13 スキル開花
答えは・・・・・・
全て採用することにした。
どれか一つだけ行っても世界樹の生き残りとバッタの根絶は難しいと考えた。
他にもいろいろ方法はあるかもしれないが、私たちの考え得る方法として、
1.世界樹や草の中に逃げ込んでいるバッタに瑠璃が雨を降らせたあと、雷で気絶させる。
2.世界樹を瑠璃の水壁で守りつつ、原っぱを焼く。
これでほとんど根絶に近い状態になってると思うが、
3.土の中に隠れているバッタもいるかもしれないので、出てきたところを怪鳥に食べてもらう。
4.年に数回、エルフや先住民にバッタ狩りをしてもらい、佃煮にしてノブに売る。
5.世界樹の耐性を強めるため、先住民に木登りをしてもらう。
(過保護すぎるのも良くないと思う。)
6.それでも虫が出てくるようなら殺虫剤を使う。
殺虫剤は最後の手段だ。それに材料が調達できるか不明だ。
対策はできた。あとは実行あるのみ。
ライトにも相談して、1の方法に不安があるようだったので、世界樹に雷が落ちないように導雷針を砂漠に立て、雷を落としたあと、世界樹は紅々李のホーリーで回復させる事で承諾してもらった。
枯れかけた世界樹もそれでいいという。
瑠璃が「ゲリラ豪雨!」で水浸しにした後、「稲妻!」で雷を落とし、感電させる。(私たちは飛んでいるので、感電しない。)
「ホーリー!」で世界樹を回復させ、「水壁!」で世界樹を保護しながら、「豪炎!」で世界樹を残し焼き畑にした。
その後は瑠璃が、怪鳥に対して、
「バッタ食べてちょうだい!」とやや強制的にお願いする。
鶴に似た怪鳥も、「ツッツルーー」と言ったらしく、しっかりと食べてくれるようだ。
先住民には天使コスプレをした紅々李たちが先住民のところに降り立ち、
エルフのライトが影から念波で「イナゴ刈りを毎年4回しなさい!」と命じた。
律儀な先住民は、神聖な恒例行事とするであろう。
……少し後ろめたい。
また、先住民の子供には
「積極的に世界樹の木登りをしなさい。だだし、神聖な木であるから傷は付けないように」と命じてもらった。
子供が木に登るくらいが調度いいだろう。
これでだいたいのことは終了した。
問題は殺虫剤だ。
――虫蝗虫――
エルフの街に戻り、これまでの経緯を長老に報告した。
長老は、それだけでももうすでに合格だと言ってもらえたが、殺虫剤の是非について聞いてみた。虫であっても殺していいものか?
長老が「あまり気にしないよ。土壌汚染とか起こさなければね(念波)」
と言ってきたので、殺虫剤も有害物質にならなければ問題ないようだ。
「このアトランティスにケセランパサランはいますか?」
「ケセランパサランって針のついたふわっとした生き物かい? それなら……(念波)」と言って念波を送ったらしく、
ケセランパサランが祠の奥や世界樹の上の方から集まってきた。
ケセランパサランも植物の一種で魔物化したものらしい。
魔物といっても、危害を加えなければいい魔物なので共生しているという。
ここにいるケセランパサランは色とりどりで白、赤、黒、青、藍、緑、金色と様々だ。
できれば全て研究材料に欲しいところだったが我慢した。
私が知っている藍色のケセランパサランに集まってもらい、針からコップに毒を出してもらう。それを1000倍に薄めれば、殺虫液ができることをエルフのライトに教えた。
万一、世界樹にバッタや糸のような虫が出たらこれで殺して欲しいと説明した。
――藍愛♥――
あの枯れかけた世界樹は、長老の昔からの友達だったようで、今でも話しかたり相談したりしているそうだ。
長老は友達を救ってくれたお礼だと言って、
この世界と人神世界以外の別世界を行き来する権利と眠っているスキルを開花してくれた。
――キスしたわけではない。
別世界で役に立つからと、それぞれの額に手を当て、
碧衣に対して、 風の精霊「シルフ」を
日葵に対して、 雷の精霊「ヴォルト」を
蓮月に対して、 月の精霊「アルテミス」を
紅々李に対して、光の精霊「アスカ」を
クロに対して、 闇の精霊「プルートー」を 開花させた。
そして
美夜に対して、 火の精霊「サラマンダー」の命名を
瑠璃に対して、 水の精霊「ウンディーネ」は目覚めているので、
さらなる魔力の器を広げ、さらに第2のスキル「吸収」を開花させた。
もともとそれぞれに眠っていた力を引き出しただけだという。さすが長老だ。
ただ、己の力に過信しないようにすることと、この世界の剣の力は他の世界でこそ生きてくることを忘れないように と教えてくれた。
美夜の場合、もうすでにほとんど目覚めている状態に近いが、サラマンダーの命名によって力を制御しやすくなるのだという。
瑠璃の「吸収」は手で触ることで魔力を吸収できるそうだ。
……このスキルもすごいな。瑠璃って……
――ん? あの、私は?




