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溢れた想い


鈴香と直紀は2件ほど雑貨屋を見たあと、アイスクリームショップに入った。


「意外だな。鈴香がコーヒー味のアイス」

「ここのお店来たら絶対頼むんです。バニラと一緒に」

「へぇ〜」


鈴香はコーヒー味のアイスを食べる。

美味しくて笑みがこぼれた。


「アイスまでおごってくれてありがとう。ごめんね」

「鈴香ってさ、人に気遣っちゃうタイプ?」

「うん……」

「前にも言ったけど俺には気遣わないで。俺意外とわがまま言って振り回されたいタイプだから」


鈴香は小さくうなずいた。


「あっ、さっきのこれ」


直紀はさっき買った練り香水を渡した。


「ありがとう」


(あぁ、早く俺のモノにしたい……!けど、焦って失敗したくねぇし……)


鈴香は満足そうにアイスを完食した。


「……あっ、ごめん! 俺今日夜勤なんだった! まだ時間はあるけど」

「そうなの!? じゃあ、帰らなきゃ!」

「いや、大丈夫」


鈴香は首を横に振った。


「ダメだよ。家に帰って、少し休んで。ギリギリまでデートしてたら疲れちゃう」

「……わかった。ごめん」


ふたりはお店を出た。



ふたりは車に乗った。


「……あのさ、俺鈴香のこと好きなんだ」

「えっ」

「だから、あのときの返事聞かせてほしい」


直紀はまっすぐ鈴香を見る。


「でも、わたしなんかで後悔しない……?」

「しないよ。絶対」

「……じゃあ、わたしで良ければ……」


直紀はガッツポーズした。


「……今日、OKもらっても手出さないって決めてたけど……やっぱムリだわ。全然余裕ないし」

「え?」

「キスしていい?」


心臓が大きな音を立てる。


「鈴香」

「……嫌じゃない……です」

「良かった」


直紀は助手席に手を当て、顔を近づけた。

鈴香は戸惑いながら目を閉じる。

直紀は彼女にそっと口付けた。


「……直紀、くん……」

「うん」

「その、恥ずかしい……」


直紀は静かに笑うと、彼女の髪を右耳にかける。


「いちいち反応かわいいんだけど」


鈴香はうつむく。


「下向かないで」

「っ……」

「俺を見て」


鈴香は恥ずかしそうに直紀を見た。

その瞬間、またキスされる。


「……な、直紀くん……! あの……」

「はい、この辺にしときます」


直紀は座り直すと、エンジンをかけた。


「そういう顔、他の男に見せんなよ」

「えっ」

「独り言」


直紀は車をゆっくり走らせた。


「あっ、あのさ、一応上司に報告したいから、住所とか生年月日とか教えて」

「うん。……え?」

「報告の義務があるんだ。彼女できたら」


鈴香は目を見開いた。


「だから、あとでメッセージで送ってくれてもいいけど、いろいろ教えて」

「わ、わかった」


(わわ、正式に彼女になったってことだよね……? ひゃ〜)


鈴香は少し顔を赤くした。


「直紀くん。これからも歯医者来たときは、苗字でお願いね」

「頑張る」

「規則で患者さんと付き合っちゃダメだから。ナイショね」

「わかった。善処する」


鈴香はチラッと直紀を見た。


(大丈夫、だよね……?)


なぜか少し不安が込み上げてきたのだったーー

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