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48話

「おはよう」


「おはよう、昨日のことは内緒ね」


「わかってる」


路上ライブをみた翌日の朝、桐生さんから挨拶されて挨拶を返した。


「おい、松岡のやつ桐生さんから話しかけられているぞ」


「嶋野さんと春乃さんだけでなく桐生さんまで」



一見日常の光景としては問題はないはずだが、陰キャがクラスでNO3と言われている桐生さんに挨拶されている光景は他の男子からしたら嫉妬の対象になるのだろう。

久しぶりに刺さるような視線を浴びている


「瑞樹、いつから桐生さんと仲良くなったの」


「仲良くなったというか、昨日の放課後話す機会があったから挨拶してくれたんじゃないか」


「ただ話しただけ?」


敬都は何か疑っているようだ


「愛も一緒にいて3人で話して帰りに3人で連絡先も交換したんだ。別にやましいことなんかないぞ」


「瑞樹のラインに入っている女子の連絡先って嶋野さん、さくらさん、桐生さんってことだよね?」


「母さんと真紀もいるぞ」


「それは家族だろ。他の男子にはこのことは内緒にしておいた方がいいと思うよ。そのうち刺されるかもね」


「怖いこと言うなよ」


「まぁ気を付けな」


敬都が不気味なことを言い残して去っていったが、よくよく考えてこのTOP3の連絡先をもっているのは確かに危険かもしれない。できるだけ穏便に生きていこうと決めた



この学校は行事ごとに対する熱量が生徒以上に学校が熱い。

文化祭までの1カ月間は毎日1時間ほど準備時間に充てられる。

だいたいのクラスはこの時間で準備を間に合わせることができるが、意見が割れるクラス、やる気がないクラスは時間を有効活用できずに放課後や休みの日の時間を献上してやる気のある生徒だけが頑張るという闇の部分もある。

俺たちのクラスの雰囲気は悪くないと思う。

さくらさんと森田が中心になって決めることをしっかり決めて準備の段取りをしている

俺と愛は衣装班に入って管理職を任された敬都の元で頑張ることになっている。

敬都はというと不慣れ感はでているが、さくらさんと一生懸命段取りをしている姿は応援したくなる。


さくらさんとの話し合いが終わり敬都が話し出す


「みなさん、改めまして衣装班の管理的な役割をさせていただきます中村です。こうゆう場には不慣れで至らない点もあると思うんですが、よろしくお願いします」


衣装班から拍手が起こる


「私は自己紹介はいらないと思うけど、中村くんのフォローをしていくので、中村くんに言いずらいことがあったら私にいってきてください」


「そんなこといったらみんな春乃さんにいうんじゃない?」


「できるだけ中村くんに頼ってください。頼りないかもだけど」


「もっと頼れないよ?」


今度は衣装班に笑いが起こる。

出だしとしてはいい感じである。

しかも女子の方では


「中村ってあんなキャラなの?」


「意外に面白いのかな?」


「思っていた以上に明るいね」


ネガティブな声よりもポジティブな声があがっている。

元々敬都の性格は明るい方だと思う。

ただ、どちらかというと人見知りで引っ込み思案な性格が陰キャのイメージを作っているのだろう。

その後、衣装班は一人ずつ自己紹介して役割分担をした。

俺と愛は敬都の補助で資料集めをすることになった。

他の生徒は実際に制作の方にとりかかる準備をしていくことになった


「とりあえず制作するにしてもどんな衣装を作るのかが決まっていないからデザインとして書き起こす作業をしてもらって、その間俺たちは図書室で資料を集めてきます」


俺と愛と敬都は図書室に向かった


「お疲れ、上手くやれてるじゃん」


「中村にしてははきはき話しているしね」


「いっぱいっぱいだよ。昨日の夜に今日の流れをさくらさんとラインしていたから今日はスムーズにやれたって感じ。昨日の打ち合わせがなかったらスムーズにはやれなかったと思う」


「へぇ~」


「何だよ」


「夜にさくらさんとラインするような仲になっていたんだ」


「さくらって男の子とラインしているイメージないけどな」


「たまたまだよ!!俺のことが心配でラインしてくれているだけ」


「さくらさん怒らせないように頑張れ」


「さくら根に持つタイプだからね」


「なんで二人とも怒られる前提で話すの」


「「「はははは」」」



「資料ってどんなのを探せばいいの?」


「そうだね。とりあえず王道のメイド服から探してみて、あとは和装とかも一緒に調べていいかもね。俺たちのクラスはメイドカフェじゃなくてコスプレカフェだから、メイド服にこだわる必要はないと思うんだ。この前の話し合いではメイド服一択みたいなテンションになっていたけど」


「確かに。俺も自分で意見したけど勝手にメイド服のイメージが強かったかも」


「まぁこれもさくらさんの意見なんだけど」


「さくらさん優秀か」


「さくらは優秀だよ」


「愛のさくらさんの評価かなり高いね」


「みっちゃんの次だね」


「いや、さくらさんより優れているとは思わんな」


「みっちゃんは私の中でオンリーワンだから」


「ありがとう」


「そこの二人、ピンク空間造らなくていいから。資料探して」


「「はい」」


資料を探すために図書室をみていると、思った以上に衣装関係の本は置いてあった。というか考えたことがなかったけど、学校の図書室ってこれだけの本が無料で借りれるて考えたらすごいな。

俺たちはコスプレカフェに使えそうな衣装の本をいくつかそろえて借りて教室に戻った。


~敬都side~


教室に戻ると他の生徒たちのデザインも進んでおり、特に立花さんと村山さんは積極的に作業を進めており、デザインも何枚かあがっていた


敬都が二人に話しかける


「立花さんも村山さんもすごく上手に書けているね」


「ありがとう。私たちも衣装班になってから二人で画像とかみたりしたから」


「2人には制作の中心になってもらいたいんだけどいいかな?」


「私たちでよければ」


「ありがとう」


「鏡さんはどうですか?」


続けて隣で携帯をみている鏡朱里さんに話しかけた


「えっ?」


鏡さんは急に話しかけられて驚いた様子だった


「えっ?」


そして僕は鏡さんが持っている携帯の画面がちらっとみえて驚きの声をあげてしまった

なぜなら、そこにうつっていたのは先日さくらさんに聞いていた嶋野さんの熱烈なファンのアカウント名と同じ名前のアカウントの画面だった











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― 新着の感想 ―
[一言] まさかの女子 あの感じだとあと2人位いそう
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