかし……
鬼のごとくに強く……世に捨てられにけり……」
呪言である古語を
1つずつ丁寧に現代語に翻訳しながら、
小さな手で一生懸命書き写していく。
呪いの人形(小声):
「……完璧……これで現代人にも刺さる……」
その夜は満月。
呪いの発動条件は整っていた。
人形は深く息を吸い、
目を閉じて、
低く、厳かに準備した呪言を唱える。
「……え、マジ無理詰んだ……
ビジュいいじゃん………
チートすぎてバグ……オワコン!!」
………
空気は何も起こさず、窓も扉も静かに眠っている。
呪いの人形は目を見開いた。
「……効かない……?」
隣の部屋では、住人が普通に爆睡していた。
座敷童子:
「それ、もう“煽り”だよ」
呪いの人形(焦りながら):
「!?
違う……これは現代語対応呪言……!」
ふわりと光が揺れ、神様が現れる。
神様(苦悩気味に):
「それは……呪いというより……
感想文ではないか……?」
呪いの人形:
「そんな……
“メンブレする呪い”のはず……」
幽霊:
指♡(評価のつもりらしい)
呪いの人形(慌てて):
「評価しないで……!」
崩れ落ちながら、人形は呟いた。
「……呪いって……
流行に合わせるものじゃ……なかった……」
座敷童子(スマホを見ながら):
「言葉の重みって大事だよね」
呪いの人形(目を大きく開けて):
「……じゃあ……
次は……“風呂キャン”……?」
神様(即答):
「やめておけ」
幽霊:
……指♡…(わかりみが深い…)
次話:【本編】Ep.8 呪いとは
2026/3/23 20:00に更新します




