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クラスで一番人気の彼女が裏ではちょっとポンコツで可愛い  作者: Yuu
私が見ている空とあなたが見ている空
141/152

141話

真紀ちゃんの姿を公園でみた時、今まで感じたことがない怒りの感情が身体の中を煮えたぎっていた。

周りの人に興味がない私でもわかる。

これが「いじめ」なんだと。

今すぐ主犯のやつらを〇しに行っていやりたいと本気で思った。

でもそれと同じぐらい真紀ちゃんのことが心配だった。

初めて会った時から私のことを受け入れてくれて、いつも笑顔で優しくて私の方が年上のはずなのに私の方が甘えてしまっているときもあるぐらい仲良しになれて、一人っ子の私にとって初めて妹ができた気持ちだった。

そんな真紀ちゃんの笑顔がどこかぎこちなくなり、ぼーっと遠くを見ている時間が長くなっていた。

だから私はできるだけ一緒にいてやりたいと思った。

みっちゃんも俊哉さんも真奈さんも真紀ちゃんのために一生懸命考えて動いている。

でも私はこうゆうときの動き方がわからない。


それと同じぐらいみっちゃんのことも心配だった。

みっちゃんは責任感が強い。

そのみっちゃんがひとりで背負いこんでしまわないように

真紀ちゃんと一緒にいないときにはできるだけみっちゃんと一緒にいるようにしていた。

山田さんの美容室に行くときもタイミングよく真奈さんが帰ってきたからすぐに着替えて美容室まで走った。

山田さんに状況を話しているとやはり溜め込んでいたものがあるのを知った。

きっと私に話したくないとかではなく、単純に私と同じで人に頼るのが上手ではないんだと思う

もっと私が頼りがいのある存在になれればいいのに自分の未熟さに後悔した


ラーメン屋に行く途中に主犯の二人に出会ったことは幸運なのか悪運なのかはわからない


「でもあれはやりすぎじゃないの?」


「やりすぎなんて全然だよ。むしろ天王寺くんを傷つけたのだからもっと罰を受けてもいいと私は思っているよ」


「まぁ確かにあのくらい罰を受けてもいいのかもね」


「それに私が天王寺くんに仕返ししようと持ち掛けたときに漫画の知識っていって仕返しの内容を考えてくれたのは天王寺くんでしょ」


「そうそう。最近読んだ漫画で同じようなシチュエーションがあったから過激すぎないやつを選んだつもりだったけど」


「私からしたら生易しいぐらいだよ」


「まぁ松岡が俺の告白あんな無下にするとは思わなかったな」


「私は前々から松岡のことは気に入らなかったからちょうどよかったよ。最後にトイレで上からホースで水をかけたときに出てきたときの泣き顔は忘れないよね」


「柳沢さんそんなことまでしたの?」


「だってあいつ昼休みになると毎回トイレに行ってひきこもっていたから私の善意で外に出してあげたんだよ」


「ははは。流石柳沢さん!!最高かよ」


私たちの目の前を歩いている2人が話している内容はまさに真紀ちゃんのことで。

それを実行した主犯の2人だった。

私は一瞬にして頭に血が上って〇してやろうと本気で思っていると



「でも今週に入ってあいつ学校に来ていないんだよ。つまんないよね」


「柳沢さんがやりすぎたから不登校になったんじゃない?」


「それはあいつの自業自得だからいいんじゃないかな」


「それもそうか。確か松岡の父親って俺の父さんの病院と繋がっている的な話をしていたような気がするから父さんに話してみようかな」


「いいんじゃない。家族ともども不幸になればいいさ」


「いっそあいつ〇ねばいいのに」


「ははは。確かに」


限界だった。

しかし動こうとする前に握っていた手に痛みが走った


「いたっ」


私はとっさに声を出す。

その瞬間手は解かれみっちゃんは男を殴った


「うっ!!!!!」


男は殴られた衝撃で倒れ込む

男は突然顔面を殴られた衝撃と目の前に立っている俺が誰なのかわからず困惑の顔を強めていた


「いきなり何するんだよ。そしてお前誰だよ」



男は殴られた怒りで立ち上がってみっちゃんの胸倉をつかんだ


「お前らが今話していた松岡真紀の兄だよ」


「はっ...松岡さんの兄?」


まさか実兄がでてくるとは思っていなかったのか男はさらに困惑していた


「そうだよ。真紀の話を聞く限り主犯はそこのクズ女と思っていたけど、振られた腹いせに加担しているとは予想外だったよ」



「それは...あいつが俺のことを簡単に振るからだよ。だからああなっても仕方ないんだ。俺は天王寺家の子供なんだ...」



みっちゃんはもう一発天王寺の顔面を殴った

男の言い訳がくだらなすぎて私の怒りも少し落ち着く


「うっ...」


2発目は流石に効いたのかすぐに立てずにいた

みっちゃんは倒れている天王寺の胸倉を掴んだ


「お前たちの軽はずみな行動で真紀は当たり前の日常を当たり前に遅れないんだぞ。その重みがわかっているのか」


「俺だって悲しくて悔しかったんだ」


「だから傷つけていいのか?ふざけるな。傷つけられた痛みがわかるならどうして同じ痛みを与えようする」


「....」


男は黙りこむ


「傷は治っても痛みを覚えた記憶は消えないんだ。それがお前らにわかっているのか?」


男はみっちゃんの言っていることに何も言い返せずに黙り込んでしまう

すると横にいた女が話し出す


「何言っているのあんた?痛み?傷?そんなのあいつの自業自得じゃない。天王寺くんの気持ちを無下にした挙句、私に対しても生意気な態度をとってきたんだから当然でしょ」


「お前何を言っているんだ?自分の不甲斐なさの腹いせに八つ当たりしたクソガキが」



みっちゃん言葉に女の顔は真っ赤になった


「誰が不甲斐ないよ」


「お前だよ。どうせこの男に告る勇気もなかった臆病者が」


「やっぱりあいつの兄妹ね。私がこんな気持ちになったのはあいつとあの時話した時以来だわ」



「なら真紀の意見は正しかったってことだな」



「ふふふ。言いたいことはそれだけ?それであんたに何ができるの?ここで私を殴るの?あいつの兄は女に暴力を振るクズ野郎って私が学校に言いふらしてやるよ。そしてらあんたの妹はもう完全に学校にこれなくなるでしょうね。私があいつの居場所を完全に潰してあげる」


今のみっちゃんは怒りが強すぎて私でも少し怖かった

静かに女に近づく


「何よ!!!本当に私に手を出していいの?男が女に手を出すなんて許させるわけないでしょ」


女も焦ったのか言い逃れを始める


「だから何だ?真紀が耐えて頑張ったんだ。なら兄の俺がなんのリスクも負わないなんてありえないだろう。男が女に手を出したらダメ?そんなのわかっているよ。じゃぁどうやったらお前みたいなクズは制裁を受けるんだ?」


みっちゃんが女に殴りかかろうとする


「みっちゃん」


私は名前を呼ぶがみっちゃんは無視する


「みっちゃん」


それでも私はみちゃんの名前を呼び続けるがみっちゃんは止まらない。

だから私はみっちゃんの腕を掴んだ


「愛離して」


こんな怒りのこもった言葉を私に向けて話すのは初めてだった


「ダメだよ」


私は冷静に話しかける


「どうして???」


やっとこっちをみたみっちゃんの目は「なんで止めるんだ」という怒りがこもっていた


「その子が言った通り、男が女に手を出すのはダメだと思うし。私はみっちゃんに女に手を出したという過去を背負ってほしくない」


私は思っていることをそのまま言葉にした


「じゃぁどうすれば」


みっちゃんも少し冷静になったのか力が弱くなるのを感じた

だから私は掴んでいた腕を離して2歩前に進んだ


「バチン」


「えっ?」


女は何が起きたかわからずその場で呆然としていた

私は2発目を女の頬に叩きこむ


「痛い!!何するのよ」


「男が手を出しちゃだめなら私がすればいいだけのこと。黙って聞いていたら気持ち悪いことをぺらぺら話して吐き気がする。真紀ちゃんはあんたみたいなブスが傷つけていい子じゃない。あんな優しい子をあんたみたいなクズが傷つけていいわけがない」


「ブス?クズ?所詮彼女風情が調子に乗らないでよね」


パチン

騒音みたいな声に腹が立ちもう一発が頬を叩く


「だから痛いって言ってるでしょ。いい加減にしなさいよ」


「真紀ちゃんはそれより痛い思いをしたの。誰にも相談できずに制服がずぶ濡れになっている状態で公園で一人でいる辛さがわかる?みんなに迷惑かけないように逃げずにあんたたちの悪意を正面から受けた怖さがわかる?あんたたちの「これぐらい大丈夫」がどれだけあの子を傷つけたのかわからないでしょう」


続けてこいつがいっていたことに対して反論したいことがあった


「それにさっき所詮彼女風情っていったけど。真紀ちゃんは私の将来の義妹になる子よ。みっちゃんが真紀ちゃんのために怒るのと同じように姉が妹のために怒るのは至極普通のことよ」


こいつの顔をみていたらあの時の真紀ちゃんの涙はなんのために,,,と思うとまた腹が立ちもう一発頬を叩く

流石に女も戦意を失ったのか座り込んでしまった

それをもう一度立ち上がらせようと手を伸ばそうとすると

今度はみっちゃんが私の腕を掴んだ


「もういいよ」


「でも...」


「これ以上俺たちがこの二人に何かしても真紀の状況がよくなるわけじゃない」



確かにここでこいつらをボコボコにしても真紀ちゃんの状況がよくなることはない

そう思うと伸ばしそうになった手は引っ込んだ


「あんたたち絶対にこの報いを受けてもらうからね。いこう天王寺くん」


「そうだね。天王寺家の子供にこんなことをして許されるとは思うなよ」


「ねぇみっちゃん。やっぱりこいつら〇していいかな」


やっぱり一度完膚なきまでにボコボコしてやろうかと本気で思ったが

山田さんの到着ともにこの場は落ち着いた。

そのあと食べたラーメンは普通に美味しかった



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