表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
115/152

115話

昨日は突然桐生さんから連絡がきて正直驚いた。

内容もだったが、グループラインに送ってきたことにさらに驚かされた。

桐生さんは自覚があるかわからないが、自分の弱みを見せるのが苦手だと思う。

それは愛もさくらさんも俺たちも同じでみんな似ている。

その中でも桐生さんは特に弱みを見せるのが苦手だと思うが、桐生さんから悩みを相談したいと連絡がきたことは嬉しさもある。

多分斎藤さんの影響があるとは思うが。そのあと桐生さんから「乙羽さんも一緒にいいかな?」と連絡がきて俺と愛意外は「乙羽さん?」みたいになっていたが、そこは俺と愛がフォローする形で了承を得た


「みっちゃん準備できた?」


「うん。行こうか」


俺と愛は朝から待ち合わせをしていつものファミレスに向かった。

途中で桐生さんと斎藤さんに出会った


「今日は突然ごめんね」


「いいんだよ。俺たち予定なかったから」


「私はみっちゃんと過ごす予定だったから、一緒に入れるならOK」


「ははは。相変わらずだね」


【ごめん斎藤さん、置いてきぼりになっちゃったね】


俺は斎藤さんを輪に入れるために携帯を開いてメッセージを送る


【いえいえ。なんとなくでわかるから気にしないで】


斎藤さんは美人で優しい性格だと思う。

自分に気を遣わせないための配慮もちゃんとできており、こっちも自然に接することができている


桐生さんの本題には触れずに俺たちは何気ない会話をしながらファミレスに向かった

ファミレスにつくと他のみんなは既に集まっていて

8人1テーブルと周りからみたら陽キャの集まりみたいな席になっていた。

ちなみに昨日の段階で他のみんなには斎藤さんのことは伝えている

最初はみんな反応に困っていたようだが、そこは会ってからの方が斎藤さんのことは伝わると思い簡単にだけ説明しておいた


席に座ると早速さくらさんがスケッチブックをバッグから取り出した。

すると他のみんなも自然に書くものを取り出した。

改めてこの人たちと友達になってよかったなと思ってしまった

斎藤さんもみんなの行動に驚きの方が大きかったらしく表情が固まっていた


【春乃さくらです。みんなのまとめ役です】


【中村敬都です。多分いじられ担当です】


【僕は苑田冬樹です。可愛いもの好きだからこの格好です】


冬くんは今日女装の方で来ていた。

相変わらず可愛い。というか前よりパワーアップしているような気がする


【鏡朱里です。愛様の大ファンです】


俺たちも一回ボケておかないといけないかなと思うぐらいみんなちゃんとした自己紹介をもってきていた。

先ほど友達でよかったなとは思ったが、こうやって自己紹介をみてみると個性的でクセ強いなこの人たち。特に冬くんと鏡さんの自己紹介は初見では???だよね。


【斎藤乙羽です。聴覚障害を持っていますが性格はパリピです。(笑)】


斎藤さんも負けじとボケをいれてくる。

中々自分でパリピという人はいないからみんな笑ってしまった

みんなの自己紹介も終わったところで今日の本題に入る

ちなみにみんなの自己紹介のおかげで斎藤さんもスムーズに輪の中に入れた。

愛がすぐにグループに招待してから基本的な会話は携帯の中でする。

そして時々は口話を使いながらみんなでコミュニケーションをとっていった


愛が先陣を切る


嶋野愛

【それで桐生さんの悩みは】


この前からだが、普通に話すときには絶対に会話の主導権を握ろうとしない愛が文章でコミュニケーションをとるときは先頭に立って引っ張ってくれる。


桐生天音

【そうだね。今日はみんな集まってくれてありがとう。実は先日進路のことで親に大反対を食らってしまって何かアドバイスをもらえないかなと思って】


春乃さくら

【なるほど、進路のことは悩むよね。ちなみに桐生さんはどう考えているの?】


当然その質問になる

桐生さんの進路はなんとなく予想がつく

でも桐生さんがfreedomのボーカルをやっていることは俺と愛、多分斎藤さん以外は知らないと思う


桐生天音

【私は音楽をやっていきたいと思っているんだ】


その返信がくると他の全員が少し驚いた表情で顔をあげた

鏡さんはそんなに驚いていないみたいだ


春乃さくら

【天音ちゃん音楽やっているの?】


中村敬都

【でも似合うかも】


苑田冬樹

【かっこいいですね】


桐生天音

【黙っていてごめん。ここまできて隠し事をしたくないからこの動画をみてほしい】


桐生さんが一本の動画が送られてくる


春乃さくら

【これって...】


中村敬都

【freedom???】


苑田冬樹

【これ僕も知ってます】


鏡朱里

【いいよね。(笑)】


なんで(笑)がついているの。多分この人知っているな


桐生天音

【freedomのボーカル桐生天音です。黙っていてごめんなさい】


.....


「「ええええええええええええええええ」」


三人は顔をあげて声をそろえて驚いた

そりゃそうだよね


「鏡さん知っていたの?」


「うん。この前私の前で桐生さんが歌ってくれたんだけど声が似ているなと思って質問したらかなり動揺したからそうなのかなと」


「桐生さん嘘苦手そうだもんね」


「めちゃくちゃわかりやすかった」


「それ以上言わないで」


桐生さんは顔を真っ赤にしていた

普段クールな表情が多い分、新しい桐生さんを見れているような気がする


「瑞樹たちは知っていたの?」


さくらさんが俺たちに質問する


「知っていたね。文化祭の時にたまたま桐生さんがやっている路上ライブをみてから」


「なるほど。だから文化祭あたりから急に仲良くなったのか」


確かに俺たちが急に桐生さんと仲良くなったときにはクラスがざわめいていた

ふと斎藤さんをみると桐生さんが送ったfreedomの動画をじっくりみていた


「斎藤さんにはfreedomのボーカルだったことは?」


「言ってなかった」


「なるほど」


松岡瑞樹

【斎藤さん、桐生さんの動画どう?】


斎藤乙羽

【やっぱり私の考えは正しいと再確認しました】


松岡瑞樹

【考え?】


斎藤乙羽

【はい。私も天音ちゃんの路上ライブをみたのが仲良くなるきっかけでした。初めてライブをみたときに天音ちゃんの歌を聴いているお客さんの表情をみたときにこの人はすごい人!!って思いました。私は天音ちゃんがどんな声でどんな歌を歌っているのかはわかりませんが、それを聞いているお客さんの表情をみればどのような歌なのか想像がつくと思うんです】


春乃さくら

【確かにfreedomのライブとか動画とかすごくいいよね。まさか天音ちゃんが歌っているとは思っていなかったけど】


中村敬都

【驚きがでかすぎるよ】


鏡朱里

【松岡は桐生さんの歌で泣いたらしいよ】


桐生天音

【鏡さん、それは内緒】


なぜ文章でそれをいう桐生さん。

その返事は肯定としかとらえられないよ


「瑞樹泣いたの?」


さくらさんがこっちをみてニヤニヤしている


「へぇ瑞樹がね」


敬都もニヤニヤしている


「松岡くん可愛い」


冬くんやめて...


「みっちゃんは可愛いんだよ」


うん。ありがとう

鏡さんのカミングアウトのせいで俺のいじられネタが1つ増えた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ