6 救出①
「みんな、これからあの小屋に突入する」
「でも、このまま突入すると、機関銃で打たれる可能性が高い。
簡単には当たらないと思うが、相手の腕も分からないから、用心した方がいいと思う。
それとやっかいなのは魔女だ。
どんなスキルを持っているか分からない。
魔女のうちひとりは魔力を押さえ込むスキルのようだ。
そこで、突入前に皆に私のスキル「魔断」を付与する。
その後、日葵があの小屋目掛けて力いっぱい最大限の「稲妻」を放ってくれ 」
「そんなことしたら、皆、死んじゃうよ。 娘さんだって巻き添え食うかも知れないし――」と日葵が心配そうな顔をする。
「オレの娘だし、たぶん、大丈夫だ」
(私は日葵の雷に当たっても生きてるからな)
「それならいいけど。……ショウを信じるよ」
「それから、もし、マフィアが生き残ってて銃を向けてきたら、美夜、クロ頼んだぞ」
「いーぜ。暴発させてやる。サラマンダーのお陰でどこにでも着火できるからな」
――ちょっと怖い。
瑠璃や碧衣のスキルでも弾を逸らせることができそうだが、弾丸そのものを使えなくするには美夜が適任だ。
クロには目くらましに「漆黒」をマフィアの目に使ってもらおう。
「皆にスキルを付与するので、せいぜい魔力が持つ時間は30分だ。この時間内に娘を救出する。いいか!」
「OK」
「了解!」
「ミッション ハクビ救出作戦だね」
まず「魔断」を全員の首筋にキスし、全メンバーに付与する。
そして日葵が小屋めがけ、極太の「豪雷!」を落とした。
バリバリバリ ……
一瞬、周りが眩いばかりに、明るくなったが、小屋の明かりも消え、漆黒の暗闇に包まれる。
クロを先頭に小屋に突入だ。
小屋がプスプス音を立て、焦げ臭い匂いがしている。
お構いなしに、ドアを蹴りつけ中に入った。
マフィアは気絶している者が10人と魔核が5個落ちていた。
もしかしたら絶命しているかもしれないが、そんなことはどうでもいい。
「クロ、ハクビはどこだ?」
「この奥の部屋だにゃん」
奥の部屋のドアも蹴りつけ、中に入ると魔女3人が平気な顔をして檻の傍にいた。
1人は檻の前、もう一人は檻の脇、もう一人は檻に腰掛けている。
ハクビは気絶しているようだ。
呼びかけても返事がない。
「トラップを仕掛けてたのに、それを解除するとはな。
でもその時点で、誰かが侵入してくるだろうと思ったよ。
しかも、あんな雷を落として来るとは只者じゃないな。
防御魔法陣を使ってなかったら危なかったよ」
と言ってたみたいだが、ポルトガル語なのでよく分からなかった。
クロが「防御魔法陣使ったみたいにゃ」と簡単に教えてくれた。
魔女がなんか聞いたこともない言葉(たぶん呪文だと思うが)を3秒くらいかけて呟いたあと、魔法陣が出来上がり、こちらに押し出してきた。
魔法陣が襲いかかる。
美夜がさっと切り捨てる。
魔法陣が粉々に砕け散った。
「なぜ、魔法不能の魔法陣を壊せる!」と魔女が言ったみたいだ。(クロ談)
キエェ――――!
美夜は構わずそのまま、ズイッと間合いを詰め、足を踏み込み長刀で魔女を切り捨てた。
魔女が金切り声を上げて、消失する。
後には魔女の魔核とドロップアイテム「魔女の杖」が残っていた。
さらに、碧衣が脇差で、蓮月が蛇腹刀で残った二人に斬りかかる。
が、魔女二人は後ろの壁にスッーっと吸い込まれるように消えていった。
追いかけたいところだが、今優先すべきは、ハクビの救出だ。
ハクビの入ってる檻を壊そうとするが、なかなか鉄格子が丈夫で壊れない。
美夜が「任せろ」と言って、手刀のようにして「バーナー!」を鉄格子に向ける。
このままではハクビが焼け焦げるかもしれないと思ったら、
うまく瑠璃がハクビを「水壁!」で守ってくれた。
かなり便利な2人だ。
瑠璃が「大丈夫だよ。お姉ちゃん」とか言ってる。……少し違うぞ瑠璃
(妹とか言ってなかったか? いつから姉になった。 そもそも叔母だぞ)
鉄格子が焼き切れ、無事ハクビを救出できた。
エッ! ハクビが息してない!
どうやら、あの魔女に殺されてしまったようだ。
(本当は雷の電気ショックで心臓麻痺を起こしていた)




