56話
結論から言うと、俺たちの男女逆転コスプレカフェは売り上げで学校1位をとった。
しかも圧倒的だったらしく、学校NO1の嶋野愛の宣伝効果はものすごかったらしく、それに負けず劣らずのさくらさん桐生さんや猫耳コスプレの小さい女の子目当てのお客さんが最初から最後まで満席だったらしい。
途中愛と桐生さんが抜けている時間はさくらさんと猫耳つけた女の子がフル稼働で働いていたらしい。
俺たちが屋上から戻った後のクラスは廃人のようにみなつかれてきっていた。
特に猫耳をつけた女の子こと鏡さんは風前の灯火になっていたが、愛の登場によりHPが回復したらしくいつもの鏡さんに戻っていた。
「敬都お疲れ」
「瑞樹もお疲れ~。二人がいなかったから僕たちは死に物狂いで働いたよ」
「なんかごめん」
「俺よりさくらさんと鏡さんがフル稼働していたけど」
「さくらもお疲れ」
「お疲れ~~~。私はやり切った。私はやり切った。私はやりきった」
あれさくらさんの目が死んでいる
「よしよし。さくらはやり切ったね」
「ありがとう愛ちゃん。私の頑張りをねぎらって」
「よしよし~」
弱っているさくらさんも可愛いな。
愛にすりすりしているさくささんの最高の画をみてクラスのみんなが復活した。
そしてみんなで撤収作業をして体育館にあつまり生徒会長から結果が発表されて1位が俺たちのクラスだった
「やったぁやったぁ」
一番喜んでいたのはさくらさんだ。
こうゆうときに素直に喜べるのもさくらさんの素敵なところだ
「よっしゃぁ~~~~~~」
突然隣から大きい声が聞こえたと思い振り返ってみると敬都だった
「中村ってあんな大きな声がでるんだ」
「中村もがんばってたもんね」
「なよなよ男と思っていたけど、意外に男らしい?」
敬都に対する評価もこの文化祭を通じてだいぶ変わったと思う。
最初はさくらさんに無理やり指名されたところから始まって、正直敬都の性格的に心配な部分もあったけど、心配したのは本当に最初だけで、いつの間にかクラスの女子とも普通に話せるようになっており、終わってみれば評価はかなりうなぎ登りだ。
元々頑張り屋さんだなと思っていたけど、今からすごく人気がでてきそうだな。
「見事に1位もとったことですし打ち上げするぞーーーー!」
「「「おーーーーー」」」
さくらさんのテンションについていくクラスメイトたち
「もちろん愛ちゃんと瑞樹も参加するよね?」
「いや俺は。。。」
「参加するよね?」
「はい」
最近さくらさんの圧の怖さが増しているような気がする
「瑞樹あきらめよう」
「そこには先ほどのハイテンションとは真逆のいつもの敬都がいた」
「敬都は参加する?」
「不参加でいけるわけないでしょ」
「そうだね・・・」
敬都もさくらさんの圧にやられたのだろう。
俺たちに怖い圧をかましたさくらさんはそのまま鏡さんのところに行き俺たちと同じ圧で鏡さんに迫り、鏡さんも参加することになった(強制)
打ち上げの場所は、最初から決めていたらしくカラオケだった。
カラオケにくるのなんて何年振りだろう
カラオケに入ってすぐに陽キャのクラスメイト達が歌い始めて打ち上げがスタートした。
こうゆうクラスのイベントの打ち上げに参加するのは初めてだが、漫画やアニメでみた光景と同じような感じになっている。
単純に積極的に歌う陽キャと端っこに固まる陰キャ。
陽キャは皆歌に合わせてノリノリだが、陰キャは一生懸命歌を聴いている人、携帯を見ている人、無になっている人と様々だ。
俺と愛と敬都と鏡さん同じ席でドリンクを飲みながら陽キャの歌を聴いていた
「鏡さん大活躍だったらしいね」
「なんであんな猫耳で男は喜ぶのか全く理解不能だった」
「それは鏡さんが可愛いからなんじゃないかな」
「ふん。あんたにいわれも嬉しくないわよ」
「ごめんごめん」
敬都のナチュラルな誉め言葉に若干のテレが出てしまっている鏡さん。
しかし、あんな「可愛い」を自然にいってしまう敬都は大物かもしれない。
俺なんてやっと今日愛に「好き」とライブの終わったテンションで言えたぐらいだ。
こいつが陽キャみたいになったらモテモテになるんじゃないかと思ってしまった
「でも鏡ちゃん可愛かったよ」
敬都の次に愛が鏡さんをほめる
「えっ!!ほんとですか?」
「なんか僕の時と反応違うくない?」
「当たり前でしょ。あんたみたいな陰キャに褒められるのと愛様に褒められるのでは雲泥の差よ」
「ほんとだよ。私猫好きだから鏡さんの猫耳姿は単純に好きだったよ」
「私一生猫耳で過ごします」
「極端だな」
「松岡、あんたの彼女天使でしょ」
「それは否定できんかも」
「みっちゃん褒めすぎ」
「いや本当だから」
「へへへ」
「悔しいけど松岡と一緒にいるときの愛様が一番可愛い」
「それは私がみっちゃんのことが大好きだからだよ」
ズキュン
愛の笑顔を言葉に俺たち3人は心臓を拳銃で撃たれた感覚になっていた
「みんな楽しんでる?」
さくらさんが俺たちの席に戻ってきた
桐生さんを連れて
「瑞樹と愛ちゃん、桐生さんといつの間に仲良くなっていたの?」
桐生さんと俺たちが話しているところをみたいたのだろう。
確かに急に俺たちが桐生さんと話し出したら驚くだろうな
「遊びに行っているときにたまたま会って話したのがきっかけかな」
「うん。二人が歩いているのをたまたま見かけて私から話しかけたんだ」
流石に桐生さんが歌っていた路上ライブを俺たちがみていたなんて言えるはずもなく、それとない理由をさくらさんに話した
「なるほど。なら私とも仲良くしてね桐生さん」
「もちろんだよ春乃さん」
「固い固い。私のことはさくらでいいからね天音ちゃん」
陽キャのカーストは距離の詰め方が半端ない
ガードが堅そうな桐生さんの懐に容赦なく入っていく
「わ、わかったさくらさん」
「さんはいわらないけど、今はそれでいいや」
「おう」
おそらく桐生さんもさくらさんの距離の詰め方に動揺しているのだろう
返事が男の子みたいになっている
「そうだ!!」
さくらさん以外???になっている
「せっかく仲良くなれたんだからこの6人で夏休みにどこかにいこう」
どこかにいかない?じゃなくてどこかにいこう!!と断定的な提案になっていることをさくらさんは気づいているだろうか
陰キャ 俺 敬都 鏡さん
昼間 桐生さん
どっちだもない 愛
陽キャ さくらさん
ただ一人の陽キャの断定的な提案を断れるわけもなく夏休みに6人で遊ぶことになった
詳細はさくらさんが追って連絡するそうだ
さくらさんの行動力には頭が上がらない
打ち上げも無事に終わり
俺たちのクラスの文化祭は終わった
「みっちゃん今年の文化祭楽しかったね」
「人生で初めてちゃんと文化祭に参加したって感じかも。打ち上げまで参加するなんて前の自分からしたらあり得ないと思う」
「私も帰っていたと思う。今年はみっちゃんがいたから参加したし」
「でも実際に最後まで参加してみると楽しいなと思ったのも事実かな」
「私もみっちゃんと同じ気持ち」
「また来年も一緒に回れたらいいな」
「回れるよ。私はみっちゃんから離れないから」
「ありがとう。俺も愛とずっと一緒にいるよ」
「ふふふ」
「来週から夏休みだな」
「今年の夏休みはたくさん一緒にいようね」
「もちろん。予定立てなきゃね」
「楽しみだ」




