79話
「本当にこれからいかないといけないのかな?ゲームしてたいよね」
「まぁな。でも昨日さくらさんにも苑田くんにも顔出すっていったからなぁ」
「さくらさんに関しては強制イベントみたいになってたけどね」
「最近のさくらさんの圧すごくなってきたよね」
「遠慮がなくなってきた感じだね」
「まぁ今まで遠慮していた部分があるみたいだったから、本来のさくらさんが今の感じなのかもね」
「僕は今のさくらさんの方が楽しいけど」
「俺もそう思う」
週末の朝10時からぶっ通しでゲームしていた俺と敬都。
軽く昼ご飯を食べてまたゲームをしているとグループラインが届く
「16時○○ファミレス集合」
送り主はやはりさくらさんだった
「いくか」
「そうだね」
俺たちはさくらさんから指定されたファミレスに向かった
「瑞樹こっち!!」
ファミレスに入るとすぐにさくらさんたちを見つけた。
見つけたというよりは目立っていた。
愛とさくらさんと桐生さんと鏡さんにプラスして今日もオトコの娘として仕上がっている美人な苑田くんがそこに座っていた。
端からみたら美女集団で周りから注目を浴びていた
「みっちゃんはこっち」
「ありがとう」
俺は愛と桐生さんの間に座る
敬都は反対のさくらさんの隣に座らされてる
「それにしても、苑田くんだよね?わかっていても疑ってしまう」
「わかる。なんかこの前会った時よりも雰囲気変わっていない?」
「ふふふ。それは私たちと一緒に買い物したからだね」
「はい。みなさんのおすすめのコスメや洋服を選んでもらっていたらこんな綺麗になりました」
敬都の言う通り、苑田くんの印象は前に会った時とは変わっていて
前回までは「可愛い」が強かったけど、今日は「綺麗」や「美人」な印象が強くなっている気がする
多分メイクよ言うよりはファッションの方だと思う。
「私たちも勉強になったから感謝したいぐらい」
「苑田くんのコスメの知識は私のオタク知識並みにすごい」
桐生さんと鏡さんも苑田くんのことを絶賛している
「はぁ~。楽しかった」
「それはよかった。私たちも楽しかったよ」
「よかったです。初めて同級生の女の子と一緒に買い物しました」
「そうなの?今まではどうしていたの?」
「姉さんたちと買い物することはありましたが、同級生の友達には僕がこんな格好していることは黙っていたので」
「そうなんだ」
「はい。だから僕としては楽しかったと同じぐらい驚いている部分も大きいです」
「驚いている?」
「はい。みなさん僕がこんな感じだと知っても全く変わらずに接してくれることが」
「苑田くんは苑田くんでしょ」
さくらさんはそう言っているけど、実際は俺たちはスムーズに順応できた方だと思う。
もっと偏見を持っている人からしたら別の意見が出てくるだろう。
実際苑田くんも俺とゲームセンターで2回遭遇しなければカミングアウトしていなかったと思う。
「ありがとうございます。でも誰かに言いたかったんだと思います」
「それがたまたま瑞樹だったってことだね」
「はい。2回も遭遇するなんて偶然ないですし、1度出会って教室で出会ってもう一度同じ場所で会うなんてすごいじゃないですか?」
「まるで運命だね」
「みっちゃんの運命の相手は私だから」
さくらさんの言葉になぜだか愛が反応する
きっとそこは張り合うところではない思う。
「愛は少し黙ってね。ごめん苑田くん続けて」
俺は話を苑田くんに戻す
「自分でもそのシチュエーションに舞い上がってしまったのか言ってしまった感じかな」
「そっかぁ。私としては本当の苑田くんと仲良くなれて嬉しいよ」
「ありがとうございます。でも逆にみなさんは僕に対して聞かないんですか?自分でいうのもおかしいですが僕の趣味は人とは違いますし気になるとは思うんですが」
「気になるか気にならないかで聞かれたら気になると思うけど、それは苑田くんが話したいと思った時で私はいいと思っているよ。話したくないなら話さなくていいし。」
「俺も無理して話してほしいとは思っていないよ。苑田くんが話さないから友達じゃないみたいなことは言うつもりないし」
「正直、この話をするのはいいんです。ただ少し重い部分もあるので雰囲気暗くるかもしれませんが聞いてくれますか?」
「もちろん」
さくらさんは即答する。
他のみんなもそれに続いて頷く
「みなさん。。。。わかりました。」
そして苑田くんは自分の過去について話してくれた




