53話
「みっちゃんいこうか」
「そうだね」
SHK(嶋野・春乃・桐生」効果もあり大盛況だった俺たちのクラス。
大繁盛だったのもあり時間が過ぎるのはあっという間で俺と愛の仕事は終わり、午後からは自由時間になった。
文化祭が始まる前から約束していた愛と一緒に文化祭デート。。。改めて学校の中を二人で歩くのは視線やらなんやらで緊張するというのは内緒にしておこう。
「みっちゃん文化祭楽しい?」
「思っていた以上に楽しいかな。途中気持ち悪いお客さんいたけど」
「大丈夫だよ。またあいつが現れても私が潰すから」
一つ一つの言葉が怖いのは気のせいだろうか
確かにあの時も愛に守られたけど「お客様殺しますよ」って普通にいっていたのだが。
美人に「殺しますよ」とか言われたら恐怖しかないよね。
俺だった夢に出てくるぐらいのトラウマになっているかも
「あ、ありがとう」
「へへへ」
愛がご満悦ならそれでいいか。と考えることをやめた
「それで今からどこにいく?」
「どこって感じもないけどみっちゃんはいきたいところある?」
「俺も特にはないけどお腹すいたから何か食べたいな」
「私もお腹すいたからそれでいい」
流石文化祭に力を入れている学校で、出店の力の入れ方はすごかった。
たこ焼き、お好み焼き、焼きそばみたいな王道メニューからピザ、ケバブ、ハンバーガーまであった。
ピザとケバブはどうやって作っているのだろうと思ったが何か方法があるのだろう。
後から聞いた話ではうちの学校の敷地に「ピザ窯」があるらしく。調理班がピザを窯で焼いて配達班が教室にもってきて接客班が配膳するような仕組みだったらしい。
ピザ窯は前の校長先生の趣味だったらしく、撤去にもお金がかかるからそのままにしてイベント時には申請を出せば使えるようになっているらしい。
「どこのお店も美味しいね」
「学校の文化祭のレベルじゃないよね。もはや祭りとかで出店している出店よりもレベルが高い」
「でもお祭りよりも安いから学生のお財布に優しい」
「そうそう。だから満足度はこっちのほうが上かな」
「楽しいね」
「そうだね」
「私はみっちゃんと一緒に回れているだけで楽しい」
「俺も愛と回れて楽しいよ」
「へへへ。幸せだね」
「幸せだね」
自分でも幸せボケしているなと自覚する会話をしていると
「先輩!!」
後ろからだれかに呼ばれた
「俺?」
「ハイ!!」
「えっと。。。」
振り返ってみるとそこには見覚えのあるようなないような女子中学生が立っていた
「美容室でお世話になった西村まどかです」
「あっ!!西村さんだ。私服と制服で印象代わるからわからなかったよ」
「よく言われます」
「そういえばうちの高校受験したいっていっていたもんね」
「はい。私も先輩たちみたいに楽しませる側になりたいです」
「楽しむ方が楽でいいと思うけどな」
美容室B&Kの職場体験でお客さんとしてきていた西村さん。
あの時は私服で少し幼く見えていたけど、制服を着ている姿は私服よりも大人びており最初気づけなかった
「みっちゃんこの子は?」
「職場体験のときにお客さんできていた西村さんでうちの学校に興味があるんだって」
「ふ~ん」
あれ、なんか威圧的じゃないかな
「先輩。この人が先輩の彼女さんですか?」
「そうだよ」
「そうですか。先輩にお世話になった西村です。今後もよろしくお願いします」
「嶋野愛です」
あれ、西村さんも愛に威圧的じゃないかな
「まどか、早くいかないと間に合わないよ」
「そうだった。先輩またお会いしましょう」
「うん。そんなに急いでどこにいくの?」
「文化祭と言えばライブに決まっていますよ。なんか今日出演する方歌がうまいらしいです。SNSに映像が回っていて話題になっているんです」
「そうなんだ」
「先輩たちもみるならはやめにいかないと体育館に入れなくなりますよ」
「ありがとう」
「では。嶋野さんもさよなら」
「バイバイ」
西村さんとお友達は急いで体育館に走っていった
後ろ姿だけでも若いなと感じているのは俺が老けたからだろうか
「そにしても西村さんに対して威圧的だったのは気のせい」
「気のせいだよ」
「そう」
これ以上深く聞くな。と言われているような気がしたからそれ以上は聞かないようにした
「俺たちもライブいく?」
「ご飯も食べてすることもないからいこうか」
「でも、SNSで話題になるようなバンドがうちの学校にいたっけ」
「私SNSとかやっていないからよくわからない」
「まぁいってみればわかるか」
「うん!!」
体育館にいくと西村さんの言っていた通りすごい人の数になっていた。
うちの学校の生徒じゃない学生さんもたくさん来ていて想像以上の人の数になっていた。




