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第3話 消失と思惑
ワープゲートを通過途中に突然それは起こった。
乗船中に移住者達が次々と消えていった。
400人いたはずの人々が忽然と消えてしまった。
ただ一人だけ残った人間がいる。
「中里」だ。
しかし無事では済まなかった。彼の右半身はスライムのように溶け出しており、転生せずとも半身スライムとなってしまった。痛みはないが悲壮感と喪失感が交差し、更に状況が不明な点が彼を不安にさせた。
彼は懸命に考えた。
しかし今までの人生に於いて、絶対的に陥らない状況だった為、思考がまとまらずパニックしている。
誰しもそんな状況に置かれれば、彼と同じ状態になってしまう。目に見えている右手は薄緑色のゼリーとなっており、右目で見える景色も薄緑色の世界となっている。
消えていった人々はどこへ行ってしまったんだ?
なぜ自分だけが残された。
この身体はなんだ?
そんな思考をループしている。
残念なことに彼ではその答えを導き出せない。
正直に言ってしまえば無駄な思考だ。
しかながら、生きる上で「無駄ではない思考」を確定することはできない。
これから彼はどうなってしまうのだろうか?
これも無駄な思考なのか?




