第6話 新天地
移住船は着陸体制をとり、鈍い機械音と共に機内に振動が伝わった。
減速を開始し徐々に周囲の音が静かになっていった。
「エルビダ」に到着したのだ。
先に受け入れ準備をしていた、パイオニア達が両手を挙げて到着を喜んでいた。
しかしなかなかハッチが開かない事へ疑問を感じて、外部かた強制的にハッチを開いた。
最初に見た者は現場が理解できなかった。
「中里」が乗っている機体以外は誰もいないからだ。
人数をかき集めて、全ての移住船を確認していく。
しかし誰も乗っていない。400人いたはずの人々はどこへ行ってしまったのか?
移住担当官という位置付けのスタッフが集まり、協議を開始していた。何かの手違いで最初から乗船していなかったのか?その場合パイロットやスタッフ達までいないのはおかしい。色々な意見が出るなか、1機の機体を調べていたスタッフが大声で叫んだ。
「人だ!人がいるぞ!」
「中里」が発見された瞬間だった。
「中里」の姿を見た人々は言葉を失った。
確かにそれは人のような形をしているが、半身はドロドロの状態になっている。あまりに悍ましい姿をしている為卒倒するスタッフもいた。
「中里」は奇異の目で見られてることを感じ取り、言葉を発した。
「助けてください」
蚊の鳴くような声という表現がぴったりと当てはまるような細い声で「中里」は訴えた。
移住担当官の責任者が現れ、「中里」を医務室へ運ぶように指示を出した。
半透明のカプセル状になった担架のような物に乗せられ「中里」は医務室へと運ばれていく。
「エルビダ」には優秀は医療スタッフが待機している。開拓や工事により事故や慣れない環境で体調不良に対応する為だ。
医療長と呼ばれる立場の人間が「中里」と対面した。
医療長は今まで経験したことのない患者の状況に驚き、戸惑ってしまった。
「中里」は思った。
誰だってそんな顔になるよな。
絶対に完治することはないと悟ってしまった瞬間だった。




