92話
「瑞樹と愛ちゃんと天音ちゃんもこれればよかったのに」
「瑞樹と嶋野さんはお祖母ちゃんの家にいくらしくて、桐生さんは予定があるらしいからね」
「まぁ急に誘ったの私だし仕方ないんだけど」
「一昨日の帰りにさくらさんが急に言い出したからね」
「何その迷惑的な感じは。ねぇ鏡さん、冬くん。敬都ひどくない」
「まぁまぁ中村くんも悪気はないしね」
「なんか敬都に甘くない」
「そんなことないよ」
「中村が全部悪い」
「なんか鏡さんの僕に対してのあたりが一番強いと思うのは気のせいかな」
今日は私、敬都、鏡さん、冬くんの4人で遊びに来ている。
瑞樹と愛ちゃんと天音ちゃんも誘ったが予定があるなら仕方がない。
別にグループというわけではないが、なんとなく7人でいる時間は楽しいと思っていて、自然にこのメンバーを誘ってしまっている自分がいる。
まぁ敬都は半分ぐらい強制でこさせているんだが
今日のことも...
「今度の土曜日開いている?」
敬都は少し考えると。何かを思い出した顔をする。
「あ~。欲しい漫画の新刊が発売する予定だから本屋に行こうかなと思っていて、あとはゲームしようかなと」
「OK。じゃぁ参加ね」
「何が?!」
敬都が驚く。この表情を見るのは最近好きだ
「遊びに行こうと思って」
「今僕予定あるみたいな感じじゃなかった?」
「えっこないの?」
「それは」
「こないの?」
「きます...」
「だよね」
この最後の折れるところあたりが敬都の可愛いところでもある。
本当に嫌そうなときはタイミングをみて引くようにしているが
だいたい敬都は参加することが多い。
他の二人も誘ってみると予定がなくて今である。
私はこのメンバーで遊ぶ予定になって二つのことを考えていた
・冬くんと一緒に買い物をする
・鏡さんを敬都と2人きりにしてあげる
なんか最近冬くんに対するリスペクトがどんどん膨らんでいて「可愛い」を勉強させてもらっている感じだ。前に一緒に買い物した時に楽しかったから今日は2人で買い物をしたいと思っていた。
敬都とか全く興味がないだろうから。
でもこれは今日のメインではない
今日のメインは二つ目の鏡さんと敬都を二人きりにする
前に鏡さんと話した時に鏡さんは敬都のことが好きだということが判明した。
最初は驚いたが今となっては応援したいと思っている。
私も一時期敬都のことを取られたと思ってモヤモヤしたような気がしたが
改めて考えた時に「男子」というより「弟」みたいな印象の方が強くて敬都に対する想いが恋愛的な愛情よりも家族的な愛情の方かなと再確認できた。
だから今日は鏡さんを応援しようと思っていた。
「とりあえずららぽーといこうか」
私はこの辺ではなんでも揃っているららぽーとにいくことにした。
私たちの住んでいるところでは、だいたいここに来れば何でも揃うし遊べる場所だ。
「まずはどこから行く?」
「僕はアニメイトと本屋にいきたいかな」
「私も行きたい」
鏡さんが敬都に続く
「冬くんは?」
「僕はコスメみたいかな」
「早速行先がっつりわかれているな」
「まぁこのメンツだったら仕方ないね」
誘ったのは私だけど、必然的にこうなるのは仕方がないことだ
「それだったら一旦それぞれ分かれて1時間後の昼ごはんの時に集合するでいいかな?」
「「「OK」」」




