表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラスで一番人気の彼女が裏ではちょっとポンコツで可愛い  作者: Yuu
私が見ている空とあなたが見ている空
125/153

125話

天王寺くんい告白されて断ってから滝沢さんに呼び出された次の日、私はいつも通り学校に登校して自分の教室に向かった。

教室に入るとクラスの人の視線が私に集まっているのに気付いた。


「どうしたの?」


私は近くの女の子に尋ねた

女の子は恐る恐る黒板を指さした

私が黒板をみるとそこには黒板いっぱいに文字が書かれていた。

私はそれをみて言葉を失った


「松岡真紀はビッチでパパ活している」

「ヤリマン」

「ブス」

「馬鹿」

「クズ」

などの悪口が黒板いっぱいに書かれていた。

私はこの時に自分が置かれている状況を少し把握した


「私はいじめられているんだ」


心当たりが全くないわけではない。特に昨日の出来事は可能性として高いかもと思い、柳沢さんたちのほうをみてみると。静かにこちらをみて一瞬にやけたのがわかった。

おそらくこの場にいる他のクラスメイトには誰がやったのかはわからないだろうが、私には誰がやったもなのか確信があった。


自分がいじめられる立場になるなんて思ってもいなかったが頭は冷静でいれた。

もしこの場で私が大袈裟に騒いだら柳沢さんたちの思うつぼなのかもしれないと思った。

だから私は何も言わず自分の席に座った。

先生がくればこの状況はどうにかなると思っていた。

そして先生が教室に入ってくる


「全員座れ~。朝礼するぞ」


先生は教壇に立つと一度黒板を見て驚きの表情をした。

一度深くため息をつくと


「日直!!黒板の落書き消しておけよ」


「...はい」


日直が静かに返事をする


「じゃぁ出席とるぞ」


えっ?

先生は明らかに見て見ぬふりをした。

何も言わないの?

こんな明らかな異常事態をそのままスルーするってあるの?

私は先ほど以上の動揺を隠せずにいた。

先生は何事もなかったかのように朝礼を終われせて教室の出口に向かう

すると一度立ち止まりこちらをみる


「松岡、この後ちょっと視聴覚室にきてくれるか」


「はい」


どうして職員室ではなく視聴覚室?とは思ったが私は返事をした。

朝礼が終わり、視聴覚室に足を運んだ


「失礼します」


「入れ」


「はい」


先生の口調は少しきつよういような気がした


「今日の黒板に書かれるようなことはいつからだ」


「今日からです」


「はぁ.....」


先生は大きなため息をついた

そして先生が次に口にした言葉が私の予想の斜め上の言葉だった


「なんで俺がもったクラスでこんなことが起きるかな。お前がなんかしたんじゃないのか?」


私は言葉を失っていた

この状況になったのは私のせいだと先生はいいたいようだ


「私はこんなことをされるようなことはしていないと思います」


私は負けずに先生に反論する


「それはあくまでお前の主観であって、いつの間にか誰かの気に障ることをしてしまったという可能性がないとも言えないだろ」


その先生の言葉で私は昨日の柳沢さんたちとのやりとりを思い出した


「もし誰かの気に障ることを私がしたとしてもあんなふうに黒板に書かれる理由にはならないと思います」


「わかったわかった。そんな本気になるなってめんどくさい。とりあえず様子は見ていくから」


めんどくさい?

この教師は何を言っているんだろうと心の底から思ってしまった。

普段から適当な教師だとは思っていたが、ここまでとは思っていなかった


「あっそうだ!」


私が視聴覚室を後にしようとで出口にむかっていると先生が何かを思い出したように口を開く


「他の先生にはいうなよ」


「どうして?」


「お前も大事にしたくはないだろう?俺も担当しているクラスにいじめがあるってなったらいろいろと大変だし、お前も家族に迷惑をかけたくはないだろう」


完全にこの教師の自己中心的な考えだと思ったが家族に迷惑をかけたくないというところだけは共感できた。

お母さんもお父さんもお兄ちゃんも愛ちゃんもきっと私の状況を知れば動いてくれると思う。

でもこのくらい自分でどうにかしたい。


「わかりました」


「松岡は物分かりがよくて助かる」


そういった先生の顔は笑っているような気がした。

私は教室を出た後廊下を歩きながら考えていた

まず起きたことを整理しながら一つ確証があることがある

あの担任の教師は絶対に頼りにならないし私の見方ではない。

自分の保身しか考えておらず私のことを問題児のようにみていた

ただ、他の先生に話すことで事が大きくなり家族にまで迷惑をかけるというのは嫌だなと思っている


「松岡さんじゃないの」


廊下を歩いていると柳沢さんと取り巻き二人が立っていた


「自分がモテないからってくだらないことするんだね」


私は自分が思っている以上にイライラしており、普段は言わない皮肉を柳沢さんにぶつける


「今なんて言った?」


柳沢さんもカチンときたのか怒気のこもった返事をする


「自分が天王寺くんに振り向いてもらえないからってあんな八つ当たりみたいなことをして恥ずかしくないのかなって思っただけ。あっ!そもそも金魚の糞みたいに仲間連れておかないと態度も大きくみせれないのか」


私の言葉に取り巻きの二人もカチンときたような気がした。

それ以上に柳沢さんの表情は怒りに満ちており、今にも殴りかかってきそうなぐらいだった


「なるほどね。あんたはあれぐらいじゃダメなんだね」


そういうと私のところに近づいてきて

耳元に口を近づけた


「まだまだこれからよ」


そう言い残して柳沢さんはその場を立ち去った。

1人取り残された私は自分の言葉に少し後悔した。

あそこまで怒りを逆なでするようなことをしなかった方がよかったかもしれない。

でもあのくらい言わないとこっちも気が済まない。


まぁどうにかなるでしょ。


この時の私はまだ事の重大さを全部理解できていなかったのだった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ