天国?第一村人を発見したようです。
にしてもいつ死ぬんだ?
ふと目を開けると、そこは知らない野原に寝ていた。知らない花が咲いていて、ただひたすらにのどか。
空の星がはっきり見えた。こんなに平和な時間を私は知らない。少なくとも元の世界ではそのような光景は見れないだろう。ついに天国に来ちゃったかな。
今日はもういいや。このまま寝てしまおう。そうやって、ターリャはまた眠りについた。
ぴよぴよと小鳥がなき、日光で野原の草が明るく照らされる。
朝の暖かな日差しでターリャは目が覚めた。
「ん…。ここどこだっけ。」
目がまだ完全に開いていなかったが、近くにあった川の水で顔を洗った。
パシャパシャと軽快に水の音がなる。朝の冷たい空気に水がさらされ、ぴやっとした。顔をぬぐい、歩き始めると、さくさくという音が地面からなり、すうっと清らかな風が吹く。
やっぱり天国なのかな。
そう思ってしまうくらい、のどかで居心地がよく、誰もが望んだ場所だ。
こんな場所、私には合わないな。
足に何かが当たり、目を開ける。
目の前は空しか無かった。比喩ではなく、本当に。世界の端のようだ。
後ろを振り向くと住宅街があった。後ろの世界は空ではなく、ちゃんと地面があった。
「なんだこれ…。」
やっと目が覚めて世界に驚愕する。
振り返り、世界の端の空を見た。見間違えではない事を確認してしゃがんでみる。
地面はそこで綺麗に切れていて、気を抜いたら落ちそうだ。
下を覗くと、今自分が立っている地面が平たくなっていて、地球平面説をそのまま現実で見たような感じだった。
うん、天国だ。
そう確認したターリャは、住人にあいさつしに行った。
「こんにちは。さっきここに引っ越してきました、ターリャです。」
「&%$”‘^@*~」
やっぱり言葉はエルフとかがいないとわからないのか?
少ししてようやく言葉を聞き取れた。
「転移者か?ゆっくりしていってくれ。」
家で世界の端に一番近い家の住民の男性はそう言った。
ターリャは転移だと言われたこと、言葉がわかったことにびっくりしながら言う。
「え、ここって天国じゃないんですか?」
「間違える人が多いんだけどな。五年前にここが異世界だってことを天使様に伝えられて、今は転移者の保護や生活の支援をするって言うのがここの役目となったんだよ。と言っても転移者の八割はこの家に来るんだけどな。」
天国じゃないのか。そう安堵する自分とがっかりした自分が混在していてターリャは変な気持ちになった。
「ここを案内しようか?」
「あ、お願いします。」
そう言って家の住人は準備を始めた。
家を出て少ししてから口を先に開いたのはターリャだった。
「あの…。」
「どうしたんだ?」
こんな事聞いたら絶対やばい奴だと思われる…。だがまあここで勇気を出さなきゃ駄目だ。そう決心をし、ターリャは話し始める。
「つかぬ事をお聞きしますが、あなたってエルフだったりしませんかね?」
尋ねた相手は驚きを隠せずにいた。
「お、俺はエルフとかじゃなくて普通の人間だ。そっちこそ、どうやって俺らの言葉を理解したんだ?転移者は皆最初のうちは言葉の理解に苦しむのに。」
やっぱり、スキルか。心の中でそのことが確定した瞬間だった。
「やっぱり。私、実は前の世界でちゃんとスキルを見てなかったんですよね。それのせいでスキルを把握してなくて。でもそのスキルの中に言語理解みたいなのがあったのかも。」
「へえ。あ、自己紹介が遅れたな。俺はレインって言うんだ。よろしくな。」




