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71話

夏休みが終わって今日から新学期が始まる

愛の引っ越しが終わった後は、お祖母ちゃんに会いにいったり、愛の新しい部屋の片づけをしたりと忙しくて気づけは夏休みも終盤になっていて、俺たちは残っていた宿題を急いで片付けた。

さくらさんたちも宿題が残っていたらしく、最後の方はうに集まってみんなで勉強した。

愛の表情もお祖母ちゃんが倒れる前のように明るく戻って、その表情をみるだけで安心している自分がいる。

それと引っ越し以来、夜ご飯の食卓には愛が座るようになっていた。

最初の方は遠慮気味だった愛も、途中からは割り切れたのか一緒にご飯を食べている。

律儀なのが、引っ越して次の日には最初に話していた食費を母さんに渡していた。


「いつでもよかったのに」


母さんはそういっていたが


「こうゆうのはちゃんとしておきたいです」


愛はそういっていて母さんは笑っていた


お金の面をちゃんとしているのはいいことだよと横で父さんも笑っていた


引っ越しが終わりお祖母ちゃんのところにも2回ほど顔を出した。

やはり記憶は戻っておらず、愛のことは覚えてはいなかった。

しかし、愛は笑顔のまま「お祖母ちゃんの孫の愛だよ」というところから始めて話しかけるようにしていた。

愛になんか吹っ切れたの?と聞いてみると


「夢でね、お祖母ちゃんが会いに来てくれたの。それが現実だったのか、夢だったのかはわからないけど、待っているねといってくれたから私はできるだけおばあちゃんに会いに行こうと思って」


「そっか」


「うん。それに今起きている現実を受け入れなきゃ前にも進めないしね」


「強くなったんだね」


「みっちゃんとみんなのおかげだよ」


「それならよかった」


自分がどれだけ力になれたのかはわからない。

実際今回のことも自分のやれることはやってきたつもりだけど、母さん父さんやさくらさんたちの力があってこその現在だと思う。

今でももっとやれることはあったかもしれないと考えることはあるけど、今の愛を見ていると俺ももっと成長しないとなと改めて思った。


そして俺たちにとっていろんなことがあった夏休みが終わって今日から新学期である

家が真横になったのもあり、愛が俺の家に迎えにきた



「みっちゃん学校行こう」


「うん」


愛が家に迎えにくるなんて新鮮だし贅沢だなと思う。

夏休み一緒にいて忘れがちになってしまっているが、愛は学校ではまだ才色兼備の完璧な女の子で通っている。

ただ、最近は俺と付き合っているのがばれていたり、さくらさんたちと一緒にいたりして、今までみせていなかった愛をみんながみていて

最初のころに比べて周りから見られている印象が変わっていると思う。

愛も元々は才色兼備の完璧な女の子という肩書は自分から求めていたものではないからこそ、この変化はいい方向に進んでいるといっていいだろう。


「なんかみっちゃんの家に迎えにいってから学校に一緒に行くの新鮮だね」


「そうだね。今までも一緒に学校には行ったことあったけど、こんな最初から一緒に行くのは初めてだから俺も嬉しいよ」


「へへへ。それならよかった。みっちゃん手繋いでもいい?」


「恥ずかしくない?」


「ダメ?」


そんな可愛い顔でお願いされたら断る選択肢はない


「いいよ」


「やったぁ」


あの一件以来、愛は手をつなぎたがるようになった。

俺も嫌ではないんだが、外で手を繋いでいると視線が気になるのはある。

まぁ手を繋いでこんなに幸せそうな彼女の横顔をみれるなら、俺のこんなちっぽけな羞恥心なんて捨ててしまっていいだろう。


「愛ちゃん、瑞樹おはよう。朝から仲良しだね」


教室につくとさくらさんと敬都と桐生さんと鏡さんも席に座っていた


「おはよう。さくら」


「一昨日みんなで宿題したからそんなに久しぶり感はないけどね」


「その件に関しては本当にお世話になりました」


「私もどうお詫びをすればいいのか」


敬都と鏡さんは宿題が結構残っていた組で、最後まで桐生さんとさくらさんに厳しく指導されていた。

俺はあと少し残っていたのを愛と一緒に終わらせた


「いいってことよ。それなら今日の放課後ゲームセンターいかない?そこでUFOキャッチャー奢ってよ」


「僕は放課後予定ないからいいけど」


「私も大丈夫」


さくらさんの突然の提案に鏡さんも慣れたのか普通に行く返事をしている。

敬都は違和感なく返事している

まぁ俺たちも予定ないし、桐生さんも予定はないらしく放課後みんなでゲームセンターにいくことになった。

友達と放課後ゲームセンターみいくなんてリア充イベントを俺たちがしているって考えると俺も敬都も陰キャから進化しつつあるのかもしれない。

あの海以来敬都とはそんなに話していないけど、なんか面白いことはなかったのだろうか。

海の時の鏡さんんことを守っていたり、鏡さんの水着を褒めているところなんて普通に主人公みたいになっていたし、鏡さんも少し顔が赤くなっているように感じたんだけどな

人の恋愛に口を出せるような恋愛経験を踏んでいるわけではないから口出しはしないけど。

敬都が誰かと付き合うなんてなったら正直めちゃくちゃ嬉しい。

さくらさんも敬都のことは気にしてくれているし、敬都には幸せになってほしいなと思う


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