表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/152

103話

「今度三者面談があるでしょう?」


愛も一緒に晩御飯を食べていると、母さんが急に話を切り出した


「あるね」


「愛ちゃんのときは私が出席するから」


「えっ??」


俺も愛も母さんが言っていることがあまり理解できていなかった


「母さんどうゆうこと?」


「言葉の通りよ。愛ちゃんは今お祖母ちゃんは病院にいるし、ご両親は日本にいないから3者面談で一緒に同席する大人がいないでしょう」


「まぁ確かに」


「だから私が愛ちゃんの保護者として同伴するの」


「そんなの申し訳ないです」


「いいのよ。奈央さんにも許可はとっているから」


「お母さんに?」


愛はまた驚いた表情になる

母さんが愛のお母さんと連絡を取り合っているのは知っているけど

思っている以上に連絡を取り合っているのかもしれない。


「そう。三者面談の話をしたらいけないって言われたから私が代わりにいくと言ったら、最初は愛ちゃんと同じ反応をしていたけど少し話したら「お願いします」って言われたから」


「お母さんがお願いしますっていうところが想像つかないです」


「そう?連絡取り合ってみたら普通のお母さんよ」


「そうなんですね」


「それで愛ちゃんが嫌じゃなかったら私が代わりに行くけどどうかな?」


愛は少し考えて


「お願いします」


「よかった」


「じゃぁ瑞樹、明日先生に三者面談の順番は前後にしてもらうようにいっておいてね。その時間に合わせて私も休みをとるから」


「わかった」


愛はまだ動揺しているようだが、母さんの言葉に少し嬉しそうにしているのは気のせいではないはず

晩御飯を食べてから俺の部屋で一休みをしていた。

最近は晩御飯を食べてお風呂まで済ませて部屋でまったり宿題したりして9時~10時ぐらいには愛を家に送ることがルーティンのようになっている。


「三者面談の件よかったのかな?真奈さんに申し訳なくて」


「母さんが言っているからいいんじゃない?隣で父さんも「それがいい」って言っていたから」


「なんか真奈さんと俊哉さんにお世話になりっぱなしで申し訳なくて」


「まぁその気持ちはわかるけど、母さんも父さんも愛のことが好きでやっているんだから今は甘えていいんじゃない?結婚記念日とかに一緒にプレゼント買いに行こうか。そしたら喜んでくれると思うよ。あの二人は毎年結婚記念日は忘れずにお祝いしているから」


「素敵だね」


「仲良くはあるよね」


「私とみっちゃんの目標だね」


「自分の両親が目標ってちょっと恥ずかしいけどね」


「いいじゃん」


そういって愛が抱き着いてくる


「みっちゃん暖かい」


「お風呂に入ったからだよ」


「眠たくなってきた」


「宿題はする?」


「今日はいい。このまま寝たい」


「明日学校だから家で寝た方が朝が楽だよ」


「うううううう。みっちゃんが起こして」


愛は意外に朝が弱い。

朝はいつもよりちょとだけポンコツ度があがる

この前もパジャマの上に制服を着ていた

すごくもこもこしているなと思ったら中にしっかりパジャマが着ていたから笑ってしまった。


「じゃぁ今日は今から帰ろうか」


「ううう。わかった」


眠さは限界に近づいていた

愛に肩をかし家まで送る


「あら愛ちゃん限界なの?」


「そうみたい。送ってくるね」


「気を付けて」


「お邪魔しました」


「はぁい。また明日ね」


「ありがとうございます」


愛が泊まることはあるがそれはあくまで週末にしている

まだ高校生ということもあり平日はちゃんと家に帰ろうと暗黙のルールがあった。

次の日の朝にまた会うんだけど

これで俺たちの一日は終わる

他の男子からみたら羨ましすぎる生活を送っている自覚はある。

正直前よりも愛と一緒にいれる時間が長くなっていて俺も嬉しいし幸せだなと思っている

前に愛から


「みっちゃんって私にキス以上のことはしないよね?」


と言われたことがある。

そう、俺と愛はキス以上のことはしていない。


「そうだね」


「私に魅力がない?私はみっちゃんならいいよ」


「魅力がないわけがない。ただ大事にしているからこそ適当にしたくないってのが勝っているかな。それに一度一線を越えてしまったら自分を制御できなくなるかもしれないから」


「制御できないの?」


愛は少し意地悪そうに俺の顔をみる


「俺は験がないけど、一度知ってしまったらそうなるって漫画に書いてあったから。まぁ本音を言えば覚悟が足りていないのかも」


「覚悟?」


今度は愛は少し不思議しそうな顔をする


「うん。もっと自分に自信がついたときまで待っていてほしいかな」


「わかった。私はずっとみっちゃんを待っているよ」


愛に対して性欲がないといえば嘘になる。

そうゆうことに対して興味もある。

でも流れとかでするのは違う気がしていて。

綺麗ごとをいっているかもしれないけど、大事な時に愛とはそうゆうことをしたいと思っている。

自分でこんなことをいっておきながら愛とずっと一緒にいたら流れと勢いでそうゆうことをやってしまうかもしれないと思って、平日は家に送るようにしている。

泊まるときも愛は客間で寝るようになっていて、まだ一緒に寝たことはない。

俺と愛の関係性普通のカップルとは少し違っていると思う。

両親がいなくてお祖母ちゃんもいなくて子供だけになった女の子が彼氏宅の隣アパートに住んでいる状況なんて漫画の中の世界みたいな関係性を送っている。

だからこそ自分の中でルールを作っておかないと駄目なような気がする。

父さんたちもそうゆうことをいいたくて愛がここで一緒に住むのはまだ早いと思ったのかもしれない。

高校生は身体は大人に近づいているが、中身はまだまだ子供でしかない。

愛はきっと俺を受け入れてくれる。そこに甘える前に自分がちゃんとしていつか愛とそんな風になれればいいなと思っている。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
新年一発目の更新ありがとうございます! 目先の性欲に走らないのはみっちゃんの良いところではありますが逆に言えばヘタレなわけで笑 みっちゃんには精神的な強さを磨いて欲しいかな いつまでも陰キャだからとか…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ