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花の章  作者: 卯月朔夜
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第一話

私には二人の兄と姉と弟がいる。でも、本当の家族は兄一人だけ…。そう、私達は養子だったのだ。



 産まれて間もない頃に私達は捨てられた。兄が捨てられて十五年、私は今年で中学生になる。

 その話を養父母から聞いた私は驚きを隠せなかった。普通の家族だと思っていた私には理解が出来なかった。だけど、余所者の私達を育てるのは養父母はかなり苦労したと思う。

いきなり、

「はい、他の子供を育てます」

何てそう、上手く行くはずがない。自分の子供を育てているのに余裕があるのかしら。

 知識はあっても経験もなければやっていけないよね?

 そんなことを考えていると、実兄が帰ってきたようだ。実兄は今は野球部で高校一年生からレギュラー入りしている。甲子園にも出場して優勝した立役者だ。来年も甲子園優勝を目指している最中である。





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