強制的にギルドのメンバーになったようです。
「いいんですか?ご飯食べちゃって。私部外者なのに…。」
チラチラとサダメさんの方を見てターリャは言った。
「もう部外者じゃねぇよ?」
三人とも頭にはてなマークを浮かべている。
あ、もう手続き済んでるやつだ…。そう確信したターリャであった。
三人は席についてターリャを待っていた。
「お言葉に甘えて…。」
そう言い、四人はご飯を食べ始めた。
「ターリャが正式にメンバーに加わったら冒険者ギルドからの依頼を一時的に断らないといけなくなるな。」
冒険者ギルドからも依頼来ることあるんだ。
そんなことを考えているとサダメさんが口を開いた。
「なんで大切な依頼を断るんですか?なにかあるんですか?」
「ターリャは冒険者ギルドの奴らに追われてるからな。昔のお前と同じだ。」
ターリャは副ギルドマスターの言葉に驚いて飲んでいたお茶を吹きそうになった。
袖で口を拭いながら質問する。
「な、なんで追われてることを知ってるんですか?」
ターリャが驚くのも当然だ。ターリャ自身の口からは言ってなかったし、この人たち下水道で生活しているらしいから外の情報は入ってこないはず。ぐるぐると思考を巡らせていると副マスが答えた。
「さっきアロマに調べてもらっていたんだ。予めターリャが来ることはわかってたからな。身辺調査っぽいことをアロマに頼んだんだ。」
ふんす、とアロマが自慢げに鼻を鳴らす。
こいつ意外と多才だな、と心の中で思う。私がここに来た時に遅れてきたのはそれか。納得した。
しかし、一つの疑問がふと頭に浮かぶ。
予めわかっていたってどういうことだ?ここに来る前にもそのようなことを言っていた気がするが…。
「一回目の調査では何の収穫もなくてな。出生、住所、転生者録にも記載なし。何者かわからなすぎて怖かったがいいやつで安心したぞ。」
「こいつが良いやつとかありえねー…。」
小声でアロマが言っていたのが聞こえてきたが今回ばかりは許してやろう。私の心は海のように広いからな。
「二回目の調査では指名手配犯ってことがわかった。でも良いやつだったし、濡れ衣か何かだと俺らは予想した。二回目の調査結果はターリャが自室を見てる間にアロマに報告されたんだが、驚いたぞ。」
私の知らないところでそんなことが…。
驚いていると、ターリャの横でもっと驚いている人がいた。
「ターリャちゃんて指名手配されてたの?!?!」
「え、サダメさんには調査報告しなかったの?!」
「…完全に忘れてた…!!」
ごめんなさいと謝るアロマ。見ていて面白い。
ターリャは鼻で笑った。
ターリャはご飯も食べ終わり、お風呂に入っていた。
「明日から早速任務をしてもらうぞ。お前には異世界に渡る能力があるらしいからな。それを使ってみるとしよう。」
シャワーを浴びながら副マスが言っていたことを思い出す。
「うまく使えるかな…。任務だなんて不安だな。」
ターリャの脳内にスパイ時代の嫌な記憶が駆け巡る。
顔についていた水滴がスッと流れ落ちる。
この場所に私を責める人なんていない。大丈夫だ。ターリャは顔を上げて脱衣所に向かった。




