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第六十章 TS美少女(激キモ注意)

 俺が目を覚ましたのはどこかの闘技場のようだった。剝き出しの土に俺はぺたんと女の子座りをしている。その手にはレイピア。施されたレイピアが握られている。涙の跡で視界が見にくいがミニスカートとオーバーニー、それに繋がるガーターが目に入る。そして肩口も肌が露出しているようだ。そこからふくよかな胸が繋がっている。

 スケベな格好だな。とてもではないが戦う姿には見えないのだが。何かの見世物か?

 俺の予想通り俺の目の前には鎧姿で剣を肩に担いでいる大男が居る。こちらが立つのを待っているのだろう。明かにそういうショーの真っ最中なのだろうな。ただ表情も個体識別も効かない。俺は施された武器を持っているのに人間ではないのか? 歓声も言葉ではなく鳴き声のように聞こえる。間違いなく魔物の時の反応だな。

 俺が立ち上がると大男も剣を構える。これはどういう状況かわからんな。表情と言葉がわからない。男の斬撃が迫るが明かに本気ではない。得物は細身のグレートソードだが俺のレイピアでもいなせる。それというのも施されたレイピアとのリンクが使えるからだ。俺の体にも神の加護が流れている。

 やはりこの体は人間で間違いないがなぜ人間とのコンタクトが取れない? 魂が魔物だとこうなるのか?

 俺が自分の体に意識を向けるとわかってきた。これは遠隔操作だ。俺の本体である鬼の体は別にある。この前の盾に意識を移していたような感じだ。鬼の体は古城に居る。だが意識がこの体から戻せない。俺が人間になったわけではないのか。

 そうこうしているうちに大男が本気を出してくる。細身とはいえグレートソードにレイピアは相性が悪すぎる。リーチと体格差があり過ぎだ。この状態では相棒は呼べるのか怪しいな。せめてこの剣がバスタードソードであればまだ何とかなるのだが。

 するとそれに呼応するかのように施された武器が姿を変える。俺が望んだバスタードソードだ。

 まさかだが、施された武器は製造される武器ではなくスキルのようなものなのか? 相棒も言わばそういうスキルのようなものだった。全てがそうとは限らないが、施された武器が魔物に破壊できないのは物質ではないからか?

 俺は加護で体を強化すると加護を消費して武器を操る。この細腕の女の子ではこうするしかないだろう。俺は大男のグレートソードを弾くとそのまま剣を振り上げ掴んだまま加護を使って上空に浮かせる。その反動を使って俺自身も空中に飛び上がる。宙に浮いた加護の剣を支点に飛び上がるイメージだ。そのまま振りかぶり振り下ろしと同時に加護の操作で男に叩きつける。


 体の前面を切り裂かれて倒れる大男。その血を加護で防ぎながら私は剣の血糊も加護で吹き飛ばす。

 この流れる血を見ているととても美味しそう。これを掬って味わいたいのだけれど今の私は人間だ。こんなものを口にしなくても私の体は砂糖菓子で出来ている。甘くてふわふわな女の子の体。私が自身の体を抱きしめるとその華奢で柔らかな感触が伝わってくる。

 んッ♡

 魔物の時と違って体が敏感になっている。感度3000倍。そよぐ風ですら私の体を撫でまわす。

「んっ、はぁ、はぁ、んっ」

 私の声が可愛すぎて、私の声で体の感度が上がっていく。もうすでに感度5000倍♡。私は自分の目に♡が宿っているのを感じる。

 このままではマズイ。戦う前に昇天してしまう。これが本物のTS美少女。エロ過ぎる。

 私はさっきと同じように剣を振り上げるとそれを操作し空に上げる。そのまま剣に飛び乗ると闘技場を後にする。

 ここは一体どこなのだろう。そしてこの少女は一体どこの誰だ?


 私は石畳の街路を駆け抜けていた。追手に施された加護持ちが混じっている。それを返り討ちにしたけど正直助かった。コイツラが真面目に殺しに来てくれたおかげで正気が保てた。もしこれが下卑たグヘへ野郎だったら感度5000倍の体が刺激を求めて屈服するところだった。

 今もそう。汗ばんだ体を浄化で奇麗にしていたのだけれど、浄化で撫でられた体のラインが私を責め立てる。感度5000倍の下着が私を責め立てる。履いているだけで体中を拘束されているよう。もしこのラインに指を這わせたら私はどうなってしまうんだろう。その想像が私の感度を6000倍にまで引き上げる。

 切ない。私は荒い息を吐きながらお腹に手を置く。その指が、私の指が下へ向かうのだけれど違和感。これは多い日も安心なヤツ? TS美少女にそういう要素は求めてないのだけれど正直あって助かった。

 そうか今の私は転生系のTS美少女じゃなくて憑依系のTS美少女。それなのにどうしてこんなに感度が高いのだろう。転生したなら男の魂と女の子の体で相応に性欲が高まるものだけれど、憑依系ならこんなにスケベな女の子になるはずがない。なのにもう感度が高まり過ぎてスカートの裾が絶対領域を撫でるだけで昇天しそう。

 私が物陰で蹲っている間に次の追手が迫る。次も真面目に殺しに来る奴らね。私は屈服したい欲を抑えて相対する。エロいことをすれば簡単に止まるのにどうしてこんなにまともな人間ばかりなの?

 ここにも加護持ちが居たけれど、やっぱり施された武器は加護を抜いて本体を攻撃できる。それは私もそう。だけど場数が違う。あなた達は神の加護でゴリゴリ押してきたけど私はそんなあなた達を生身で相手してきたの。経験人数がそもそも違うのよ。

 もう感度も7000倍。目を閉じてもあなた達の動きがわかる。手に伝わる剣の感触が私の感覚を凌辱する。肉を切り骨を断つたびにその甘い愛撫が敏感な私の手先を撫でていく。

 もう昇天しそう♡ もういっそクッコロ♡ この感度に耐えられない♡♡♡

 そしてついに来る施されたグレートソード。太くて硬いものを誇示しながら私に迫ってくる。そんなものを持って私の命だけを狙うなんて失礼だとは思わないの? 私が欲しいとは思わないの? なんて無粋な塊なのかしら?

 私は振り下ろされた鉄塊に左手を添わせる。硬くてゴツゴツした表面が私の左手を嘗め回す。それに応えるように私は更に撫でまわす。流石に奪えはしないけど、そのリンクにノイズを走らせることはできる。

 そのグレートソードはとても重いでしょう? もう持っていられないでしょう?

 その絶望の顔が見られないのがとても残念。私は彼の首を切り飛ばす。湧き出る血の泉。それを神の加護で跳ねのける。この血の雫を一滴でも浴びれば私は昇天してしまうだろう。私の肌から滑り落ちる血の雫を想像すると私の感度が8000倍にまで増幅する。もうこの世界の全てが見える。未来も過去も。もう私は考える必要がない。感覚のままに動くだけで全てが私の意のままになる。止めるなどという表現は存在しないの。ただあなた達は私を彩るだけ。

 美しい血の雫とその香りが暴力的なまでに私の感度を高めてくる。もう感度9000倍。呼吸はもう犬のようにハァハァとはしたなく垂れ流される。私の瞳はハートに彩られその視界がピンクに染まる。でもそんなのは些細な事。目を閉じても耳を塞いで口を閉じてもこの感度の前には意味を持たない。全ての感覚が途切れたとしても私は世界を見つめられる。

 感度一万倍。

 私は、私は、世界と一つになった。


 俺が意識を失うと俺の意識が鮮明になる。

 これだとわかりづらいな。この少女が起きているときはオレの反転でレオと呼ぶ事にしよう。

 レオの意識が途切れると神の加護が消失する。俺は施された武器を鞘に納めると魔素を体に流していく。今のレオは寝ているような状況だ。俺は魔物だからその必要はない。寝ている体を魔素で動かせばいいだけの話だ。あまり体にいい影響はないだろうが加護持ちならそれなりの耐性もあるだろう。なによりそんなことを言っている場合じゃない。完全に囲まれてる。

 魔素の爪と牙はいける。後はなんだ? 翼の感覚がある。魔素の翼が出せそうだ。それも魔素体などではなく爪と同じ特殊なものだ。飛べるのなら体よりもこちらを使うべきだろう。俺は翼を展開する。

 そうか。知ってた。わかってた。

 案の定飛べる翼ではなく攻撃と防御に使える八翼の翼だ。

 なぜ魔王種の翼が人間にある。

 俺は徐々に狭まりつつある包囲網を感じながら打開策を考えていたが、この竜翼は刺さるな。壁に突き刺して自分の体を上へと飛ばす。この翼のアーム部分は自在に動き伸びる。これなら立体軌道が出来そうだ。竜翼を使う事で体に使う魔素も減らせて負担も減る。まずはこれだな。これでこの街を出る。そして古城への帰還だな。

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