改造飛行型GPSをつけられていたようです。
コツコツコツコツ…。
二人分の足音が下水道に響いた。
遠い。流石に遠いな。連れて行ってもらっている身でこんな事言うのもなんだが、この人迷ってないか?
ターリャが心配した通り、この男は方向音痴であった。さっきから同じところをぐるぐる回っているのもあってターリャもさすがに気付いた。
そんな重度の方向音痴は、「あれ、こっちだったはず…。違うな。いや、だとしても…。」と呟いている。
「…もしかしてトゥールさんて方向音痴だったりします?」
「そんなことないんだがなぁ…。」
迷ってるときに言っても説得力ないって…。
数十分迷った末、一つの足跡が聞こえた。
「トゥールさん、だれか来る!」
「おお!」
なぜか嬉しそうな奴を横目に、耳を研ぎ澄ます。
すると、何も警戒せずに大きく手を振って突っ込んでくる。
「あれ、もしかして知合いですか?」
「ああ、ギルドのメンバーだ。」
それなら「おお!!」じゃなくて先にそのことを言ってよ…。そう思ったのはターリャだけではないはず。
「この子が予知で見た子ですか?」
「ああ、紹介するよ。こいつはサダメ。うちの自慢のスナイパーだ。」
サダメと紹介された女の人がペコっと会釈する。
「私はターリャです。よろしくお願いします!」
「ターリャちゃんて言うんだな。よろしく!」
ニカっと笑う笑顔からはいい人オーラがにじみ出ていた。
「立ち話もなんだし、ギルドに帰ろう。あたしたちはギルドに住んでんだ。」
くるくるっと回り、ギルドがあるであろう方向にずんずん進んでいくサダメさんに遅れを取らないように歩いた。
「ところで。」
歩きながら雑談をしていたターリャ達もトゥールの呼びかけに耳を貸した。
「なぜ俺たちの場所がわかった?」
「私も気になってました!どうやったんですか?」
聞くと、サダメさんはニヤッと笑った。
「GPSですよ…!」
「なに…?!いつ付けた!というかそんな物を買う金あったのか?」
トゥールが驚いて思わず足を止めた。
「ちっちっち。改造飛行型GPSですよ。」
「改造飛行型GPS?」
「あたしの飛行型追尾ミサイルを改良してGPSを作ったんだよな。」
得意げにサダメさんが続ける。
「アロマが手伝ってくれてな!いっつも迷子になるから。」
相当お怒りのようだ。何回やってんだこの方向音痴…。
「そ、そんなこと言ってないで。着いたぞ。」
そこには何も無い。
「え、?」
ターリャが戸惑っているのを見てすたすた壁に向かって歩き出すサダメさん。ポチっとボタンを押した。
ゴゴゴゴゴと音を立てながら床に階段ができた。
「え…。ええ…?」
戸惑いを隠せないターリャに微笑んでサダメさんが「着いてきてください。」といって飛び降りる。
まだ信用しきってはいないが、トゥールやサダメさんは歩いているときも私に背中を見せていた。私はサダメさんに続いて床にできた階段を進んだ。




