7 魔神世界の文化②
ただ、これらのゲームは魔力の消費量も勝敗を左右する。
子どもが遊ぶくらいのカードゲームではそれほど消費しないが、大人が遊ぶコロシアムの場合、上級魔術師レベルでないと魔物や魔法を維持できずに負けてしまう。
したがって、通常コロシアムのカード呪術師は上級魔術師である。
マスターは、強すぎることと危険が伴うので、コロシアムのカード呪術師になることはできないそうだ。
我々はこのカードゲームを1セットずつ購入し暇なときに遊ぶことにした。
カードは使うと魔法陣が消えるので10セット購入している。
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生活水準は、リオを見る限りそんなに剣神世界と変わらないが、貧富の差が大きく、高い魔力があるものほどいい生活をしている。
剣神世界と少し違うのは、剣神世界では主として魔物が出るのは魔窟であったが、こちらの世界では魔窟はもちろんのこと、森や山岳地帯、海や川などの水辺に多く出没する。
魔核のある魔女などのカルト集団は地下に住んでいることが多い。
魔核のある魔女は人が魔核を取り込んで人の形をしており、一部のマフィアも魔女になっていることがあるそうだ。
(なお、魔女には男性もいる。魔男とはいわない。ただし、魔核を取り込んでいない魔女、マスターもいるので注意しなければいけない。)
その最たる理由が、魔核をそのまま丸ごと取り込むことで、魔力が増大され0~2ランクアップするらしい。より力の強い魔核をとれば、中級魔術師がマスターになることも不可能ではない。
ただし、これには反作用があり、性格が悪い方向へ変わることと、成功率は10%ぐらいしかないことである。
後の30%は魔核(もとの魔物)に取り込まれ人の姿ではなくなり、ただの魔物と化すか、60%はそのまま排せつ物として出てしまうそうだ。
しかし、このような行為は、各国共通で強く罰せられる。
魔核を取り込んで魔物になった魔女や魔物は討伐の対象となり、元が人間であろうと殺しても構わない。またそれに協力したものも同罪である。
この世界では、魔核がない魔女と魔核をとりこんだ魔女を区別するため、
魔核を取り込んで魔女になったものを
《《魔核魔女》》 または 《《魔核マスター》》 という。
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前世の世界で得られた知識で、使ってはいけないのは高度な科学技術であろう。
電気はあるといっても電話やテレビ、電子機器を使った自動車や電車、飛行機の類は開発しないほうがよさそうだ。
――やろうと思ってもできないが。
日本に行くためには、アメリカ大陸に渡り、北上し北極を抜け、ロシア経由で行くのがよさそうである。その間に移動魔法陣を覚えられれば、それで日本に飛ぶこともできよう。
こう考えると蒸気新幹線や飛行機の便利さがよく分かる。
ついでに船について調べたら、あるらしいが、かなり小型で漁師が使う程度のものらしい。
とても長距離移動の手段としては使えない。
小屋を襲った次の日、ギルド支部に行って移動方法を聞いてみた。
灯台もと暗しというか、なんとギルド支部には移動魔法陣が設置してあった。剣神世界で鍛冶場として使っていたところが、移動魔法陣の設置場所だ。
移動する場所によって移動魔法陣の使用料が違っており、ブラジルから日本までだと1人500万円だ。
蒸気新幹線だとリオから日本まで約2万kmあり、1人約200万円かかるのでかなり高い。でも一瞬で着いてしまうので考えようによっては安いのかも知れない。
その移動魔法陣の魔法師は、もと冒険者でAまたはB級を引退したものがなっている。移動魔法陣を発動する際にかなりの魔力を消費するらしく、魔力は上級またはマスタークラスだったらしい。
カルト集団がいつまたハクビを狙ってくるか分からないので、まずはこの地を移動することにしたいが――




