第九十九章 集合写真 ※Ⅱの人物、設定などをここに
登場人物
王牙
主人公。異世界転生者。魔物。オーガ種。物理に特化した近接戦闘型。
シノ
ヒロイン。輪廻転生者。魔物。髑髏種。魔法に秀で、世界の根幹に迫る。
アリエス
輪廻転生者。元人間の聖女。今は聖女を超える力を持った魔物として君臨する。
タウラス
宇宙からの来訪者。自身の姿を変えられる。元悪魔と呼ばれた男。アリエスの夫。
リンキン
異世界転生者。魔物。ゴブリン種。リンセスの夫。
リンセス
人間。二つのコアを持ち魔物と人間の両方の言葉を理解できる。
ムリエル
異世界転生者。元コア付き。世界の改変の扱いに秀でている。
レオーネ
憑依転生者。裏切者。勇者の特性を持ち、主人公の王牙と敵対している。
パルテ
異世界転生者。元魔王。技術屋。この世界の法則に則った技術に長けている。
リブラ
神の代弁者。今は亡き神の代わりに世界を維持している。
レオニス
この世界を棄てた神と目される存在。自覚はなく王牙の娘として生きている。
スコルピィ
魔物の統括者。神亡き世界以前の生存者。魔物を指揮し勝利を目指す。
アドナキエル
輪廻転生者。元聖女で魔物に転生し王牙を討ちに来た。現在は人間に転生中。
マカツ
勇者。死ねないため遺骨が世界を彷徨っている。魂のレオーネと繋がりはない。
ジンバ
アドナキエルが残した魔物の体。馬、人馬、人型になれる。その他詳細不明。
転生補足
異世界転生者
異世界からの転生者。世界の改変が行える。その魂はコアの元や材料にもなる。
輪廻転生者
この世界の転生者。世界の改変は行えない。
憑依転生者
レオーネだけの特殊な転生。死なない勇者の体の特性で魂が輪廻に戻らない。
加護能力補足
聖女の加護
聖女の纏う加護。最高の性能を誇るが他者の回復は受けられない。
回復には祈りが必要であり戦闘中の自己回復も難しい。
人間の加護
神の意志が宿る加護。纏う人間によってその性能や特性が変わる。
普通の加護
誰でも使える技術としての加護。亜人やコア持ちが発生させられる加護。
魔物がこれを使うには聖女の因子やコアによる人間の擬態などの工夫が必要。
基本的に魔物では発生は出来ても使用は出来ない。
黒加護(紛い物の加護)
グリッチという世界の法則の穴を突いた不安定な加護。常に一定値を保つ。
人間一人分なら問題ないが、多くなるほど何が起こるか予測不可能。
例外
シノは世界の法則に迫り、色々な加護を扱える。
ムリエルは世界の改変を基にギリギリな仕様を探って加護を使っている。
勇者と魔王の補足
勇者
この世界の神が制作した次代の神。
魔物の王となった神を勇者が滅ぼし、神の力の継承を行った。
だが勇者はそれを拒み人間に神の力を分配した。
魔王
神の代弁者が人間の神の加護の一極化を図るために選抜した人間。
だが、人間への脅威とはならなかった。
人間に魔王城ごと封印され、同じく選抜された人間である魔王種との世界を築き上げていた。
ーーー
ここはいつもの聖王都の北の街。
人間が集結しつつある結界の塔への攻勢を見据えて準備が進められていた。
そんな中ムリエルに呼び出された俺達は街を背にした郊外に集まろうとしていた。
「ジンバよ。人間形態で噛みつくのはどうかと思うぞ」
いち早く着いた俺とジンバは積み上げられた資材の上に腰掛けていた。
そこで人間形態のジンバが俺の左手の指に噛み付いて、足もばたつかせている。馬形態の時は俺の頭に噛み付いてのしかかりながら前足を俺にぶつけていたからだ。その名残だろう。
「申し訳ありません。こうしてないと落ち着かなくて。王牙様。いつものようにわたくしを撫でまわして欲しいのですが」
それは馬形態の時の話だろうが。誤解を生みそうな表現だな。そして誤解を生む輩が現れた。
「王牙。君って奴は僕を差し置いて浮気かい?」
タウラスだ。いつもの黒い長髪と黒い肌の人間形態だ。それが黒猫に変化して俺の膝に乗ってくる。
「ジンバには負けられないね。さあ。僕の物理無効の毛皮だよ。存分に堪能してくれ」
俺はその言葉通りに指の腹で黒猫になったタウラスを撫でまわす。俺の指が噛めなくなったジンバがスカートを馬体に変えると上半身はそのままにケンタウロス形態で俺の上にのしかかって頭を噛んでくる。
「タウラス。ズルいですよ」
そこに現れたのはシスタースタイルのアリエスだ。黒猫になったタウラスを抱き上げると代わりに俺の膝に座る。身を預けてくるアリエスの頭を撫でる。
「アリエスだけズルい! 私もいいよね! ダンナ!」
その反対側の膝に座ったのはリンセスだ。青い髪と金の瞳に尖ったエルフ耳が見える。息子たちと一緒にここに来ているのだろう。いつも大変だなと頭を撫でる。
「旦那、モテモテだな」
リンセスの夫であるゴブリン種のリンキンもいる。リンセスの乗った左膝の外側の資材に座る。
「モテると言っても娘と動物だけだがな」
「違ぇねぇw オニアック教の旦那像は柔らかい素材で作らねぇといけねぇな」
そこに白衣を着た桃色女型オーガのパルテがやってくる。
「な~に~。何の話さね。王牙っちの銅像でも建てるって話?」
「ああ。旦那のゾディアック命名から取って鬼の教祖のオニアック教だ。この名を貰って旦那の膝に座ると愛が成就するっていうありがたーい二人掛け王牙像さ。全然浸透してねぇけどな」
それで納得したパルテが右膝の外に陣取る。
「あー。もうみんな集まってるじゃない。じゃあ私はお姉ちゃんとお兄さんの間で。ジンバ君。一緒に写ろ」
銀髪のレオニスがリンセスと一緒に左膝に座る。それに抱き着くジンバ。
「もう満員ではないか。しょうがない私は後ろに行くか」
赤髪のシノが俺の右肩にしなだれかかる。
「これは俺の入る場所がねぇな赤鬼野郎」
「スコルピィ。私の後ろが空いてるよ」
「ああ。今行くぜ。ただ二人掛け王牙像の恩恵が受けたかったがな」
撫で髪モヒカンゴブリン種のスコルピィが俺の左肩でレオニスの肩に手を掛ける。
「皆そろっておるな。ではポラロイドカメラを設置するのじゃ」
最後にやってきたムリエルがポラロイドカメラを空中に浮かべる。そして中央。俺の目の前に座る。
「さあ準備はいいかの? それでは行くのじゃ!」
「「「カニ!」」」
全員でピースポーズをする。その後も何枚か撮り終えると撮影は終了した。
ムリエルが世界の改変で写真をコピーしてるのを見て、俺が同じく世界の改変でラミネート加工する。
「珍しいの。汝がこういう事に関わるのは」
「フラグに関係なく、こういうものにも慣れていきたくてな。一セット余分に持って行ってもいいか? 飾っておきたい場所がある。神の代弁者の部屋にな」
「汝も不思議な男じゃな。お主がここまでこの世界を動かすとは思っておらなかったのじゃ。よいぞ。持っていけ。お主のためなら何枚でも刷ってやるぞ」
「ありがたい。こういう事はこれからも増えていくだろう。その時も頼む」
「・・・なんじゃ。お主、自分にフラグが立ったとは思っておらんじゃろうな?」
「俺はいつでもそう思っている。その捉え方が変わっただけだ。フラグがいつ起動しても良い様にな。勿論そうはさせないが」
「そうだ。お前の呪いは私が解いた。これからはなんにでも祝福するがいい。私が共に居る」
シノだ。いつも助けられるな。
「ああ。もうフラグに怯えるには数が多すぎる。気にしても始まらないからな。その全てを破壊するまでだ。その根源をな」
「まったくお前という奴は。それをするまでもないと言っているんだ。私達はもう私達だけではないのだぞ」
そうだな。この賑やかな空間で俺はそれを実感する。
俺はいつの間にか一人ではない。今はそれが心地よい。
今はそれでいい。この命が続く限りはそれでいい。
俺の転生はまだ始まったばかりだ。




