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第2話 異質
どれくらいの時間を待っていただろうか?
日本人地区移民者である「中里」は思いを巡らす。
彼には色々複雑な事情があり、天涯孤独の身であった。
移民に選ばれた際も、特に大きく悩む事なく参加した。現状が不満なわけでもなく、新天地に希望があったわけでもなかった。
出発のアナウンスが流れ、各々シートに座りやや不安そうな顔を浮かべる移民者もいた。しかし今更降りる事はできず、この先に起こることへ期待と希望も持つしかなかった。
移民船は静かに出発し、地球外へと飛び立った。
モニターには大地が離れていく様子が映し出されている。やがて真っ暗な景色となり、テレビや映画で見たような地球の姿がモニターに表示された。
間も無くして、ワープゲートに入るアナウンスが流れた。ゲートを通る事によって当然のことながら、太陽系からは離れてしまう。
もう地球に帰ることはないかも知れないという思いを持つ移民者が大半だった。




